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シーランド公国の歴史と現在

イギリス本土から約10kmの沖合に謎の建物があります。

そこには人が住んでおり独自の通貨を持ち、さらににパスポートまであるのです。

この建物の正体とは?

王様はもともと王様の父親も王様。

王子様から王様になります。

要するに王様になれるのは国を作った王様の一族です。

もちろん一例ではありますが。

ところが王様一族ではなくても、「王様」になることはできます。王様になるには国と国民が必要です。



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王様になるためには?

独立国を作って王様になりたい!

っと思ったら、基本的にどこかの国が領土の一部や領土全部に対する領有権を放棄した場合は可能です。そこで独立宣言をしたら良いです。これまで植民地はそうやって独立をしてきました。

ところが独立前の植民地を探すのは大変。

見ず知らずの外国人に領土を放棄してくれる国はありません。

それならば、もう一つの方法があります。

まだどこの国にもなっていない土地を探してそこに住む!

そこで領有宣言をしたら良いです。

ただ、大航海時代はとっくに終わっています。偵察衛星というものが地球をグルグル回って見ています。領土にうるさいこの地球で、どこの国にも発見されていない無人島が存在するとも思えません。

どこの国にも属さない南極大陸も南極条約があります。

領有権を主張できません。

宇宙に進出する一歩手前の地球人にとって、今の時代に王様になるのは非常に難しいことです。

ガックシ!

自称世界最小国「シーランド公国」シーランド公国の歴史

そんな中、昔、「無人島」をうまく見つけて独立宣言をした人がいます。

その場所は、イギリス沖合にある「シーランド公国」。

面積は207平方メートルで人口はたったの4人、国家元首はロイ・ベーツ公というイギリス人です。なぜ王国を作ったのでしょうか?

歴史を見てみましょう。

イギリス沖の北海洋上、第二次世界大戦中の1942年に建設されたイギリス軍の海上要塞「Roughs Tower」。ここでは150~300人もの兵員が常時駐留していましたが、大戦終了後に要塞は放棄されました。

ところが1967年9月2日のこと。

元英国陸軍少佐で海賊放送の運営者だったパティー・ロイ・ベーツが、当時イギリスの領海外に存在したこの要塞「Roughs Tower」に目をつけ、要塞を「シーランド」と名付けて「独立宣言」を発表したのです。

そして自らを「ロイ・ベーツ公」と名乗りました。

思わぬところで新しい国が建国したことを受け、イギリスは強制的に立ち退かせようと裁判に訴えました。

しかし11月25日の判決において、シーランドがイギリスの領海外に存在し、且つイギリスを含めて周辺諸国が領有を主張していなかったことから、シーランドはモンテビデオ条約の定義する「独立国」として認めらることになりました。

現在、シーランドはタックス・ヘイヴンやインターネットデータ・ヘイブンとして注目され、ベーツの子であるマイケル「摂政王子」がデータ・ヘイブンのプロバイダーであるヘイブンコー社(HavenCo Ltd.)の経営に関与しています。

また、シーランドはパスポートがしっかりと存在し、独自の通貨や切手を発行しています。

世界一小さい国として知られるバチカン市国よりも面積が小さいため、世界最小の国家として自称していますが、国連に加盟する193か国及びバチカン市国の計194か国の中で、シーランド公国を国家承認している国はありません。

そのため、教科書などでは「バチカン市国」が世界一小さい国として記載されています。

軍事?衝突もあった

パティ・ロイ・ベーツは国家元首のロイ・ベーツ公になりましたが、1978年にドイツ人投資家のアッヘンバッハを首相に任命してカジノを作ろうとしました。

国のため、経済の発展を考えなければいけなかったのです。

ところがロイ・ベーツ公の息子・マイケル皇太子を人質に取られてクーデターが発生。

公国から追放されてしまった…

ロイ・ベーツ公は動きました。元英軍少尉の力もあり20人の武装した友人たちを率いてヘリコプターで要塞を急襲し、反乱を鎮圧することに成功。

老朽化した発電機から火災

シーランド公国は2006年6月23日に発電機から発生した火災によって廃墟と化し、住民(守備兵1名)はイギリスの救助ヘリに助けられて病院へ運ばれました。

その後、ベーツ夫妻が国土に戻り、7月末には発電機や焼失した配線系統の復旧が完了。

しかし、マイケル皇太子は2007年1月にスペインの不動産会社を通じて、シーランド公国を売りに出すと発表しました。

領有権がフリーになったの?

イギリスデイリー・テレグラフ紙により、6500万ポンドで国全体が売りに出されていることが報じられ判明しました。

ただ、あくまでも国家の主権は売るものではないとして、シーランド公国側では売却(Sale)ではなく、譲渡(Transfer)という言葉が用いられています。つまり購入した側が好きにはできないということ。


(出典:bushoojapan.com)

そんな中、スウェーデンのBitTorrentのトラッカーを扱うウェブサイト「パイレート・ベイ」が買収に名乗りを上げましたが、シーランド公国側に拒絶され断念。

なぜ国を売ろうとしたの?

マイケル皇太子は「売国」に踏み切った当時の理由を説明しています。

ロイ・ベーツ公は85歳となり、自分も54歳で、シーランド公国の将来には若い力が必要だから

っと。

まとめ

国をつくり維持するのは大変なこと!現在は…

購入者はこれまでの法や国体を維持することと言う条件付きのようなので、完全な「オリジナル国」は作れないようです。2016年では187人の国民を名乗る人はいるものの、現在実際に住んでいるのは2人だけです。また、シーランド公国の国家承認を明示的に行った国は2024年時点でも存在しません。



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