パン屋に行くと必ずと言っていいほど目に付くパンが「クロワッサン」。
パリパリとした食感の中にふんわりとした噛み応えがたまらなく美味しいです。
そのパン屋の定番ともいえるクロワッサンですが、丸まった三日月の形成をしたクロワッサンと、まっすぐな形をしたクロワッサンがあります。何か違いがあるのでしょうか?
クロワッサンの形が違う理由とは
美味しいクロワッサンですが、三日月の形をしたクロワッサンとまっすぐの形をしたクロワッサンでは何が違うのでしょうか?
考えられるのは、お店が出したオリジナルな感じを印象付けるためだと予想できます。パン屋の数はとても多いので、ライバル店と差別化を図るためには、そのお店独自のパンを生み出す必要があります。
そこで、まっすぐなクロワッサンを他店で販売しているのに対して、独自性を出すために丸まったクロワッサンを出したのではないでしょうか?
クロワッサンの歴史に形を決めた由来がある
実は、丸まったクロワッサンとまっすぐなクロワッサンの形には、歴史を紐解くことでその答えが出てきます。
クロワッサンが初めて誕生したときの形はどのようなものなのかと言うと、「丸まった三日月型のクロワッサン」でした。意外ですね。まっすぐのクロワッサンから形を変えたと思いきや、真実はその逆。
三日月のクロワッサンが最初に誕生しました。なぜこのような形にしたのでしょうか?その理由は、ある戦争がきっかけになっています。その戦争とは、オスマントルコとオーストリアの大規模な戦争。2か月に渡って死闘を繰り広げていました。
勝利したのはオーストリア。
オスマントルコに勝つことでできたオーストリアは、その記念にパン屋がパンを作りました。その形が三日月をしたもの。
丸の形や細長い形のパンはよくありましたが、三日月をした形は見慣れなかったことから市民の間で大人気になり広がっていきました。そしてもう1つ理由があります。
なぜ丸まったパンの形にしたの?
クロワッサンが三日月をしている流れはわかりました。そうなると、なぜオーストリアのパン屋さんは丸まったパンを作ろうと考えたのでしょうか?
それは、トルコの国旗に描いている三日月型を参考にしたからです。この形が広まった理由はここにもあります。
敵国の国旗をパンの形にすることでそれを食べる。みんなでそのパンを食べることで勝利を祝っていました。オーストリアが「トルコを食べてやった!」という感じですね。
クロワッサンの名前の由来
(pbs.twimg.com)
形の歴史はわかりました。
そうなると、クロワッサンの名前自体には何か意味があるのでしょうか?
それは1700年代後半のこと。オーストリアのマリーアントワネットが、フランスのルイ16世に差し入れを持っていきました。このときに持って行ったのが、三日月のパン。
フランスに持ち込まれた三日月のパンですが、フランス語で三日月は「croissant(クロワッサン)」と呼ぶので、その名前にしました。
その後、フランス中に広まり世界に名前が拡大していきます。
まっすぐなクロワッサンの形の理由
三日月のクロワッサンはわかりました。まっすぐなクロワッサンの形はなぜ生まれたのでしょうか?
三日月形のクロワッサンが広まっているときには、比較的安いマーガリンが使用されていました。一方で、高級なバターを使ったクロワッサンも作るようになりました。
同じ形ではどっちが安物でどっちが高級のパンなのか見分けることが難しいですよね。そこで、安いマーガリンと高級なバターを差別化するためにまっすぐなクロワッサンを作るようになったのです。
フランスでは現在でもほとんどのパン屋さんで、形を見ただけで、どちらの材料で作られているのか一目でわかるようになっています。
ただ、日本ではそのようなこだわりがないためバラバラです。気にせずに食べましょう。
まとめ
三日月のクロワッサンはヨーロッパの歴史があった。
ちなみに、まっすぐな形にした方が、火通りが良くなり、サクッと中はしっとりとしたパンにできます。