アクアリウムを楽しむために水槽の中に何を入れますか?
魚?
それとも水草?
水槽にエビを入れることで利点がうまれます。
エビにも種類がたくさんいますが、アクアリウムで特に水草水槽を効率化させるのは「ミナミヌマエビ」と「ヤマトヌマエビ」で、どちらとも日本の固有種になります。
淡水エビ、ミナミヌマエビの飼い方
ミナミヌマエビは水草についたコケを綺麗に食べてくれるお掃除屋さん。
しかもミナミヌマエビは海にいかずに、一生淡水で暮らすエビです。
逆に川にいるエビがわざわざ海にいく理由は、産卵と赤ちゃんを生かすため。ミナミヌマエビは淡水で一生を過ごす数少ない品種になるため、飼いながら繁殖を楽しむことができます。
一方のヤマトヌマエビは、ふ化した稚エビ(幼生)が海水濃度50%以上の塩水中じゃないと育つことができません。
ミナミヌマエビは、小型の淡水魚を飼う場合に混泳させることが出来ます。
アクアリウムで多くのメリットがある「ミナミヌマエビ」について育て方を見てみましょう。
ミナミヌマエビの生態
ミナミヌマエビは流れが緩い川、池、沼、用水路などに生息し、比較的綺麗な水にいます。
体調は2cm~3cm程度で寿命は1年程度。
基本的に夜行性ですが、水温が20℃~28℃ほどある場合は昼間でもよく活動します。
ミナミヌマエビを水槽に入れる目的は『観賞用』と『掃除用』です。
観賞用
ミナミヌマエビをよく観察すると、とても面白く可愛らしい行動をとるため、観賞用としても人気が高く、ヌマエビ専用の水槽を立ち上げている人も多いです。
例えば足を起用に使いお尻をかいたり、一生懸命足や手を動かしてツマツマご飯を食べる姿は見ているだけで癒やされます。
掃除用
ミナミヌマエビに対する餌は、他に魚などの生態がいる場合は基本的に入りません。
生物の死骸や食べ残し、水草・水槽のガラス面に着いたコケ類や水垢・茶コケなどを食べて餌にします。
メダカや熱帯魚などの食べカスを食べて掃除してくれるため、水質の安定に一役かってくれます。
ミナミヌマエビ単体の場合、水槽立ち上げ数日はコケなどがないため餓死してしまうので、メダカの餌やザリガニの餌などを与えてください。ただし、与えすぎるとコケを食べなくなる可能性があるので最低限に抑えましょう。
混泳の注意点
魚と一緒に混泳させる場合には注意が必要です。
5cm以下の生体までにしましょう。
金魚などは口が大きいため4cm以上は捕食される可能性が高まります。金魚は高確率で「餌」と認識して追いかけて吸い込み捕食します。
基本的にエビは食物連鎖における生物界のピラミッドで下に位置する生き物のため、常に食われる立場にいます。限られた逃げ場のない水槽内に危険な生物がいると判断すると、水草などに隠れて出てこなくなってしまいます。
こうなるとミナミヌマエビの力が発揮できず、コケ対策に活用できなくなります。
水質(水温)
ミナミヌマエビは水質に敏感ですが、初心者でも比較的簡単に飼育ができ、繁殖も可能です。
水温は5℃~28℃に適応しますが、氷が張りはじめる0℃でも生き残る場合があります。これは日本固有の品種で日本の環境変化に強いため。
また、32℃という高温でも生きていました。
しかし基本的にエビは高温に弱いので30℃は超えないように気をつけましょう。高温は水の中の酸素を奪います。ミナミヌマエビは酸素を多く消費するため、水温が高いと酸欠になる恐れがあります。酸素供給のために「エアーポンプ」や「上部式ろ過器」などを回して水槽内に酸素を供給しておくと安心です。
ちなみに、エアーポンプはモーター音が大きいものがありますが、「水心」は音が静かなポンプとして知られています。実際に使用していますが、かなり良い商品です。
水槽の大きさ
ミナミヌマエビの飼育数によって水槽の大きさは変わるため一丸には言えませんが、水質を安定させやすい45cm以上のサイズはほしいところです。
ミナミヌマエビにとって大事なのは隠れ家を作ってあげることなので、だいたいのレイアウトを考えた上で水槽を選ぶと良いかもしれません。
また、ミナミヌマエビの繁殖能力は凄まじいものがあるため、天敵がいない水槽で飼育した場合、5匹だったのが気が付くと200匹に激増しているなんてこともあります。
そのため繁殖目的以外なら、天敵となる生体を入れるか水槽のサイズを60cmや90cmなど大きめのものを選んでおくと、ある程度は安心です。
底床と照明
底床はソイル、川砂、砂利などで問題ありません。
川から持ってくる場合は熱湯消毒して洗い、使用するようにしましょう。また、石の種類によっては石の成分が水中に溶け出して水質を大きく変えるものがあるので注意が必要です。
川石なら日本固有の生物なので、大丈夫かなと思います。
ただ、自然界にはさまざまな微生物などが生きています。石や水草などにスネールなどの卵がついている可能性があるので気に留めておくと良いです。
照明は8時間程度つけておくと良いでしょう。
13時間程度は欲しいところですが、あまり長時間照明をつけているとコケの発生を促進させてしまいます。
これだけは入れておきたい水草
ミナミヌマエビにおすすめの水草はウィローモスです。
ウィローモスに付着する藻やコケなどをエサにし、隠れ家にもなります。また、餓死回避の非常食にもなります。
ミナミヌマエビはアクアリウムに最適なエビです。
大きさや性格、繁殖やその仕事ぶりが水草水槽に適している生物になります。
水草のコケ取りは人の手で行うと非常に大変で、細かい部分はほぼ不可能です。しかしミナミヌマエビがいると、その手の届かない部分まで綺麗に掃除をしてくれます。
まとめ
メダカなどと混泳している場合は、メダカの食べ残しを食べてくれるからエサは必要ありません。
うまく育てれば半永久的に子孫を増やして水槽の中を綺麗にしてくれます。