博多山笠は福岡県で行われるお祭りです。
博多どんたくと並び、博多人の郷土愛が見られ、ふんどし姿の男性をはじめ、男の子や少女までも博多のお祭りを盛り上げます。
日程や見どころなどを見てみましょう。
博多祇園山笠の見どころ
福岡県福岡市博多区の博多部と呼ばれる「那珂川と御笠川間」の区域で行われます。
櫛田神社にまつられる素戔嗚尊に対して奉納される祇園祭のひとつとされ、「櫛田神社祇園例大祭」が正しい名称になります。
例年7月1日から7月15日にかけて毎年開催されますが、700年以上の伝統があるお祭りです。
お祭りの起源の一説には、1241年に当時博多で疫病が大流行した際に、聖一国師という偉いお坊さんが、山笠の原型になる乗り物「施餓鬼棚(せがきだな)」に乗り、聖一国師がこの疫病除去のため施餓鬼棚に乗って祈祷水(甘露水)をまいたのが始まりだといわれています。
災厄除去の祇園信仰と結びついて、山笠神事「博多祇園山笠」になったということです。
昔は高さ15メートルほどの大きなものをゆっくりとひいていましたが、現在の山笠は一変、競い合うような追い山になっています。
2つの山笠
山笠には二種類あります。
- 舁き山 …高さ3メートル・重さ約1トン。担いで走るための低い山笠。
- 飾り山 …高さ10メートルある山笠。奉納用として飾り付けられ、14か所で公開。また、櫛田神社を向いた面を「表」、裏側は「見送り」と呼ばれています。
山笠の始まり
なぜゆっくりなお祭りが、いつの間にやら競争するお祭りになったのでしょうか?
実は、竪町「恵比須流」に嫁いだ土居町「土居流」の花嫁が、花婿ともども里帰りした時のこと。
土居町の若者が余興として花婿に桶をかぶせるなどしたことを竪町の若者が怒って一触即発になったことがあります。
恨みが残っていた竪町たちが、夏のお祭りの際に土居町の昼食休憩の間に追い越そうと走り出し、土居町も負けじと走りだしたことが始まりだといわれています。
東は御笠川、西は博多川を基準に市街を十町(約1キロ)四方と定めて、幹線道路を東西3本、南北4本走らせ、その一区画を「流(ながれ)」と名づけています。
現在は千代流・恵比須流・土居流・大黒流 ・東流・中洲流・西流の七流が互いに競い合います。
イベントスケジュールの見どころ※日程変更の可能性あり要確認
期間が長い山笠のお祭り、スケジュールの見どころを見ていきましょう。
7月1日〜7月15日「飾り山見学」
ご神入れで神官によって神入れされた後に、博多部を中心に合計14の飾り山が公開されます。
7つの町(流)以外にも、地元の商店街などが山笠を展示しているので足を運んでみると良いでしょう。櫛田神社に向いてる面を「表」、その裏側のことを「見送り」と呼びます。
7月1日・7月9日「お汐井取り」
法被に締め込み姿で各流ごとに集合します。これは「お汐井道」と呼ばれる小道をたどって一路箱崎浜を目指すというもの。
1日は、各流の当番長、流当番のところは流役員が汐井を小さな升や竹ヒゴで編んだかごのテボと呼ばれるものに入れて持ち帰ります。
7月1日 「注連おろし、ご神入れ」
櫛田神社が執り行う神事です。この日から、きゅうりを食べるのはタブーになります。清めを行うので女人禁制にもなります。
女性には「月のもの」があるため、それが穢れとなって神様に失礼に当たるという考えからきています。
祭りを見物するのは大丈夫ですが、山笠に触れることや、担ぎ手の詰所に立ち入ることは禁止されているので気をつけましょう。
ただ、現在では小学生以下の少女も一部の山笠で参加することがあるため、昔ほどは緩和されているようです。大人の女性は山笠を担ぐことができません。
7月10日の夕方「流舁き」
流区域内を細い路地まで舁き入れてまわります。コースもその年によって異なり公式発表も行なわないため、運に任せるか、事前に流関係者に聞くしかありません。
そのため穴場は出発前の山小屋付近ということになります。通常、出発は中洲流と千代流が16時、東流が18時、その他は17時に出発になることが多いです。参考程度に覚えておきましょう。
追記『恵比須流も18時からです。ご指摘ありがとうございます(m^^m)』
7月11日の朝5時~「朝山」
流舁から12時間後の早朝5時に、博多の町のあちらこちらで「おっしょい」の声が響き渡ります。早朝に町総代や旧役員を呼んで接待するため、「祝儀山」とも呼ばれます。
7月11日「他流舁き」
朝山から10時間後に始まります。自分の流域外に出ていき他の流の流域に舁き入れます。
7月12日午後4時頃~「追山ならし」
「追い山」に向けた予行演習のならしです。一番山笠から順次「櫛田入り」して奈良屋町角の廻り止めまでの約4kmのコースを駆け抜けます。
一番山笠は追い山笠と同様、「櫛田入り」の際に、山笠を止めて「博多祝い唄」を歌う事が認められています。
7月13日午後3時半~「集団山見せ」
舁き山が博多部を超えて福岡中心部に渡る唯一の行事とされる「集団山見せ」。福岡市の要請でスタートしました。
7つの流すべての舁山が呉服町交叉点に集まり、太鼓の音を合図に福岡市役所前の桟敷席を目指します。絶対に見逃せないイベントでもあります。西大橋が人気スポット。
7月14日「流舁き」
今年最後の「流舁き」。翌日は慣れた若手やベテランの曳き手中心になるため、未熟な舁き手にとってはこの年最後の山笠引きになります。
7月15日午前4時59分「追い山笠」
博多祇園山笠のクライマックス。大太鼓の合図とともに一番山笠が櫛田入り奉納をしたのを皮切りに、山笠が次々に櫛田入りを行ってから、まだ日も顔を出していない博多の街へと駆けだしていきます。
境内を出て旧博多部に設けられた約5kmの「追い山笠コース」を須崎町を目指して一心に掛けます。「櫛田入り」・「コース」ともに所要時間を計測して競い合います。
(出典:hakatayamakasa.com)
最後の日にあるメインイベントに「追い山」がありますが、午前4時59分です。
なぜ、朝の5時ではないのでしょうか?
「なぜ、1分早いの?」
その理由は、最初に走り出す「一番山笠」が、全チームを代表して「博多祝い唄を歌う」ためです。歌い終えた午前5時に、一番山笠が威勢よく駈け出していくことになります。
1分15秒~
山笠は期間が長いこともありますが、300万人を呼びこむ大イベント!青森県のねぶた祭りを抑える第1位の集客数を誇ります。
ちなみに、5月3日・4日に開催される博多どんたくも240万人と全国第4位の規模です。
屋台にも足を運んでみよう!
福岡県っていったら屋台が有名です。山笠で楽しんだ後に屋台で食べるのは最高のひと時ではないでしょうか?
博多の屋台は200軒以上ありますが、主に中洲に集中しています。一口餃子の武ちゃん、ラーメンの呑龍、山幸といった有名なものもあるため、何軒もはしごしたくなること間違いなし!
天神と中洲の屋台ラーメン美味しかったなぁ☆
まとめ
日本一のお祭り。
福岡市の伝統行事「博多祇園山笠」を運営する博多祇園山笠振興会が初の山笠公式キャラクター「博多祝(いわい)めで鯛(たい)」を発表しました。
博多弁の語尾の「~たい」や「おめでたい」などの言葉にちなみ、魚のタイをモチーフにしています。山笠を奉納する櫛田神社(同市博多区)の近くに775年前からすむ妖精という設定です。
水法被に締め込みの「雄伊沙(おいさ)」が祭りに夢中の男衆「山のぼせ」、かっぽう着姿の「貴緒衣(きおい)」は裏から支える博多の女性「ごりょんさん」をイメージしています。
雄伊沙は山笠を走らせるかけ声「オイサ」から、貴緒衣は山笠と舁き手を清める「勢い水」にちなんでいます。
山笠にキャラクターができました。女の人は禁止になるお祭りで、女の鯛も描いているところが良いですね。