ある日、海岸を歩いているとそこには見慣れない魚が打ち上げられている。よく見ると深海魚のようです。
海の深くにいる深海魚なので、それが地上に上がってきたということは…、恐らく巨大な地震がこれから起きるという前兆かもしれません。
海の底はプレートが重なってるため、それがあるときにズレることで振動が地上に伝わります。海の底で暮らす魚がこの微妙なプレートのズレにより感覚が麻痺して海の上へ来てしまった…。
これから大きなプレートのズレが発生する恐れがあるかも…
このようにして、「深海魚が出現すると地震が発生する前兆」だと言われてきましたが、この説に終止符が打たれました。
深海魚のリュウグウノツカイと地震の関係
リュウグウノツカイを知っていますか?長く細い不思議な魚です。リュウグウノツカイは深海魚。
非常に細長い身体をしてることがわかります。体長は最大で5.5メートルまであります。北太平洋やインド洋の水深200メートル前後に生息し、冬季は暖流の対馬海流に乗って日本海に来ることもあるようです。
網に掛かることは非常に珍しいのですが、最近のニュースを見ていると比較的よく釣り上げられたり、漂着したりしているようです。この魚は、日本で「人魚伝説」や「地震の前兆」に結び付けられています。
深海魚と地震の関係性はない
深海魚が海岸に漂着したり、漁網にかかったりして出現すると巨大地震が起きる言い伝えられています。でも、東海大と静岡県立大の研究チームは単なる迷信だと結論づけました。
そもそも、いつから深海魚で地震が来ると言われているのでしょうか?
言い伝えは、1743年に刊行された奇談集「諸国里人談」に記録されているので、かなり古くから言われているようです。
研究では、昭和3年から東日本大震災が起きた平成23年までの間に、地震の前兆といわれる「リュウグウノツカイ」など8種の深海魚が出現した事例を調査しました。30日以内に半径100キロ以内でマグニチュード(M)6以上の地震が起きたかどうかを確認。
その結果、該当したのは新潟県の沖合で深海魚が漁網にかかってから約1カ月後に起きた19年の新潟県中越沖地震(M6.8)だけでした。
336件中で1件だったので、言い伝えは迷信だと確定。深海魚を発見しても、直接的な大地震につながることはありません。無関係です。
恐らく目撃された深海魚の多くは、冬に海水温が低下したなどの理由で、深海から浮上してきたと考えられます。
海面に上ってきたのはいいものの、そこから迷子になってしまい漂着のパターンでしょうか。
海底生物は泳ぎが苦手なものが多いように思います。海の上では大きな波が発生しているのでうまく泳げずにそのまま浮遊しているパターンもありそうです。
地震発生前に地下の岩石破壊により発生するパルス電磁波。「地震前に発生する地電流は海底の方でより大きくなるため、深海魚たちはそれを回避しようと海面近くまで上昇してくるのでは?」という説もありますが、この可能性は低いと思います。
地球では地震が頻繁に発生しているので、その都度、海面に上昇していては海底にいる必要がないからです。水圧の変化も大きいので、常に中層から上層で暮らしていたほうが楽です。
別の進化を遂げていたに違いありません。
日本は地震大国です。地震が発生したときにちょうど見慣れない深海魚をみた昔の人が、「これは不吉だ!」として広まったのではないでしょうか?
まとめ
深海魚が出現すると地震が起きるは嘘。
雲の巨大地震説もそうですが、大事なことは常日頃から災害の準備をしておくことだと思います。地震はいつ起きるかわかりません。危険リスクを下げる対策が必要です。