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コウモリが逆さまの理由 なぜ頭に血がのぼらない?

コウモリは夕方から夜にかけて森の中から突然姿を現し、昆虫などを探しています。このコウモリは、飛んでいないときは逆さまで寝ているのですが、なぜ大丈夫なのでしょうか?

血が頭に上らないの?

人間は逆さになると頭に血が登って「ぼー」っとします。その状態を続けていると危険です。

しかしコウモリは飛んでるとき以外は逆さまになっても、頭に血が登らないようです。

不思議ですよね?

コウモリは頭に血が登らない理由とは

コウモリは逆さまにぶら下がっていても頭に血がのぼることはありません。

実は、頭に血が登らない理由があります。

人間の身体には血液が大量に含まれます。また、人間は脳がとても大きいです。動物の中では圧倒的で、この脳を活動させるために血液を頭まで大量に運ぶ必要があります。

人が逆立ちをすると、通常よりも多くの血液が脳へ流れてしまい、高血圧になることで頭が「ぼー」っとしてしまうのです。

大量の血液が脳へ送られる!

一方、コウモリは脳が小さいです。血液を大量に送る必要がありません。また、コウモリは身体が小さいため血液を脳まで押し上げる血圧もそこまで必要ないです。さらに、逆さまになった時に自分の体温を落とすことで最低限の器官にしか血液を送らなくなるため、頭に血も上らなくなります。

コウモリが逆さまで生活する理由とは

コウモリは哺乳類ですが、飛行を可能にするために体重を軽量化しています。これは身体が重くなる原因の筋肉もほとんどついていないことを意味します。

その代わり、腱が筋肉のかわりに進化した!

腱は骨と筋の間にあるもので、互いを結びつけている丈夫な繊維を思い浮かべるのが一般的ですが、コウモリの場合は逆さまに釣り下がっているときに使用します。

木や洞窟などの天井にぶら下がるときに、独自に進化した強い腱のおかげで、力をほとんど使わずにぶら下がることが可能になりました。

ぶら下がるために進化したコウモリ

コウモリは外敵に狙われやすい動物です。

暑い日でも寒い日でも身を隠せる場所。それが洞窟です。コウモリは哺乳類なので体温が一定ですが、食事以外の時間は洞窟でじっとしています。

洞窟には蛇などの天敵もいますが、安全な天井にぶら下がることで、さらに安全対策をしているのです。

要するに、コウモリは身を守るために逆さまになる特殊進化をしていました。

まとめ

体温を落とせるコウモリ。

体温を下げる代償に動きが鈍くなります。

コウモリは天敵から食べられるリスクを可能な限り減らすためにぶら下がりに特化した進化を遂げていたのです。生き物は面白いですね。

そんなコウモリですが、可愛い顔をしながら菌を持っています。

コウモリが関係する感染症には、狂犬病、SARS、ニパウイルス感染症、ヘンドラウイルス感染症、ヒストプラズマ症などが知られています。コウモリから人へ感染させた事例はないとされていますが(新型コロナウイルスはコウモリが感染源だという噂もあります)、念のため注意が必要です。

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