ケニア山間部の深夜に、ゾウが列をなして入ってくる不思議な洞窟があると言われています。
「なんでだゾウ?」
象といえば大地を優雅に歩いているイメージですが、洞窟?
本当にそんな事があるのでしょうか?
洞窟を求めて歩く象の理由とは
動物園にもゾウはいますが、野生ではアフリカとインドが生息しています。ゾウは基本的に餌や水を求めて季節ごとに移動をしている動物です。
ゾウはたくさん食べるので、同じ場所にいたら餌がなくなります。ゾウは群れを作り、草原や沼地などの場所を数百キロも移動します。
「移動するんだゾウ!」
その中に、ウガンダとケニア国境にあるエルゴン山キタム洞窟(キツム洞窟)がありますが、この幅40mのキツム洞窟には象たちが夜になると精霊に会いに来ると言われています。
ウガンダとケニア国境にあるエルゴン山キタム洞窟(キツム洞窟)には、夜な夜な、この洞窟を目指してゾウ達がやってくるのです。
入り口から70mのところには数多くのコウモリが潜んでいます。その奥に進むと象の足跡や糞、象の骨も落ちていることも。
(出典:livedoor.blogimg.jp)
「行儀よく並んでいるんだゾウ!」
像の骨が落ちている理由は、落盤が起きる危険な場所のため。巻き込まれて下敷きになり死んでしまったゾウもいます。
命がけの移動ですが、なぜ像はこのような危険な洞窟にやってくるのでしょうか?
深夜、象が一列になり群れでやって来てきます。そして暗闇の中を進んでいきます。
入り口から150mの所で象は「土」を食べているのです。
「ぞうが土を食べる?ぞうが食べるのは草では?土?」
実はこの土には塩が含まれているのです。この洞窟は、ゾウが昔から岩塩を食べに来る場所として知られています。
「なんのために岩塩を食べているの?」
目標のキツム洞窟は標高3000mを超えたことろにありますが、苦労してここまで登る理由は、ゾウに必要なミネラルを摂るため。草には塩分がないので、サバンナの象たちは土を食べています。
雨が降ると土の塩分が溶け出し、標高の低いサバンナには塩分が溜まります。しかし、エルゴン山では日本と同じくらいの雨量が春と秋に降ります。その結果、土の塩分を激しい雨が洗い流してしまいます。
ところが、この洞窟の壁には土の中の塩分が染み出して溜まっているため、草食動物は塩分を摂取するためにここに集まっているのです。動物たちはミネラルが摂れる場所を知っています。
また、ゾウだけではなく、ブッシュバックやアフリカ水牛などの動物も集まります。それだけではありません。草食動物が集まることで、それをまちかまえてる肉食動物も集まります。
サバンナを住処にするチータ—やライオンは、この洞窟がある標高までは登ってくることはありませんが、ヒョウなどの肉食動物は草食動物を狙ってやってくるのです。
草食動物は洞窟から塩分を取りますが、肉食動物は草食動物の内臓から塩分を摂ります。
「これは自然のおきて」
おそらく、昔のゾウがこの洞窟に塩分があることに気がついたのです。
ゾウは水のありかを探すのがとっても上手で、200km先の雨雲も察知できるほどだと言われています。
乾季のサバンナでもゾウは水場を探すのが上手くて、他の動物たちはゾウの動きを見ながら水を探すとも言われています。
まとめ
ミネラル補給のためにやってきたぞう。
洞窟はゾウの牙でどんどん削られているため、年々深くなっています。
岩塩の場所をゾウに教えてもらい、他の動物も集まっているのかもしれませんね。