「誰からも愛されたい。絶対に嫌われたくない」
誰しも思うことですがそもそも人の考えは人の数ほどあり、育った環境も関連するため不可能であり、一人の人を地球上の人間がみんな愛してしまうと生物としてあらゆる面で不都合が起こり子孫を残していけないからです。
「この人可愛いって聞くけど、俺はそうは思わない」
これは正常な思考です。
多種多様な子孫を残すために生物は「あなたにあった好きなタイプ」が存在するのです。
アドラー心理学、嫌われる勇気
あまり強くおもいすぎると反作用でダメージが大きくなります。アドラー心理学と呼ばれているものがあります。
「誰からも愛されたい。絶対に嫌われたくない」
この欲求を強く持ち生きてきた人は願いをいっこうに叶うことができず、自己否定に陥り、他の人に評価されない人生で終わってしまうという、「アドラー心理学」とはいったいどのようなものなのでしょうか?
アドラーの教え
「嫌われる勇気-自己啓発の源流「アドラー」の教え」とは、心理学者アルフレッド・アドラー氏の思想を、物語にしてまとめた自己啓発書。
2013年に出版され、累計発行部数は100万部超えています。本を飛び出し、テレビでも紹介されるほど大ヒットしました。また、香里奈さんが主演を務めるテレビドラマ「嫌われる勇気」でも取り上げられています。
アルフレッド・アドラー
- 1870年2月7日-1937年5月28日
- オーストリアに誕生
- 心理学者・精神科医
アドラー心理学を生み出し、1937年(67歳)にその生涯に幕を閉じました。アルフレッド・アドラーは46歳の時に第一次世界大戦に召集。
軍医として多くの神経症の患者の治療に携わりました。患者とのやり取りの中で、個人の心と心の繋がり、つまり「共同体感覚」こそが最も大切だと知ることになったのです。
この感情こそが、アドラー心理学の基礎になっています。
アドラーが考えている心理学で、周りに起こる物事の見方を変えることで全てを良い方向に持っていくという考え方になります。
自分の中だけで解決する悩みはない
アドラーは「個人の中だけで完結する悩みは存在しない」と断言しています。
全ての悩みは「対人関係」がもたらしており、悩まない自分に生まれ変わるためには「他者への解釈を変えること」が解決策。
要するに、人の悩みは永遠に解決しないから、解釈で自分の良いように見方を変えることができれば、自分の行動も変わって良いほうに向かうという考えです。
良い劣等感を大切にする
アドラー心理学は劣等感を否定していません。劣等感は誰しも持っていますが、これが夢や目的にストップをかけている要因でもあります。
アドラーは劣等感こそが人間の努力や成長を促すエネルギー源だと断言します。つまり、重要なのは、正しい劣等感と誤った劣等感があるということ。
自分がこうなりたいと思う理想の自分になるために不足していることがある解釈は正しい劣等感です。しかし、他人と比較して自分が劣っていると考えるのは間違った劣等感になります。
人の能力はバラバラでその人が見る世界の見方が違うからこそ、ふとしたことで思わぬ発見をする人が出てきます。他人と比べること自体が間違っているのです。
「かけっこ…、勉強…、受験…、競争社会に洗脳されていた…」
ただ、競争くぉすることである程度は自分の能力を引き出すキッカケになることもあります。商品開発もそうです。競い合うことでより良い商品が生み出されやすくなります。
しかし、無理に他人と比較しなくても良いのです。他人と比較する間違っていた劣等感を辞めることで、自分が持つコンプレックスから解放されます。
他の人を競争相手だと思っていると、ずっと対人関係の悩みから解放されることはありません。
周囲の人に合わせやすく、周囲との遅れを気にしやすい日本人は特に競争に対して敏感になるため、注意をした方が良いかもしれません。
他者は敵ではなく仲間
アドラー心理学は「他者=仲間」と無条件に解釈することを提言しています。
「周囲は敵だらけ」だと思う世界を、「周囲は仲間だらけ」と解釈しましょう。
自分にできること、自分にはできないものは他の人に任せること、「課題の分離」が大切です。
「自分に出来ないのなら他人に任せてもいいじゃない 」
トラウマはトラウマじゃない
アドラー心理学はトラウマの存在も否定しています。
心理学では一般的に幼児期に受けた心理的な傷、通称「トラウマ」が原因で、大人になってもその状態を引きずるというのが多い意見。
しかし、そのトラウマが原因でその後の人格が決定されてしまうとするなら、幼児期に虐待を受けた子供は全員問題行動を起こす大人にならなければおかしい。
問題を起こす人もいます。しかし、その親を反面教師にして全く問題にならない逆に良い人になる人もいます。
つまり、幼児の体験をどのように自分なりに解釈して、どのように意味付けていくかによってまったく人生が変わっていくことになるのです。
例えば、「過去の傷がトラウマになって引き籠もりになって外に出られない」というのは、本人がそのように生きることを選択しているからとアドラー心理学では言います。
「不安だから外に出られない」のではなく、「外に出たくないから、不安」という感情を自分で作り出しています。
共同体感覚を持つこと
人間にとって承認欲求は本能。この欲求が満たされないと苦しい…。
そのため、アドラーは自分の価値を実感するために「共同体感覚」を持つことが重要と言います。「自分は世の中に貢献している」と実感を持つことが大切です。
- 他人からの評価を気にしないこと
- 自分の価値観をハッキリさせること
- 他人を変えようとしないこと
- 今の”ここ”を大切にすること
- 自分と他人とを比較しないこと
まとめ
気楽な心が必要。
最初はどんな自分でも受け入れられるようになることからはじめましょう。
アドラーは全ての人間関係を「横の関係」にすることを提唱しています。
人間関係に上下をつけず、他人を常に対等に見ることが大切です。
あの人は人間、自分も人間、そしてその人も人間なのですから。