目の前に見えるのは「山」。
別の人にその山を見せると「丘」だといいます。
山といえば森や崖の集合体のイメージがありますが、一方の丘といえばなだらかな傾斜で森はなく生えているのは草・花が主になるイメージ。
山と丘、よく使う言葉は「山」ですが、「丘」もたまに使ったりします。
この2つにはいったいどのような違いがあるのでしょうか?
山と丘の違い
日常では山と丘のどちらをよく使っていますか?
おそらく多くの人が「山」ではないでしょうか?
丘は標高が低いイメージがあり、丘に登っても100歩で頂上につく勢い。やはり山は標高が高い場所であり、丘は標高が低い場所の違いではないのでしょうか?
山と丘の定義を見てみましょう。山と丘の区別ができますか?双方ではいったいなにが違うのでしょうか?
山の定義
山頂で叫ぶと正面にある山に声が反射して戻ってくる「こだま」。でも、こだまは「木霊」であり木の精霊を指しています。
「山彦」は山の神様が答えているのに対して、「木霊」は木の精霊が答えていると昔の人は考えていました。
山の定義は周囲よりも高く盛り上がった地形のこと。
平地ではなく傾斜した地形からなるものです。陸上に生きる人にとっての山は緑が生い茂る地形を想像しやすいのですが、急斜面は陸だけではありません。海底にも存在します。海底火山は典型的な山。
ちなみに陸上にあるものを「山」と呼びますが、海中にあるものは「海山」と呼びます。そして人工的に作られたものは「築山」と呼んでいます。
世界で最も高い山はヒマラヤ山脈にあるエベレスト山。宇宙からもはっきり確認することができます。標高8848m。ちなみに日本の最高峰は富士山で3776m。
そうなると気になる人もいるかもしれません。地球に比較的近い惑星「火星」の山は高さがどのくらいなのだろうか?
火星には「オリンポス山」と呼ばれる巨大な山があります。火星最大の楯状火山ですが、太陽系で最大の高さを誇ります。どのくらいの標高があると考えますか?
地球の最大山はエベレストの標高8848m。火星の「オリンポス山」は地表から約27,000mまで山体が立ち上がっているのです。エベレストの約3倍!衝撃的な高さ!
ここで疑問に思いませんか?火星を飛び越えて宇宙に山の頭が出てしまうのでは?エベレストの高さの時点で宇宙からはくっきりとその姿を確認することができるからです。
火星の標高は基準面からの高度をはかると25,000m、裾野の直径は550キロメートル以上。宇宙からみた山の姿を見てみましょう。
中央にある巨大な円錐状の物体。これが太陽系で一番巨大な山の姿。宇宙に突き抜けてるのではないかと思うほど。しかし、横の幅の距離が広いため登山をするとしたら登りやすいそうな傾斜をしています。動画はイメージ。
丘の定義
丘は、小高くなった土地のことを表しています。
山よりも低く、傾斜もなだらかな土地のことを指します。比較的小規模な山が丘と呼ばれるために、小山と呼ばれることもあります。
また、多数の丘が連続する地形を丘陵(きゅうりょう)と言います。(丘陵=300メートル~250メートル未満の山地よりも起伏の小さな高まりとその集合)
山と丘の境界線はあいまい
つまり、丘と山では境界はあいまいなため、何m以上であれば「山」、何m以下を「丘」と呼ぶといった明確な答えはありません。
国土地理院が発行する地形図に載る山として最も低い山は、宮城県仙台市宮城野区蒲生にある「日和山」。日和山は「築山」と呼ばれる人工的に作られた山で標高は3m。これは「丘」とも呼ばれないほどの高さです。
ちなみに国土地理院が地形図に載せる条件としては、「地元住民が山・丘と呼んでいるか?」、「地元自治体が公式名称としているか?」、「国土地理院が記載を妥当と判断するか」の3点が重要視されています。
1㎝の盛り上がりでもこの3要件に合致していれば「山」として認定してもらえるというわけ。
まとめ
明確な違いはなくあいまい。
自然の山として日本一低い山は、徳島県徳島市方上町にある「弁天山」。
標高は6.1mになります。
人工山(丘)は低いと簡単に作ることが出来ます。
ただし、古くから地元で「山」・「丘」と呼ばれている必要があります。