メダカの卵を冬に孵化させるには難易度が上がりますが、産卵・孵化されることは可能です。
では、どのようにしたらメダカの卵を冬に孵化させられるのでしょうか?
メダカの卵が孵化する条件
夏にメダカの卵を孵化されるのは比較的簡単です。
しかし冬は難易度が高くなります。
ただ、重要なポイントを抑えれば卵を孵化させることができます。
卵が孵化する目安として、水温が25℃の場合は8日~10日前後を目安に孵化します。水温が20℃であれば12~13日程度と延びます。
生体飼育の難しいところで、だからといって水温10℃にすると25日かけても孵化は難しくなります。このことから、細胞分裂の速度と水温は非常に重要な関係性があることが分かります。
夏場は高水温で安定しています。
孵化する日数も短いため、比較的簡単に孵化することが出来ます。孵化するまでにすることは卵を取り出して、水道水で毎日水を入れ替え、新鮮な酸素と水カビ防止のためのカルキ(塩素)を投入します。
メダカの夏の卵・冬の卵、孵化方法順序
- 親メダカ水槽から卵を取り出し、タッパーやコップなど小さな容器に入れる
- 水道水を入れ、酸素とカルキで水カビ防止をする
- 孵化が近づいたらカルキ抜きの水に切り替える
- 孵化、稚魚の誕生
通常はこの手順で誕生します。
しかし、冬の場合はこのように簡単にはいきません。
難点は水温の違いです。加温しない場合は1日のうちで水温の変化が激しくなるため、孵化させるのは難しいです。少なくても20度以上の安定した水温にする必要があります。そこでメダカ水槽にヒーターを入れて加温します。
サーモスタットセンサー付きのヒーターがありますが、毎年空焚きによる事故が発生しています。センサーがあると35度程度まで自由に水温を変更出来るので便利ですが、初心者の場合は安全第一に、安全装置の付いたヒーターがおすすめです。安全装置がある場合は、空焚きなると通電が遮断されます。空焚きを繰り返すと使用出来なくなる仕様です。
メダカを孵化させるにはまず、メダカに産卵をしてもらわなければいけません。ヒーターで26℃に保ちましょう。卵は10日前後で孵化する環境です。
ここからが難しいです。
夏と同じように卵を親メダカに食べられないように回収します。タッパーなどに卵を入れて飼育水を入れておくと水カビにやられます。それを回避するために水道水を入れると、冬の水道水は水温が低いので、卵が細胞分裂出来ずに水カビにやられます。
屋内での水草に付けたままの孵化も難易度が高く、水カビにやられてしまいます。
そこで、採卵した卵を指でコロコロとほぐして、一粒づつ付着糸を取り除きましょう。100円均一などに販売されているアクリル製またはプラスチック製の15cm×5cm~10cm程度の小さな透明の入れ物に綺麗にした卵を入れます。
透明の容器にすると、水槽内で目立たないためおすすめです。
この容器は水槽の水に浮くため、3分の2ぐらい保温されている飼育水を入れましょう。0.5~1ぐらい水道水を加えます。その容器を親メダカがいる保温された水槽に浮かべるだけです。アクリル製・プラスチック製なので水温がそのまま容器を温めてくれます。
毎日水を取り替えますが、大事なことは3分の2ほど保温された水を残して、0.5~1ぐらいの水道水を加水すること。
水道水により水カビを防ぐ効果に期待出来ます。
すべての水を変えてしまうと水温が急激に変わるので注意が必要です。また、孵化が近づいたら水道水の投入は停止し、カルキ抜きした新鮮な水に切り替えます。
途中で水カビが発生したり、眼が出ないのは無精卵なのですぐに取り除きましょう。他の卵に感染します。
孵化した稚魚も同様にして親メダカの水槽に浮かべた別容器に入れておくと温度調整が楽です。サテライトなどを使用しても良いでしょう。(卵をサテライトの中に入れると水カビにやられる可能性が高いです。)
水カビが発生しないように、メチレンブルーを使う方法もあります。この場合は、一滴入れるだけで毎日の水道水の投入はしなくて良くなります。水カビを防ぐ効果があるためです。
冬にメダカの卵を孵化させる手順
- ヒーターでメダカ水槽を温める
- 産卵
- 卵を回収
- 卵の糸にゴミが付くと水カビの元。綺麗に取り除く
- 飼育水と水道水を入れる
- 26度に保温された水槽に容器を浮かべる
- 毎日、飼育水を残しながら水道水を加水する
夏にメダカの孵化を実現することは比較的安易ですが、冬は水温の関係から難しくなります。ヒーターを使い、親水槽の水温と卵を孵化させる水温が成功の鍵を握ります。
親メダカがどうしても卵を産まない場合は、一度水温をゆっくりと時間をかけて下げ、3日程度そのままにしておきます。
そして、再び産卵を促す水温までゆっくりと時間をかけて上昇させましょう。冬が終わったと勘違いしたメダカが産卵をしやすくなります。
まとめ
ヒーターをつけることで、3日で目を確認することができます。
ただ、冬の自然界での動物たちは「お休み」の季節です。卵を産むのは体力を使うので、初夏まで体を休ませても良いかもしれませんね。