自宅にある洗面台やキッチンの下を開けて見たことがありますか?
水道の蛇口をひねれば水が出てきますが、その水は排水口に流れます。その排水口が洗面台や台所の戸棚部分に隠れているのですが、その配管…
「なんで曲がっているの?」
水道管がS字になっている理由とは
水はどこからきてどこへ向かっているのだろう?
と考えながら洗面台の水を流してその先を見てみると配管がS字やU字などに曲げられていると思います。
(出典:upload.wikimedia.org)
こんな感じですね。
UのようなSのような形をしていますが、家の作りや水回りの場所で形が変わることがあります。
水は高い場所から低い場所に流れるのでわざわざ曲げる必要はないと思うのですが?直線にしたほうが水もスムーズに流れて配管のトラブルも少なくなると思います。なぜわざわざ曲げているのでしょうか?
「曲げることでコストもかかりそう」
Sトラップの必要性
この形には名前があります。「Sトラップ」というもの。トラップというほどなので何かを仕掛けているのでしょうか?
実は名前の通りこのS字部分には「罠」が仕掛けてある!
蛇口をひねり水が流れてきたら水道管が曲がっているところで水が溜まります。蛇口を止めても曲がっている部分にある水は無くなりません。溜まったままです。
この溜まっている水は蓋の役目をしていますが、水の蓋をする理由は次にあげることができます。
- 害虫
- 小動物
- ゴミ
- 悪臭
わざわざS字カーブをはめ込んでいるのは、害虫やネズミなどの小動物、ゴミ、それに悪臭が配管に入り込むのを防ぐ役割をしているのです。
もしも虫が洗面台にある穴に入っても、水の蓋が行く手を阻みます。虫はそれ以上進むことができません。
また、カルキの入った水の消毒臭や配管の錆臭など水道管には悪臭を放つ原因があります。これらの臭いも水の蓋をすることで抑制することができるのです。
洗面台の穴へ指輪などの大切なものを落としたときには戸棚を開けてみましょう。ひょっとすると「Sトラップ」の間に止まっている可能性があります。
排水管が真っ直ぐになっていたら水が溜まりません。
下水から悪臭や害虫、小動物まで上がってくる恐れがあります。水は蒸発するため数週間使っていない場所では水を定期的に流したほうがよさそうですね。
ちなみに、Sトラップに溜まっている水のことを「封水(ほうすい)」といいます。「封じる水」。
Sトラップのデメリットもある
いい面ばかりが目立つSトラップですが、デメリットもあります。やはり形状の関係から詰まりやすいです。そして曲がっている部分は汚れやすい…。
水だけを流していれば良いですが、固形の大きなものを流すと詰まってしまいます。トイレもティッシュを入れ過ぎたら詰まりやすいですね。
でも、詰まるデメリットよりも害虫などが逆流するほうが衛生面に悪いです。天秤にかけるとやはりS字の水道管のほうが安心して水道周りを見ることができるためメリットが大きい。
ちなみに汚れたS字部分は掃除ができるようになっています。ナットタイプのものやキャップタイプのものがあるので取り外して綺麗にしましょう。
「昔に落とした何かが見つかるかも!!」
また、掃除の際にはSトラップに溜まっていた水がこぼれます。
タオルや雑巾、バケツなどを用意してから掃除しましょう。
年末の大掃除には気合を入れて掃除をしてみるのも良いかもしれません。
まとめ
Sトラップは気持ちよく水を使うため。
Sトラップは絶対に必要です。
虫を通さないようにする効果があります。
Sトラップのおかげで安心して水が飲めるのです。