日本にある有名な大仏様。
「ナムー」
その中でも奈良と鎌倉にそれぞれ有名な大仏様がいますが、この両者で違いの差はあるのでしょうか?
パッっと見るとその違いに大きさもありますが、手を前に出している奈良の大仏、そして手を組んでいる鎌倉の大仏…
なぜ格好がそれぞれ違うのでしょうか?
奈良の大仏と鎌倉の大仏の違い
結論から言うと、どちらにも見に行くと良いです。
それぞれに違いがあり、奈良時代と鎌倉時代では500年もの開きがあるため、大仏様の歴史における背景が違うためです。
奈良の大仏と鎌倉の大仏には大きな違いがありますが、見ていきましょう。
奈良の大仏の特徴
奈良の大仏は部分的に何度も作り直されていて、建立当初のものはほとんど残っていません。このため身体のパーツがそれぞれ時代を越えて組み込まれています。
「その時代の人が大仏様を修復してきた!」
また、東大寺にある奈良の大仏には巨大な大仏殿があり、木造建築としては世界最大級を誇ります。
奈良の大仏が造られたのは、747年(天平19年)、原型を造るのに1年2ヶ月、銅の流し込みに3年、補鋳と仕上げに5年、金を塗るのに5年、光背(仏像の背後にある飾り)造りに8年、大仏殿の建造に4年の歳月がかかり、260万人の人が28年もの長期間に渡って作り上げました。
努力の結晶であり、東大寺は奈良時代に聖武天皇が仏教の教えを元に、国を守るために建てたお寺です。
- 像高14.98m
- 台座3.05m
- 台座約130t
- 見上げたときの高さは18m
- 重さ約250t
鎌倉の大仏の特徴
鎌倉の大仏が造られたのは1252年(建長4年)、どれだけの期間で、どのくらいの人数で造られたのかは不明です。
ただ、完成は1268年(文永5年)頃だと言われています。
奈良の大仏よりは規模が小さいですが、相当数の歳月がかかったことが奈良の大仏建造期間を見ても想像が出来ます。
鎌倉の大仏は補修はされていますが、ほとんど造られた当時のままだとされています。
「姿を変えずに見守る大仏様」
ちなみに現在、鎌倉の大仏2代目。最初に造られた鎌倉の大仏は木造で、完成後数年で倒壊しました。その後、現在の青銅のものに造り替えられています。
- 像高11.3m
- 台座2.05m
- 台座を含む高さ13.35m
- 重さ約124t
奈良と鎌倉で大仏の比較の違い
大きさは奈良の大仏様が大きいのが確認出来ます。
重さに関しては差が大きくあります。
奈良の大仏は、大仏殿の中にあり鎌倉の大仏は屋外。
鎌倉の大仏は阿弥陀如来で一方奈良の大仏の正式名称は、盧遮那仏(るしゃなぶつ)といいます。阿弥陀如来とは別なもので、華厳経の仏様。
当時は、政治的な争い・干ばつ・飢きん・凶作・地震・天然痘の大流行など厳しい時代だったため、聖武天皇が仏教の根本経典といわれる「華厳経(けごんきょう)」の考えを政治の中心に据え、人々が想いやりの精神を持てるような政策に力を入れていました。
日本人のおもいやり精神は世界トップレベルで現在でも引き継がれています。
その「華厳経」の教えに、お釈迦様の身長を10倍にすることで宇宙を表現することが説かれていて、奈良の大仏は宇宙そのものを表現しているのです。
宇宙飛行士になりたければ奈良の大仏様にお願いごとをした方がいいかも知れませんね。
奈良と鎌倉の大仏の違いは話を聞く態度
手を前に出している奈良の大仏と、手を組んでいる鎌倉の大仏、その違いの差は積極的に話を聞こうとしているかしていないか?になります。
- 奈良の大仏 …「何も怖くない、話を聞く」
- 鎌倉の大仏 …「瞑想中…」
つまり、奈良の大仏様は人々の話を聞く姿であり、鎌倉の大仏様はどうのようにしたら人々を助けることができるのか方法を模索している姿なのです。
二つの大仏様には根本的に違いがあり、どちらの大仏も見に行くと良いでしょう。
まとめ
同じ大仏でも考え方が違う。
ちなみに、大仏さんの頭のぶつぶつは「螺髪(らほつ)」と言い、髪の毛を渦巻状に表現したものです。
この螺髪は仏の知恵の象徴で、東大寺大仏は966個、鎌倉大仏は656個付いています。