致死率98%!
世界には恐怖の生物がたくさんいます。脳に侵入しながら破壊する脅威の「殺人アメーバ」と呼ばれる生物…
いったいこの正体とは?
アメリカで殺人アメーバの犠牲者
脳を食べ尽くし、致死率98%の殺人アメーバと言えば、アメリカのルイジアナ州で起こった事件が有名です。
米国疾病管理予防センター(CDC)がルイジアナ州の水道水に致命的なフォーラーネグレリアが含まれると明らかにしました。
フォーラーネグレリアの別名は「脳食いアメーバ」。
この水道水は3つの町の12577人の住民に供給されていました。フォーラーネグレリアの感染者は、頭痛、発熱、吐き気、嘔吐、頸部硬直などの症状が現れ、カンザス州で9歳の少女が感染し死亡しています。
殺人アメーバ「フォーラーネグレリア」の恐怖
実はフォーラーネグレリアは、1965年にオーストラリアで初めて報告され、1960年代のチェコスロバキアや、2007年のアメリカと、たびたび流行も起きているのです。
生存例はわずか8例程で、発症した場合の致死率は95%、いえ、98%とも言われています。殺人アメーバを拡大した画像 ↓
(出典:natgeo.nikkeibp.co.jp)
「ぎゃぁああ!!」
殺人アメーバが住む環境
人間の脳に侵入して脳細胞を溶かしながら破壊していく恐ろしい病原体。
殺人アメーバは、温度が高くて水位の低い淡水で繁殖する性質を持ちます。そして、25~35℃くらいの高温水を好み、河川や湖沼、温泉等の淡水を好んで生息する。
死亡日数(潜伏期間)と感染ルート
どのように感染するの?
感染すると急速に昏睡して5日~7日で死に至ります。感染経路は主に人の鼻から脳へ寄生。発病に至るまでの潜伏期間は、数日から4ヶ月、通常2-4週間。
恐ろしいアメーバですが、汚染された水を飲んでも感染することはありません。
感染は極めてまれで、10年の症状例の中で32件のみ。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、「感染を防ぐには水遊びの際に鼻クリップをつけることが効果的」と呼びかけています。
日本でも殺人アメーバの感染例、死亡例あり
殺人アメーバが生きる環境は夏の日本の川も一致します。1996年11月に、佐賀県鳥栖市に住む25歳女性が感染で死亡しています。
最初は発熱と頭痛、嘔吐の症状がでて病院に行くと、お医者さんはインフルエンザと診断。
でも、症状はすぐに悪化。次第に昏睡状態になり久留米大学の病院に緊急搬送されました。救命医は細菌性髄膜炎と診断したのですがまったく改善はみられない。
そして、感染症を疑い検査をしたら脳髄液中にフォーラーネグレリアを発見。でもどうすることもできなかった。彼女は帰らぬ人に…。
その後、解剖をしてみると脳が溶けていたといいます。殺人アメーバは組織融解酵素という肉を溶かす液を出し、脳細胞を溶かし続けていました。
「どのくらいで亡くなったの?」
症状が出始めてわずか9日。水に入ったという情報は周囲から聞くことができなかったため、感染源は不明。菌はどこにでもいます。数も星の数ほど種類も数え切れないほどいます。
2002年に行った日本の温泉やスーパー銭湯を対象に水質調査をしたことがあります。その結果、200箇所以上の施設の内、60%以上で原発性アメーバが確認されています。
そして10%がフォーラーネグレリアでした。
ただ、温泉に殺人アメーバがいるからといって、感染した人は聞きません。発症する人は極まれ。気にしすぎないほうがいいでしょう。
殺人アメーバから守る予防法
水道水は消毒されているから問題はありません。水道水以外の場所で水があるところは、顔を浸けないことが予防策になります。
感染するのは鼻から。
口から水を飲んでも感染はしないようです。鼻クリップを使うといいでしょう。ただし、鼻以外にも耳や傷口からも感染するため注意が必要です。
簡易的な判断方法として、髄膜刺激兆候と呼ばれるものがあります。殺人アメーバに感染すると首が硬くなる特徴があるのですが、熱が出て水に入ったことがあるなら首を動かしてみると良いです。
- 湖沼の淡水や循環温泉等では、顔を水に漬けることを極力避ける
- 川で泳ぐ場合はノーズクリップを使う
- 温度が高い時期、水位が低い淡水を避ける
まとめ
恐怖のアメーバはすぐそこにいる。
意識をし過ぎると逆に健康に悪くなります。
過剰にならないくらいに気をつけましょう。