「あの人はいつも手をこまねいているなぁー 」
日本人が知ったかぶりして使っているかもしれない言葉「手をこまねく」。
この言葉を使ったことがありますか?
この言葉の正しい意味とは?
手をこまねくの意味とは
「手をこまねく」はよく使う人もいますが、次のような意味があります。
「手をこまねく」は、何もできかねて傍観しているさまや、手を胸の前で組んでいることを意味しています。
手をこまねく・手をこまぬく、正しいのは?
そこで気になるのが、「手をこまねいている」と「手をこまぬいている」、どちらが正しい言い方なのでしょうか?
広辞苑を見てみましょう。
広辞苑の「こまねく」
- こまねく「拱く」
…コマヌクの訛か - こまぬく「拱く」
…左右の手を胸の前で組み合わせる
…腕を組む
…転じて何もしないで見ている
…傍観する
近年、音変化した「こまねく」が多く使われています。辞書が示すように「こまねく」は元々「こまぬく」という語でした。
ところが近年になり「こまねく」という形で使われることが多くなったのです。
平成20年度の世論調査で、「手をこまねいて待っていた。」という例文を挙げて「手をこまねく」の意味を尋ねると次の結果がでました。
「手をこまねく」と「手をこまぬく」
例文
- 「手をこまねいて待っていた。」
- (ア) 何もせずに傍観している 40.1%
- (イ) 準備して待ち構える 45.6%
- (ア)と(イ)の両方 2.9%
- (ア)・(イ)とは全く別の意味 2.0%
- 分からない 9.4%
まとめ
こまねく・こまぬくの意味は同じ。
どちらも同じ意味です。
昔の言い方が「ぬく」で、今の言い方は「ねく」でした。
日本語もその時代に合わせて変化をしていきます。