「アマゾネス」とはいったいどのような意味なのでしょうか?
「戦士?部族?」
ギリシア神話と深い繋がりがありそうです。
遥か昔、アマゾネスという女戦士がいました。
彼女たちはそれはもう勇敢に戦い続けたのです。
アマゾネスとは
アマゾネスは、アマゾーン(=Amavzwn, pl. =AmazovneV)とも呼ばれ、もともとはギリシア神話に登場する女性だけで生活をする伝説上の部族のことをいいます。
女性達は狩猟や戦を得意とし、ギリシア神話中多くの戦闘に参加していました。
そして、年頃になる前、弓などの武器を使う時に邪魔となる右の乳房を切り落とすなど、なによりも戦闘を第一に考え、過激なことも行っていたと言われています。
この戦闘時に弓を引きやすいように右乳房を切り落としたことから”乳なし(=アマゾン)”と呼ばれることになったと言われていますが、別の説では、ギリシアのアマゾーン女人族の像を見てみると切断した様子は見られないことから、この説の信ぴょう性は薄く、現在では否定されています。
明確な語源は現在でも不明ですが、「戦士」を意味するペルシア語の「ha-mazan-」などからきたという諸説もあります。
その戦闘力は凄まじく、一時は北アフリカやインドまで勢力を広げたとも。
しかし、紀元前5世紀のペルシア戦争でギリシア人に敗れて以降その勢力は次第に縮小し、やがてその伝説に幕を閉じたとされています。
(upload.wikimedia.org)
アマゾネスはどこに住んでいた?
アマゾネスはどこに住んでいたのでしょうか?
神話上では軍神アレスとニュンペーのハルモニアーを祖とする部族とされ、当時のギリシア人にとっては北方の未開の地カウカソス、スキュティア、トラーキア北方などの黒海沿岸に住んでいたとされています。
ちなみに黒海は「アマゾン海」と呼ばれていたこともあります。アマゾネスは黒海沿岸の他、アナトリア(小アジア)や北アフリカに住んでいました。
近年、考古学的発掘により、当時、アマゾン海と呼ばれていた黒海沿岸には、アマゾン女戦士が多数存在していたことが明らかになっているものの、あくまでも伝説の民族とされており、実在した母系部族をギリシア人が誇張した姿と考えられています。
この地域の女性の墓からは剣や弓と言った武器類が多数出土。それらは副葬品として遺体とともに埋葬されたようで、中には戦闘中に命を落としたであろう無惨にも矢が頭蓋骨に突き刺さったままのものもあると言われています。
神話上における描写として伝えられている姿は次にあげられます。
- 基本的に女性のみで構成された狩猟部族
- 子を産むときは他部族の男性の元に行き交わる
- 男児が生まれた場合は川に投げ込み殺すこともある
- 男児が生まれたら国外追放もある
- 男児が生まれたら手足に障害を負わせて奴隷とすることもある
- 父親の元に引き渡す
- 女児のみを後継者として育てた
女児達は、優秀な戦士になるための一連の武器の扱い方、馬術などが徹底的に教え込まれました。
女戦闘民族を目撃したスペイン人は語ります。
「アマゾネスの闘争心は凄まじいばかりであった。彼女らは、一人で男10人分の活躍をする。総数12人 ほどのアマゾネスが先頭に立って戦いを指揮していた。アマゾネスは、もし、戦闘中に逃げる者あれば、それを捕らえて容赦なく殴り殺すのである。まさに、鬼気迫る衝撃的な光景が目の前にあった」
この後、この女だけの部族が支配した河川一帯 が、アマゾニアと呼ばれるようになり、やがて、その密林を流れる大河のことを、アマゾン川と呼ばれるようになります。
まとめ 謎の女戦闘民族の謎は終わらない
この不思議な女戦士集団、アマゾネスの話は古代ギリシアの神話の中から抜け出し、伝説となり、今では世界の各地に伝わっています。