日本の伝統的な「葛餅」というお菓子。
「くず餅 美味しい♪」
一概に葛餅といっても、関東と関西では形が違います。
なんと味も違うとのお話も!
その地域によって味も変わるので食べ比べをしたくないですか?
そもそも葛餅なのに関東のくずもちは「葛餅」ではなく「くず餅」で、「葛」の漢字を使っていないけど…?どういうこと?
関東と関西で葛餅の違いとは
関西の葛餅と関東の葛餅の違いは?
関東は「葛粉の葛」を使用していないと言われています。
関西と関東の葛餅の違いを見比べて見ましょう。まず最初にくずもちは関西と関東で見た目に違いがあります。
それぞれの特徴を見てみます。
関西の葛餅の特徴
美味しそう~♪黒蜜ときな粉をかけて食べる「くず餅」。
関西でよく見かけるのは葛粉から作る「葛餅」です。
葛粉の原料となるクズはマメ科の多年草で、全国の森に広く分布しています。その中でも奈良県にある吉野産は特に良質だとされており、この地域で加工された粉は「吉野葛」としても知られています。
ブランド粉ですね!
関東のくず餅の特徴
これまた美味しそう~♪
東京土産として定番のひとつであるくず餅ですが、実は漢字で書くと「久寿餅」であり、「葛餅」ではありません。
和菓子の材料として高級な、「葛」。
葛粉が高価なのは、クズは栽培に向かないためで、今でも大半は天然ものを採取しており加工に手間がかかるためです。
- 根をつぶし
- 水で洗って不純物を取り除き
- 下に沈殿したでんぷんを取り出し
- 日陰干しで乾燥させる
という工程が必要です。
大変…。
本来「葛」を使用するべき和菓子でも、廉価量産するためにサツマイモデンプンを使用して代用することもあります。東京の「久寿餅」はデンプンを使っておらず、「葛」を使っていた歴史もありません。
東京土産の久寿餅は、亀戸天神にある「船橋屋」が有名ですが、1805年に亀戸天神の境内に生まれた「くず餅」は小麦粉を用いて作られました。
関東で一般的に「くず餅」と呼ばれている菓子は、小麦粉を乳酸発酵させて蒸して固めたものです。
漢字の「葛」をひらがなの「くず」にしたのは紛らわしいから
葛を使っていないのになぜ「くず餅」という名前がついたのか不思議ですが、その理由は、東京都の東部などはかつて「下総国葛飾郡」と呼ばれていました。
良質な小麦の産地であることを生かし、庶民のお菓子として作られていたのです。その地名からこのお菓子の名前を「葛餅」としました。
しかしおもいもよらないことを知ります。なんと、関西に同じ名称のお菓子があることを知ったのです。
「困った…。同じ名前のお菓子が関東と関西に登場してしまう」
関西の葛餅、関東の葛餅、形も違うのに漢字が同じ…。これではお客さんは混乱してしまいます。そこで、紛らわしいので関東の葛餅は、「くず餅」や「久寿餅」に表記を直しました。
関西の葛餅は原料に葛粉を使用していますが、関東のくず餅の原料は小麦でんぷんを使用しています。
- 関西 …葛粉
- 関東 …小麦でん粉
まとめ
関東は関西のくずもちと名前がかぶらないようにした。
関東の葛餅は「くず餅」と表記せず「くずもち」、「くず餅」、「久寿餅」、「久寿もち」などと表記しているのです。東西で食べ比べしてみると楽しいかも!