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「ミナミヌマエビ」と「ヤマトヌマエビ」の違い

アクアリウムでコケ取りなどに期待されるエビ、「ヤマトヌマエビ」と「ミナミヌマエビ」がいますが、双方にはどのような違いがあるのでしょうか?

ヤマトヌマエビは、「日本」・「マダガスカル」など、インド太平洋沿岸の熱帯・亜熱帯域に広く分布しています。ミナミヌマエビは、西日本の静岡県沼津市周辺、琵琶湖・淀川水系から九州に分布する日本固有の亜種です。ちなみに他の亜種は朝鮮半島、台湾、中国にも生息しています。

ヤマトとミナミヌマエビの違い

体格は、ミナミヌマエビは約体長2〜3cmでヤマトヌマエビは約体長5cmほど。

ヤマトヌマエビはミナミヌマエビに比べて食欲旺盛です。

コケ取り能力は比べ物にならないくらい高いため、一匹でたくさんコケを食べてくれるので、水槽への投入数も少なくてすみます。

しかし、コケが少ない水槽にヤマトヌマエビを入れてしまうと水草を食べてしまうことがあるので気に留めておきましょう。コケの少ない水槽は餌不足にならないように気をつける必要があります。

また、ヤマトヌマエビは熱帯魚やメダカに致命傷を与えるような攻撃力をもったハサミを持っていません。小型の熱帯魚にちょっかいを出すこともありますが、基本的に熱帯魚を襲って食べることはしません。

っとはいうものの、個体差があるため一匹が魚を襲うと、他のヤマトヌマエビもそれを真似て襲いだす可能性があります。注意深く観察をすることが大切です。

寿命

ヤマトヌマエビとミナミヌマエビはどのくらい生きるのでしょうか?

ヤマトヌマエビは水槽内で平均2〜3年は生きます。

上手に育てればもっと長生きさせることも可能です。

ナミヌマエビは短命で1年ほどの平均寿命になりますが、そのぶん水槽内での繁殖が可能なため、子孫を繰り返し残すことができます。

数をあまり増やしたくない場合にはヤマトヌマエビがお勧めです。繁殖を楽しみたい場合はミナミヌマエビがお勧めになります。

ヤマトヌマエビの稚エビは海で成長して川に戻って来るスタイルを持つため、水槽内での繁殖は難易度が高いです。

淡水の水草水槽の場合は塩分を入れると枯れてしまい、熱帯魚やメダカも塩分に適応できないため、どうしてもヤマトヌマエビを繁殖させたい場合は、繁殖用の専用水槽を用意する必要があります。

卵から孵ると、川の流れに乗って下流の汽水域まで下り、幼少期は海水を含んだ汽水または海の中で生活をするため、繁殖させるには抱卵したメスを2週間目頃から隔離して飼育し、孵化した幼生を海水か汽水の水槽に移します。

親エビの飼育は淡水水槽でも可能ですが、繁殖は汽水に変えなければいけません。

寿命が長くてコケ取り能力も高いヤマトヌマエビか、数の多さでコケ取りができてうまく繁殖飼育ができれば半永久的に飼育ができるミナミヌマエビか、悩みどころです。

ミナミヌマエビとヤマトヌマエビは共存できる?

ミナミヌマエビとヤマトヌマエビを同じ水槽で飼育することは可能です。

しかし、水草も適度に植えていて、流木なども適度に配置している状態で隠れ家があることが重要です。

ヤマトヌマエビは食欲旺盛のため、餌が少しでも足りていない場合は、ヤマトヌマエビはミナミヌマエビを餌として認識することもあるので、逃げる場所とエサが不足しないように気をつけておきましょう。

ヤマトヌマエビもミナミヌマエビも水草のコケを取る生体として活躍してくれます。しかし、ヤマトヌマエビは水槽の環境に慣れるまで、あるいはコケを積極的に食べる個体がいないと、思ったよりも力を発揮しない場合があります。

ミナミヌマエビは数で勝負をするため、コケを食べる個体が増えやすいです。

また、コケ取りとしてエビを入れる場合には、エビを食べる中型以上の魚は入れないようにしてください。捕食されるためエビは隠れてしまいコケを食べなくなります。

まとめ

ミナミヌマエビとヤマトヌマエビの生態は、一長一短です。

生き物に絶対はありません。

そこが難しいのですが、面白い部分でもあります。

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