人間に近い動物、類人猿。
世界で初めて手話を使い、人間との会話に成功したゴリラ「ココ」がいます。手話を通じて人間に感情を伝えるその「言葉」に世界中が号泣する嵐となりました。
その気になる内容と理由とは?
ゴリラ「ココ」と猫の感動話
ゴリラのココちゃん。
本名はハナビコといい、1971年7月4日にアメリカ合衆国サンフランシスコの動物園で誕生したメスのローランドゴリラです。
生後3ヶ月で病気にかかっている時に、発達心理学の研究者のフランシーヌ・パターソンと出会ったことで手話を教わることになりました。
「ゴリラが手話を学べるの!?」
ココちゃんはどのくらいの手話が使えるのでしょうか?
当時は1000語以上の単語を習得しています。これだけ多くの手話をマスターしたので人間と会話ができるようになりました。
「本当にゴリラが手話を学んだ!」
パターソンさんは、ココちゃんにたくさんの絵本を読み聞かせてあげましたが、ココちゃんはネコの絵本がすごく気に入ったみたいです。そして誕生日のプレゼントにネコをおねだりしました。
(出典:feely.jp)
ゴリラはゴリラ。
「猫は大丈夫なの?」
「潰されない?」
念のために最初はおもちゃのネコをプレゼントしましたが、気に入らなかったようす。そのため、本物の子ネコをプレゼントすることになりました。
3匹の子猫を見せると、ココちゃんはしっぽがなかった子ネコを選びました。スタッフの心配をよそに、ココちゃんは子ネコの身体を舐めたりして、まるで母親のように可愛がったのです。
「ホッ!」
ホッとするスタッフ。子ネコの名前は「ボール」に決めました。
(出典:feely.jp)
飼育員は子ネコに危害を加えないかしばらくは心配でしたが、ココちゃんは母親になったつもりで可愛がり遊びつくしました。
子ネコも安心した様子で本当に親子のよう。
愛ネコとの突然の別れ
ボールとココはそれからも仲良くしていたのでしょうか?
別れは突然訪れた。
ボールは悲しいことに車に轢かれて亡くなったのです。飼育係のパターソンさんがその事を手話でココに伝えた所、ココはとても落ち込みました。
手話で悲しみの感情を伝え、大きな声で涙を流して泣き続けました。
「悲しい…」
ゴリラのココが伝えた「死」の世界
ココは死をどのようなものだと認識しているのでしょうか?
研究者ムーリンと「死」について会話した内容が次にあげられます。人間以外の動物が感じている「死」について、非常に重要なものです。
ムー 「念を押しますよ、このゴリラ(ぬいぐるみを指し)は生きているの、それとも死んでいる?」
ココ 「死んでいる さようなら」
ムー 「ゴリラは死ぬとき、どう感じるかしら?--しあわせ、かなしい、それとも怖い?」
ココ 「眠る」
ムー 「ゴリラは死ぬと、どこにいくの?」
ココ 「苦労のない 穴に さようなら」
ムー 「いつゴリラは死ぬの?」
ココ 「年とり 病気で」
人間は自然界から離れているため「死」に対して極度に恐れている人も多くいます。
誰も知らない非日常的な世界だから。
しかし、厳しい自然の中で生きる動物達は人よりもずっと「死」に対して、恐怖心ではなく「優しい場所」と認識しているのかもしれません。
ただ、ココちゃんは学習で「死」をイメージしていますが、他の動物たちは遺伝子と本能のままに生きているので「死」自体を深く考えていない可能性もあります。
その後、ココちゃんは別の猫を与えられて仲良く一緒に暮らしています。死んでしまったボールの代わりにはなりませんが、新しい友達ができて幸せそうです。
そして手話もどんどんと覚えて2000単語を突破!
歯が痛いことも伝えることができるため、歯医者さんにいくことができました。
子ネコと触れ合ったことをきっかけにココちゃんは母性を強めていきます。赤ちゃんが欲しいか質問したら、手話で「わたし ほしい」と気持ちを伝えたのです。ココちゃんは自分の子供をこれまで作ることができませんでした。
ゴリラのココ逝く、永眠へ
2018年6月19日に、ゴリラのココは永眠しました。
46歳でした。
最後は眠ったまま息をひきとりました。
まとめ
手話を使える珍しいゴリラ。
ゴリラのココは亡くなってしまいましたが、これからも多くの人たちの心にココは生き続けています。
すごく賢いゴリラで、物凄く優しいゴリラですね。