通常、消防車は「赤色」をしていますよね?
「なんで?」
日本で最初に外国から輸入された消防車の色が赤色であり、その後の法律の定めによって朱色(赤色)と決められました。その理由は、火と赤の色は共通しており視覚的に連想しやすいから、とも言われています。
「黄色の消防車もある!」
日本で唯一、黄色の消防車が存在しています。
その車両が置いてある場所は、「関西国際空港」です。
なぜこの場所に黄色の消防車があるのでしょうか?
関西国際空港にある黄色い化学消防車とは
黄色をした見慣れない消防車があるのは関西国際空港。
他の消防車と違い、関西国際空港にある黄色の消防車にはある特技があります。
黄色い消防車の特徴、それは化学製品を扱うことができるということ!
空港に置いてあることもあり、飛行機の事故などへ対応することを想定していますが、そのパワーが驚異的です!
黄色い化学消防車が見せる脅威のパワー
飛行機が炎上すると大量の燃料から火災規模は大きくなる可能性があります。
1秒でも早く火を消化することが最重要課題になります。
「そこで黄色の化学消防車の出番!いざ出動!」
(出典:www.asahi.com/)
この黄色の化学消防車には、大量の水と大量の消火薬剤が積まれています。
その量から、他の消防車に比べ極めて短時間で消火が可能です。1分間に放水可能な量は通常の消防車の3倍に及び、80メートル離れた火災現場に6000リットルの泡消火剤を放出します。
「6000リットル!すごい威力!」
「化学」と言う言葉が付くのは、水と混合した泡を放射して空気を遮断出来る特殊な消火薬剤を使用していることにあります。
飛行機に一度火がつくと大爆発の恐れもあるため一刻も素早い火消しが必要になり、もしもの時のためにこの車両が活躍します。
なぜ消防車が黄色?
なぜ消防車の色を黄色にしているのでしょうか?
別に赤でもいいのではないでしょうか?
むしろ赤色のほうがしっくりして、誰もが火を消す車と理解できると思うのですが?
「赤のほうが「消防車」として認識しやすいはず!」
実は、その理由は視認性を高めるため。飛行機は暗くなっても飛んできます。夜間暗い場所で赤い色は目立ちにくく、一方の黄色だと認識しやすくなる理由から黄色を採用しました。
滑走路だけに光があり、暗闇の多い場所では視認性を高めることが重要になります。確かに暗い場所では赤色が見にくいですね。
海の中は深海に行くほど光が届きません。赤色は暗い世界では「黒色」になり見えにくくなります。陸上でも同じです。赤色は暗い世界だと見づらくなるのです。
ちなみに、関西国際空港で活躍している黄色い消防車はフランス製で長さ約11メートル、幅約3メートルの7人乗り。1台約1億円もするそうです。
まとめ
黄色は目立つ!素早く化学薬品の火を消すため。
黄色は警戒色でもあります。
動物のトラが黄色+黒の柄ですが、この危険を知らせる模様が道路で使用されています。それが「踏切」。黄色+黒のシマシマで危険を知らせて進入禁止を知らせています。
そして、海外では黄色の消防車が普通に走っています。日本人が多く行くハワイの黄色い消防車は馴染み深いかも?
国によっても様々な「色」で活躍する緊急車両を観察してみると面白いかもしれません。
昼間は赤が目立ち、夜は黄色が目立つ。
もどかしい人間の色彩力。
関西国際空港へ化学消防車を見学しに行ってみてはいかがでしょうか?
運が良ければ会えるかも?