森の中で聞こえる小鳥のさえずり。
耳をすませば風で揺れる木々の音。
近くには川が流れる音の癒し。
「最高!」
自然の音は心身をリラックスさせる効果があります。
自然の音が寿命を延ばす
人は音を敏感に感じることができる能力をもっています。それは、寿命をも伸ばす作用につながるのです。
動物が生きていくには、環境の中に存在する有害物質・放射線量などの物質やエネルギーなど、周囲の環境変化に大きく左右され、それは寿命にも関係していくことになると考えられています。
そんな中、国立精神・神経医療研究センターと国際科学振興財団情報環境研究所の共同研究グループは音について実験をおこないました。
マウスの飼育環境に音環境を設置し、音情報と音環境の違いがマウスの寿命にどのような影響を与えるのか実験。
実験に用いられたのは、生後8週間のマウス、オス16匹・メス16匹の合計32匹。異なる3つの音環境のケージで飼育しました。
- 高い周波数が豊富。熱帯雨林の環境音「広帯域音響」
- マウスがコミュニケーションで用いる帯域20kHz以上の高周波成分を除去した音「狭帯域音響条件」
- 通常の実験動物飼育環境の「暗騒音下での飼育」
音以外の飼育環境は同じにして、マウスにストレスを与えてしまう採血などの検査は一切おこなわずに実験を開始。
実験結果
その結果、条件2の「狭帯域音響」のケージで飼育していたマウスは、条件3の「暗騒音下での飼育」ケージで飼育していたマウスと比較して、平均寿命が約17%伸びたことが判明。
「17%はかなり大きな数字!」
また、条件1の「広帯域音響条件」のケージで飼育したマウスも、条件3の「暗騒音下での飼育」で飼育したマウスよりも、平均寿命が約7%伸びました。
この実験結果から、環境音を聞かせたマウスは、通常飼育下の環境ケージのマウスよりも長生きすることがわかりました。他にもオスが環境音の影響を受けやすい傾向があることも判明。
つまり、自然の環境音を流して音環境を豊かにすることで、マウスの寿命が延びる。音が動物の育つ環境においてよい効果を生み出すことになります。
ただし、今回の実験ではマウスなので、他の動物よりも脳が著しく発達している人間にそのままあてはめるには、まだ慎重であり研究が必要です。
まとめ
自然の音で感情が落ち着き寿命が延びる。
自然の音で癒し効果をうけ、ストレスが軽減された可能性があります。
環境音の延命効果は、同じ飼育容器で飼育されるマウス間の社交面で改善されたのかも?
人間社会でも自然の音の中で暮らすことができれば、今よりもずっとストレスがなくなり、寿命が延びるかもしれません。
ペットを飼育しているのなら、環境音を聞かせてあげると寿命が延びるかもしれませんね。