人は便利なものを生み出してきました。
例えばプラスティックです。
プラスティックはジュースの容器やスーパーマーケットで食べ物を梱包する際に用いられるなど、さまざまな場所で活躍しています。プラスティックは非常に便利な製品。
でも、現在では厄介な存在になっています。
安価で大量に作ることができるコストパフォーマンスが高いプラスティックは、世界中で使われだしたのです。
その結果、大量のプラスティックゴミが海に流れ続けている異常事態が発生しています。
海の環境を汚し、海の生物たちへ悪影響を与え続けています。
「自分には関係ないこと」
果たしてそのように言い切れますか?
この世界は繋がっています。
海は繋がっています。
海が汚れ、海洋生物に害を与えるということは、海に囲まれている日本はただごとではない事態に直面します。
プラスティックゴミの問題と原因
「プラスティックって本当に便利だよね!」
「うん!図工の工作でいろんなものが作れるし」
「そうそう!わくわくさんとゴロリもペットボトルで作ってる♪」
幼い頃には何も考えず、自分の作りたいものをプラスティックを使いながら作っていました。「鉛筆入れ」を作るのは最も簡単。ペットボトルをカッターで半分に切るだけで完成♪
メダカの稚魚はとても小さいです。ペットボトルを4分の1に切り、水槽の水と一緒にメダカの稚魚を移動させることにも使えます。
スーパーマーケットの食材にはプラスティックが使われていることが多いです。長持ちをして安く作ることができるため、企業側にとってはこの上ない「皿」になります。
このプラスティックを加工してお風呂で浮かせると「船」も作れます。ハサミとカッターとセロハンテープがあれば大抵のことはできます。プラスティックは凄い発明品なのです。
でも、一部の人はゴミ箱に捨てずに、そこらへんに捨ててしまう人がいます。道に捨てられたゴミは側溝を通じて川に行く。そして川を下り海に流れてしまう。
また、プラスティックは完全に土にかわることはないのですが、土化するまでに500年の月日が必要だと言われています。ちなみに、牛乳などに使用される紙パックは3か月ほどになります。
つまり、プラスティック製品を製造すればするほど、プラスティックのゴミが増え続けることになるということ。土にかわる速度とプラスティックを供給する速度のバランスが崩れているためです。
プラスティックゴミは世界で大問題になっています。日本のプラスティックゴミは突出して多く、自国内で捨てる場所がないため外国にゴミを輸出しているほど。ちなみに、分別をせずに日本から外国に送ることが繰り返されているため、外国は日本からの輸入ゴミにおいて違法なものが発覚すると送り返す処置をおこなうとしています。
それほど世界ではゴミを少なくすることが喫緊の課題です。このままいくと、2050年には海のプラスティックゴミが魚の量を上回ると予測されているほどです。
「いやいや、それはないでしょ?(笑)」
この動画を見てみましょう。影響は破壊知れません。
ゴミのお祭りである。動画の途中に魚がいることを確認できます。魚たちも迷惑そうな顔をしながら泳いでいるように見えます。
人は便利な生活を求めました。その結果、海ではこんな大変なことになっているのです。自分が魚だったらこんな海に住みたいですか?
自分が魚の場合
「おぉ!このゴミに食べカスがついてるじゃん!人間の食い物は本当にうめーな!最高だぜー!」
物好きでなければ、こんなことにはならないはず。
そのゴミまみれの中で育つ魚を食べる人間。ゴミにはさまざまな有毒なものが含まれている恐れもあります。海を綺麗に維持するということは、人の食も安全になるということに直結します。
2019年3月のこと。
フィリピンの海岸にクジラが打ち上げられました。クジラは苦しんで苦しんで苦しんで死んでいったに違いありません。なぜか?その理由は、クジラの胃の中から40kgものビニール袋が出てきたから。
世界中で海の生物がプラスティック・袋を飲み込んでいる報告があがっています。ウミガメも同様。ウミガメはクラゲを食べているのですが、ゆらゆら浮かぶビニール袋をクラゲと間違えて食べてしまうのでしょう。
ビニール袋やプラスティックは消化されることがありません。お腹の中で溜まり続け、魚を食べることができずに苦しみながら死んでいく…。
悲しい現実が実際に起きています。
海洋ゴミを減らす対策
大きなプラスティックだけではありません。紫外線の作用や物理的に小さな破片になった「マイクロプラスチック」も問題になっています。貝や魚が食べてしまうという報告があるためです。
土に埋もれないプラスチックゴミは永遠と海の中を漂う…。
どのようにして海洋ゴミを少しでも減らすことができるの?それは、ちょっとしたことでいいのです。少しの気持ちが大きな環境を変えることに繋がります。
- マイバッグを持参する
- 可能な限りレジ袋はもらわない(2020年からレジ袋有料化)
- 飲み物は水筒(マイボトル)を持ち歩く
- マイ箸を持ち歩く
- スーパーなどの小分けポリ袋を減らす
- 詰め替え用ボトルなどを選ぶ
- 海・川・山のレジャーではごみを持ち帰る
- 河川敷や海岸の清掃活動に参加する
- ごみのポイ捨て、不法投棄はしない
- ゴミの分別をする
微生物がプラスチックを無害にする
人が出すゴミは、人の手で無くすことができます。一人一人の気持ちが大切であり、海を綺麗にするということは、自分たちの食生活を安全にすることに繋がることを忘れてはいけません。
そんな中、企業側・研究チームも海洋ゴミを減らそうとさまざまな取り組みをしていることをご存じですか?
例えば「微生物」。
スプーン、ストロー、レジ袋など、 一見普通のプラスチック製品に見える製品があるのですが、 原料は石油ではありません。なんと、トウモロコシなどの植物からできているプラスチックです。この素材でできたコップを土の中に入れた実験があります。すると、少しずつなくなっていく様子が分かります。
この素材は、「生分解性プラスチック」と呼ばれてるのですが今、大注目をされています。
土や海の中にいる微生物によって分解され、数か月後にはすべて無害な水と二酸化炭素に代わる。
石油ではなく、環境に優しい植物由来の原料です。ただし、従来のプラスチックより製造コストが高くなるデメリットが存在するため、普及の幅が広まればコストが落ちていくでしょう。
釣りの製品にも安全な疑似餌がある
釣りをしていると厄介なことに気が付くはず。ルアーの存在です。いわゆる疑似餌ですが、偽物の餌を動かしながら魚に食われて釣るやり方です。
ルアー釣りは楽しいのですが、根掛かりなどにより損失。そのまま海の底に残り続ける。素材にもよりますが、プラスチックで作られているものは厄介です。ルアーは海を汚してしまう…。
でも、地球に優しい釣りをするために企業も考えています。
例えば「マルキュー」の「パワークラブ(蟹)」。蟹に似せた疑似餌なのですが、実際に使ってみると喰いがいい!カサゴがよく釣れます。
この人工餌の特徴は生分解性。
通常のルアーに比べて環境に優しい特徴があります。パワークラブの場合は、魚が食べたとしても体内で分解することができます。そして、水中に残ったとしても微生物により分解されるため無害な疑似餌です。
釣りを楽しみながら地球も汚さない。生分解性プラスチックの重要性がわかってきたのではないでしょうか?
まとめ
ゴミを減らし、海で分解されるプラスチックを増やす。
地球は限られたスペースしかありません。このスペースの中で多くの人、そして多くの動物・植物が共存をしています。
その中で人が作り出すゴミの中には有害なものが多く含まれています。地球には食物連鎖があるのですが、ゴミはまわりまわって自分の口の中へ入ってくる可能性が非常に高い状態です。
企業が自然界に分解されるプラスチックを増やしていく中で、一人一人がゴミ自体を増やさない努力をしていくことが大切です。