国営郵便が民間へ移り変わる出来事がありました。
「郵政民営化」です。
郵政民営化とはどのようなことを言うのでしょうか?
また、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
手紙を出すには消費税が8%にあがってから2円アップの82円になりました。2019年10月以降には10%に消費税が引き上げられました。
値上げの原因は増税が挙げられますが、その大きな理由のひとつに国の管理から民間に移ったことにあります。
郵政民営化とは
郵便局は便利。
手紙を送りたいときには、ここに行けば完璧!
配達員が赤いバイクに乗ってポストにいれる。
ところで郵政民営化とはどのような意味があるのでしょうか?
郵政民営化は、「日本郵政公社の民営化」を指す言葉です。
具体的には、郵政3事業『郵便・郵便貯金・簡易保険』の民営化を言いますが、小泉純一郎氏が内閣総理大臣に就任すると、小泉内閣は郵政民営化を重要施策のひとつとして掲げました。
郵便・郵便貯金・簡易保険などの各方面から多くの反発を受けながらも、最終的には民営化に成功をします。
郵政民営化の流れは、2001年1月郵政省から郵政事業庁になり、2003年4月日本郵政公社へと移り変わります。その後、2007年10月に日本郵政公社は民営化へ生まれ変わることになりました。
郵政民営化によるメリット
郵政が民営化するにわたり、主なメリットが次にあげられます。
サービスの向上
民営化されることでこれまで国財で運営をされていた時とは違い、利益を追求する事により、あらゆるサービスの向上に期待出来る。
公務員の削減
日本国の借金が増えている中で公務員の人件費が他国に比べ高い事があげられる。公務員である機関を民間に変える事により大幅な財政削減を行う事が出来る。
営業時間の拡大
営業時間を自由に決めることが可能になる。長時間の窓口対応や長時間のATM開放など民間企業になる事で利用者にとって利便性が増える。
流通が増える
30兆円にも上る預貯金を投資や融資に活用出来る。
郵政民営化によるデメリット
反面、郵政民営化によるデメリットも存在します。
殆どの郵便局では休日窓口が廃止され、利益を求めることになるため規模が小さい場所(過疎地)の郵便局はこれからも廃止される可能性があります。
また、経済の状況により手数料など料金が上がりやすくなり、他の金融機関と差別化をしなければ資金が流出してしまう恐れもあるため顧客確保となる戦略が必要で、郵便局側に重くのしかかります。
更に徹底してコストの削減が求められる場合、サービスの質の低下が懸念されています。2017年6月1日からは普通はがきの52円から62円に値上げがされるなど、民営化の負の影響が出てきてるのが実情です。
また、郵便局が民営化されたことで株主の意向が強く出てしまいます。現在はその株の多くを国が保有しています。そのため、民間ではあるものの国が経営に口を出したりすることも考えられます。
大きくなったデメリット
2019年8月、普通扱いの手紙やはがきなどの郵便物は、土曜日配達を取りやめる制度変更が必要だと総務省が提言しました。
その理由として、インターネットの普及、人手不足といった社会環境の変化が背景にあるとしています。2020年に廃止。尚、宅配便のゆうパック等の一部は土曜配達を維持する方向です。
かんぽ生命の詐欺事件もあり、株主優先・利益優先により、郵政民営化のデメリットが大きくなってきているように思えます。
まとめ
郵政民営化によりサービスの向上もあるが、大きなデメリットもある。
現在のところ、赤字運営に伴いあらゆる面で値上げの影響が出ていますが、郵便局で働く職員の接客姿勢は向上している印象を受けます。
「郵政民営化に伴う6つの組織」
- 日本郵政株式会社(日本郵政) …郵便事業株式会社・郵便局株式会社の全ての発行済み株式を保有・管理する
- 郵便局株式会社(郵便局) …郵便局・郵便窓口を通じ、サービスを行う
- 郵便事業株式会社(日本郵便) …郵便業務及び、収入印紙などを行う
- 株式会社ゆうちょ銀行(ゆうちょ銀行) …貯蓄や送金など郵便貯金業務を行う
- 株式会社かんぽ生命保険(かんぽ生命) …生命保険業務を運営する
- 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構 …従来の郵便貯金契約・簡易生命保険契約を承継・管理する
郵政民営化にならなければ80円のまんまだったかもしれません。郵政民営化で国の負担が減る利点もあるので難しいところです。郵便局はみんなが使用するため、便利さの維持が求められています。