現在の「猫」と「犬」は、多くの人が共にして暮らしている家族の一因です。
遥か昔、そのまた昔、ずーとずーと昔のこと。
人間が狩りをするため、犬との共存の道を選んだ生活をはじめました。そして時代は進み、ペットとして猫が身近な存在になりました。
犬の祖先は寒冷地帯に暮らす「ハイイロオオカミ」。
猫の祖先は砂漠地帯に暮らす「リビアヤマネコ」。
知っていましたか?
「ビックリするほどの両極端の地!」
寒冷地帯と砂漠地帯、この両極端の環境が犬と猫の故郷です。これは、猫の手と犬の手のそれぞれの肉球に、驚くべき違いを生み出したのです。
猫の肉球と犬の肉球の特徴とは「違い」
「プニプニしてて気持ちいい~♪」
動物の肉球を触ると気持ちが良いですが、まずそもそも肉球とは何かを紐解いていきましょう。
人間は靴を使いながら外出をしますが、犬と猫は裸足で外を歩るいています。(中には犬用の靴下を履かせている人もいますが…('ω')ノ )
犬猫の足裏をよく見ると「ぷにゅぷにゅ」とした、一見すると脂肪の塊のようなものがあります。これが肉球です。肉球は体重を支えるクッションの役割をしていて、人間の靴のような役割になっています。
肉球の仕組み
肉球の仕組みは、肉球の外側から「表皮 → 真皮 → 皮下組織」になっていて、一番外側の表皮は角質層が厚く、重なり合う結胝組織で構成されています。ここでは触覚をはじめ、「圧覚」・「温度感覚」・「痛覚」を感じることができます。
感覚があまりないと思いきや、実際はその逆でセンサーの役割があります。
足の裏についている肉球の機能によって、犬と猫は様々な情報を感知できる高機能の「靴」を履いているのです。
肉球の構造
- 表皮 …主に角質細胞から成る
- 真皮 …主にコラーゲンから成る
- 皮下組織 …主に脂肪組織から成る
肉球から汗が出る
「暑い~…」
猛暑の日、人は耐えられないほどの辛さを感じます。
これはペットも同じです。
人は暑い日は、体内の体温を下げるために自然と汗を出していきますが、これは犬・猫も同じです。肉球から汗が出るのを知っていましたか?
猫は犬に比べて汗線機能が優れています。そのため、猫の肉球は犬よりもしっとりとしています。その汗のお陰で獲物に気付かれず「ヒタヒタ」と近づくことが可能になります。
対する犬は、その汗の量が少ないがために足音がしてしまうので集団で狩りをする方が向いています。
- 猫 …単独狩りに向く肉球
- 犬 …集団狩りに向く肉球
寒さに差が出る猫と犬の肉球の違いとは
「雪やこんこ♪」の歌で、「犬は喜び 庭かけまわり 猫はこたつで丸くなる」の一文が童謡の歌詞であります。
「いや、犬も寒いでしょ!雪は冷たいでしょ!」
犬の肉球は雪の降る中で駆けまわっても冷たくないのでしょうか?
裸足で冷たい雪の上にいるのに、なぜ霜焼けにならないのでしょうか?
人間は無理ですよね?
靴を履かないと雪の上を歩くのは至難の業です。凍傷してしまいます。
犬が雪の上でも平気な理由
犬が雪の上でも平気な理由は、犬の肉球が「表皮乳頭」と「動静脈吻合」で構成されているためです。
表皮乳頭は、肉球の表面にあるデコボコした起伏で、動静脈吻合は動脈と静脈を結び付けるものになります。つまり、表皮乳頭があるお陰でデコボコとした足裏になっているのです。
「要するに?」
凸凹している肉球のおかげで地面に接する部分が少なくてすむと同時に、動静脈吻合によって足元へ血流を流すことができて暖かいというわけです。
「暖かい靴下を履いている感じ♪」
犬の肉球ってすごくないですか?
この二つの特徴により、犬の肉球は地面が冷たくても静脈血を冷やすことなく活動が可能になります。極寒の地で「犬ぞり」を走らせる犬達が平気なのも納得です。
それだけではありません。
毛で覆われている部分の表皮の厚さは薄くて0.02~0.04mm。肉球の表皮の厚さは猫で1mm前後あり、実はこの表皮の厚さは犬の方が猫よりも厚くなっています。対して猫の肉球はこの表皮乳頭の幅が小さい。
「少しごちゃごちゃしてワケワカメ…」
簡単に言えば、猫の肉球は地面に触れる部分が多く、地面に設置する部分が多いために冷たさを犬よりも敏感に感じてしまう構造です。
まとめ
猫の肉球は敏感、犬の肉球は寒さに強い。
犬はその肉球の特徴から、手を使うことは少なく主に口を使いながらおもちゃなどで遊びます。
一方の猫はどうですか?
猫の肉球は敏感になるため、その特徴から手を起用に使いながらおもちゃで遊ぶことができます。「犬」と「猫」、寒い地域と暑い地域に誕生した動物が作り出す奇跡の足裏の構造には、大きな違いがあります。