6月、身体中がベトベトして嫌になります。
少し周りを見渡せば梅雨らしい花が咲いているのです。
「梅雨の花は?」と聞かれると多くの人が「アジサイ」だと答えるのではないでしょうか?それほどメジャー的な存在です。
紫陽花の学名は「Hydrangea」(ヒドランジアまたはハイドランジア)と言われ、ギリシア語で「水の器」を意味しています。
美しい色をしているため身近で育てたいと考えている人も少なくありません。そこでアジサイの育て方を見ていきましょう。アジサイはさまざまな色をしていますが、色も好きなように変えることができます。
紫陽花を赤・青好きな色に変える方法
アジサイは土を気にしましょう。アジサイの色は操作することができます。
さまざまなカラーを楽しめるあじさい。アジサイの赤、青、紫と色づく部分は、実は花ではありません。ガクにあたります。
咲き始めはガクの中に葉緑素があるために緑色をしています。最盛期に向けて葉緑素は分解され、緑色が薄れていくのです。
同時にアントシアニンという色素が合成されることで、青や紫に色づいていきますが、色の出方は環境により異なる特徴を持っています。
細胞中に二酸化炭素がたまってくることで酸化し、赤みを帯びてきますが、これは花の老化。これが青から赤へアジサイの色が変わる秘密です。
植物には人のような循環器官がないため、日が経つにつれ酸が溜まり続け、花の色が変わってしまうのです。
でも、酸化には関係なく最初から赤色のアジサイもあります。意図的に好きな色へ変える方法はないのでしょうか?
「そこで土が重要になる!」
アジサイが根を張る土が酸性だとアジサイの青が濃くなり、アルカリ性だと赤が濃くなる性質を持ちます。
- 土が酸性 …青色のアジサイ
- 土がアルカリ性 …赤色のアジサイ
土壌のPH値で色が変わる
アルミニウムが紫陽花の根に吸収されるかどうかは、土壌のPH値(水溶液の中の水素イオン濃度により「酸性」・「アルカリ性」・「中性」の度合いが関係しています。
アルミニウムは酸性の環境で溶け出して吸収されやすい性質がありますが、これは日本にある土が酸性になるため青いアジサイが多く咲いているのです。
雨水には大気中のCO2(二酸化炭素)が溶け込んでいるため、日本の土壌の多くは弱酸性「ph値5前後」を示します。土の酸性度によって土中のアルミニウムイオン濃度に違いが出てきますが、濃いか薄いかを分けることが可能です。
「酸性寄りの土は青の紫陽花が咲く!」
青いアジサイを作るには土が酸性であり、アルミニウムイオンが作られることが条件。アントシアニンなどが反応することで濃ゆい青色のアジサイになります。
「アルカリ性寄りの土は赤い紫陽花が咲く!」
その反面、赤いアジサイを作るには土がアルカリ性であり、アルミニウムイオンが出来ない環境にすることが条件。アントシアニンは元の色素のままになるため濃ゆい赤色のアジサイにすることができます。
白色のアジサイの場合はアントシアニンの色素をそもそも持っていません。そのため土壌に関係なく白くなります。動物でいう「アルビノ」のようなもの。
まとめ
土でアジサイの色をかえる。
アジサイの苗木は4月~5月に園芸店の店頭に並び始めます。
元気な苗で開花してから時間が経っていないものを選ぶと良いでしょう。
紫陽花はじめじめした梅雨の時間に癒しを与えてくれる嬉しい花。
好きな色で楽みましょう!