お盆の前と後でクラゲが大量発生したりしますが、いったいなぜ増えるのでしょか?
不思議ですよね?
急に増えているように思えます。
また、刺された時の対処法はどのようにしたら良いのでしょうか?
お盆とクラゲの関係
お盆の時期になるとなぜかクラゲが出てくるとよく聞きますが、その真相は本当なのでしょうか?
日本の海でクラゲと言えば大体、次の4種類になります。まずは、日本でよく見かけるクラゲの種類を見ていきましょう。
ミズクラゲ
よく見かけるクラゲの「ミズクラゲ」。
無色透明で円盤型でゼリー状のよく見られるクラゲです。
大量発生しやすいですが、毒性は強くなく、刺されても痒みはあるものの、ほとんど痛みはありません。しかし、敏感な人や大きめのミズクラゲの場合は痛みが強くなるかもしれません。
(sumida-aquarium.com/)
アンドンクラゲ
アンドンクラゲはその長い触手が特徴です。
この触手は水中で泳いでいる場合、水と同化しやすいため見づらいのが難点です。
アンドンクラゲは、いわゆる電気クラゲです。お盆頃に大量発生することが多いといわれ、刺されると激痛を伴います。
(blogimg.goo.ne.jp)
アカクラゲ
アカクラゲは毒性が強く危険なクラゲとなります。刺されると激痛を伴います。乾燥したアカクラゲの粉末を吸うとくしゃみが止まらなくなるのでハクションクラゲとも呼ばれます。
(livedoor.blogimg.jp)
カツオノエボシ
カツオノエボシはとても危険なクラゲに分類されます。刺された瞬間に激痛が走り、みみず腫れになりしばらく傷跡が消えません。
気体の入った袋状の組織を持ちその下に無数の触手を持っています。電気クラゲの仲間で、青いキレイな体をしていますが猛毒を持っているため絶対触ってはいけません。
最近では海岸に打ち上げられている姿がニュースなどで流れています。浜辺で見つけても絶対に触らないようにしましょう。
「色が綺麗なだけに間違えて触りやすく、かなり危険!」
(kotobank.jp)
海水浴の危険生物でクラゲの発生時期はいつ?
日本近海には200~250種類ほどのクラゲが生息しています。クラゲは水温が20~30度くらいで最も活発に活動し、空梅雨(からつゆ)や夏の高温、日照りなどはクラゲの大量発生を招く好条件になります。
クラゲの発生時期は、よくお盆明けに発生すると聞きますが、アンドンクラゲを指していることが多いです。実際はどのくらいの時期から発生するのでしょうか?
「実は、クラゲは一年中生息している!」
ポリプ期と呼ばれる子供の状態から大人へ成長するのがちょうどお盆明けと重なるのです。そのため海開きと海水浴、そしてお盆の時期になるとクラゲの被害が多発します。
大量発生の要因
- 子供から大人になる時期で大きさが目に見えてきたため
- 秋頃になり潮の動きが変わり、大波により岸の方へ流れてきたため
- 海水温が高いため
特に西日本では、お盆以降に多くの海水浴場がクラゲの多数出現により閉鎖される場所もあります。
アンドンクラゲは6月下旬くらいに、ポリプから遊離して9月までの3カ月で最大サイズまで成長すると言われています。
お盆前にも成長しきっていない小さなアンドンクラゲは存在しているのです。お盆後に「突然、発生」しているわけではありません。
アンドンクラゲがポリプから遊離するのは、大潮の前後に集中するといわれていて、水温にも関係性があります。水温によっては、発生する時期が早くなる場合もあるため注意が必要です。
クラゲがいなくなる時期は海水の温度が関係していることから、海水の温度は2ヶ月遅れと言われます。10月ぐらいまでは水温が高い状態が続くので、この期間までは注意が必要です。
クラゲが急に増える理由
クラゲが海に増える理由は、漁獲により魚類が減ることで餌となるプランクトンが多くなるためです。プランクトンを食べるクラゲが繁殖して、増えたクラゲが魚類の浮遊卵や稚魚を食べます。結果的にクラゲがどんどん増えて魚類が減るという悪循環に陥ります。
そして港や護岸などコンクリートで建造物が海中に増えると、クラゲのポリプが定着する基盤が多くなり増殖しやすくなります。
また、この時期は水難事故のリスクが高まる時期と重なります。夏が終わりかけ秋の海が到来し、海の中も大きく変化。
クラゲ以外の要因でも水難事故のリスク(お盆の頃から海水の温度が低くなることで、心臓麻痺や筋肉の痙攣で溺れる危険が高くなる)が高まっているこの時期に、海水浴のリスクを伝えるための話として「クラゲの大量発生」の事例が広く言い伝えられてきたと考えられています。
クラゲ対策
クラゲは触手に毒針を撃ち出す刺胞というものがあります。それで魚や小動物などを捕食したり、身を守ったりします。
例えクラゲが死んでいても、刺胞に毒があるので流れてきた死体にさわると刺された場合と同じ状態になります。
症状としては、ヒリヒリした痛みを感じ、刺された局所に線状に発赤やむくみが現れ、ミミズ腫れのようになります。その後、水疱や潰瘍になることも!
刺されたのが二度目だとアナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。水中なので溺死してしまう可能性もあるので最大限の注意が必要になります。
クラゲに刺されない防御策
刺される前に予防しておきましょう。
安心なのはやはりウエットスーツです。全身をカバーするため安心して泳ぐことが出来ます。
海水浴場でウエットスーツを着て泳ぐのはなかなか難しい所。そこで、クラゲ防止クリームと言うものもあります。日焼け止め・クラゲ除けローションというものが売ってあります。これをつけるとクラゲに刺され難くなります。
そして、サメやクラゲをそもそも入江に入れない網を張っている海水浴場もあります。ここなら安心ですね。
クラゲに刺されたらどうする?
クラゲに刺された時は、刺さった毒針を抜くということは絶対にしてはいけません。
っというのも、刺されて毒針が皮膚に刺さっているということは一般の海水客ならば当然その手は素手が多いはずです。抜こうとしたその手も刺されてしまい、毒が回ることになります。
すぐに海から出て、ピンセットや毛抜きなどで抜くようにしましょう。ない場合はタオルなどで皮膚を保護し行います。救護所がある場合は急いで駆け込みましょう。
砂をかける
また、昔から言われている「刺された場所に熱い砂をかけて、その後お酢で洗い流す。」という手法があります。
クラゲの毒は40度以上になると活性が下がり働きが鈍くなる特性を持ちます。「熱い砂をかける」ことで活性度が下がるため痛みが収まる可能性があります。応急処置としては良いでしょう。
お酢をかけるはダメ!
そして、「お酢」ですが、クラゲの毒針をある程度は活性を下げる効果があることが判明しています。
しかし、カツオノエボシなど一部のクラゲは酢によって逆に毒が活性化し毒の回りが早くなることも分かっています。
クラゲの種類によっては効果があるものの、仮に判断を間違えると命取りになってしまうことになります。
海の中のため、どのクラゲに刺されたのか判断が難しいと予測されるので、お酢で洗い流すは辞めておいたほうが良さそうです。
お酢は使用せず、海水で洗い流すようにします。真水を使用するとクラゲの細胞を刺激して刺胞から毒針が発射される危険性があるためです。
まとめ クラゲに刺されたらすぐに病院へ
捕食されるものが捕食するものにならなければいけなかったので、相手が進化すると生き抜くためにこっちも進化をしなければいけませんでした。
そうして生き延びるために進化を続けた生物達が現在の海の中に溢れています。
中には隠れて生き延びてきた無害なもの、中には攻撃に特化したもの、地上で進化してきた人類は進化の過程で海から地上に上がります。
それは生存するために陸を選んだということ。
その人類は海の攻撃性の高い生物には敵いません。
海には危険がいっぱいあるということを意識しながら海水浴を楽しみましょう。
海の世界では地球が誕生してから数十億年の生存バトルが繰り広げられてきた歴史があります。