ナミビアの砂漠地帯に50万個もの謎の穴が存在します。
ミステリーな正体とは?
まるでサークルのようなこの穴は、フェアリーサークルと呼ばれていて、2000年前後から観測されはじめました。
数キロに50万個以上の穴が存在しています。
ナミビアの砂漠地帯にあるボコボコの穴とは
画像(ちょっと鳥肌注意)
数キロに50万個以上の穴がありますが、小さいものは直径2mほどで、大きなものになると12m以上はあります。
フェアリーサークルの謎
ナミブ砂漠に点在する謎の穴は、岩の少ない砂地にできていて、サークルの内側にはなぜか草が生えていません。そして、外側にある草は背が高い特徴があります。
「サークルの外側にだけ草が生える…」
これはどういうことなのでしょうか?
フェアリーサークルは日々変化している
フロリダ大学の生物学者がこの謎の穴について4年間ほど調べました。ヘリコプターや衛星を使い観測した結果、サークルは周期をもっていることが判明します。
この穴は大きくなったり、消えることもあることがわかりました。比較的小さめの穴は24年で消滅、大きな穴は75年で消滅しています。
「消えたり増えたりする謎の穴」
ナミブ砂漠にある謎の穴の原因・仮説
この謎の穴について仮説があります。毒ガス、菌、昆虫、超常現象ではないかと考えられています。
しかしサークルを掘り返して調査をしても、なぜ穴の周りに草が生えて内側には生えない…?
それらしいものを発見することはできませんでした。
フェアリーサークルの正体とは
それからも調査が進められてきました。そして、新たな研究結果により有力な原因が判明します。
新たな研究によると、ナミビア砂漠に点在するフェアリーサークルは、2つの生態的な力により作り出されていることがわかりました。
「2つの生態的な力とは?」
「シロアリ」と「植物」です。
研究を行なったプリンストン大学・ストラスクライド大学などの研究者たちは、野外観測とコンピュータモデリングから、このミステリーサークルの原因はこの2つの生物の相互作用だと主張をしています。
プサモテルメスと呼ばれるシロアリの一種が植物を食べることにより土壌がむき出しになることでサークルができる説があげられました。シロアリたちはその部分に雨水などを貯めています。
サークルの周りには背の高い草があります。
「なぜ周りに草が生えるのか?」
それは、植物同士の生存競争と水分に恵まれないこのエリアの植物は独特な生長パターンを持っているからだと考えられています。
植物も砂漠の過酷な環境で生き残るために独自の進化をしているのです。ナミビアのこの場所は、ちょうど砂漠と草原の境目になっており、十分な水を得ることができません。
そこに育つ植物は水分を求める競争を強いられた結果、何kmも広がる独特の生長をしたと考えられています。
- シロアリが植物を食べて土壌をむき出しにする
- シロアリが生きるために必要な水分が地中に蓄積される
- 周辺の植物がその下に根を伸ばして水分を得て背高く育つ
まとめ
植物とアリの共存する知恵。
植物がシロアリに食べられ、シロアリが作ったダムの水を求めて植物たちが水分の奪い合いをしている中で網目模様のオアシス「穴」の形になっていきました。
この穴は、植物とシロアリが共存するためのコロニーだったのです。