冬の夜空は空気が澄み切っているため、星が良く見えます。光のない場所にいくと、そこにはダイヤモンドよりも光る輝かしい星々を見ることができます。
夏の星空と聞くと真っ先に思い出すのが、「夏の大三角形」ではないでしょうか?夏の夜に空を見上げると、3つの大きな星を線上につなぐことができます。
- こと座
- わし座
- 白鳥座
星の正体はこの3つ。
この3つの星座はとても仲が良いです。毎年同じ位置にいます。近づくこともしなければ遠ざかることもない。仲が良く、そのまま近づいてハグでもしそうですが、一定の距離を常に保っています。
人は夏になると「夏の大三角形」を探したくなります。
明るい都会でも夜空を見上げると見つけることができるため、夏休みの自由研究・天体観測には最適な星です。
では、この夏の大三角形は、どこを向けばあるのでしょうか?
夏の大三角形ってなに?
夏の夜空にひときわ輝く3つの星。
夏の大三角は、「こと座のベガ」・「わし座のアルタイル」・「はくちょう座のデネブ」と呼ばれる星で成り立ちます。
- こと座 …ベガ
- わし座 …アルタイル
- はくちょう座 …デネブ
夏の大三角形の周りには、小さな星が大集合をしていますが、その星は一本の川のようにも見えます。
「三途の川…」
ん?
「天の川」です。三途の川は死者が渡る川のこと。仮に夜に空を見上げ三途の川を見るとこのようになってしまいます。
A
「うわ~…、また1人三途の川を渡ってる」
B
「最近多いね。亡くなる人」
C
「わたしはまだあの川を渡りたくないなー」
話は戻り、天の川と聞くと「ある人物2人」を連想する人も多いのではないでしょうか?
こと座のベガは1等星よりも明るい0等星。非常に明るいです。この星は別名「織姫星」とも呼ばれています。
わし座のアルタイルは別名「彦星」。
彦星は1等星になるため、織姫よりは輝きが少ないです。そして白鳥座のデネブも1等星。明るい星座になるため都会からでも探すことができる嬉しい星たち。
「織姫」・「彦星」・「天の川」は、日本ではよく知られてた名称です。
夏の大三角の方角と探し方
夏の大三角はどの方角にあるのでしょうか?
どこを探せば見つかるのでしょうか?
夏の大三角形を探す時には、東の空を見る。
探し方は簡単です。方角を「東」に向ける。そして空を見上げましょう。東は太陽が昇る方向です。朝に太陽の昇る位置を確認して、夜にその上空を見ると、発見することができます。
上から順に「明るい」と思う星を3つ見つけるだけ。東の方角でひときわ光っている星を3つ選びます。
3つの星を確認できたら、その星同士を線で結ぶ。1つ目の星から2つ目にかけて線を結ぶ。そして2つ目から3つ目の星にかけて線を結ぶ。最後に3つ目から1つ目の星にかけて線を結ぶ。
直角三角形に似た三角形にすることができます。
これが「夏の大三角形」です。
おめでとうございます。見事に発見することができました。
一番上の明るい星:ベガ(織姫星)(こと座) の神話
東を向き、空を見上げた時に西側にある一際輝いている星がベガ(こと座)。
人には人の数だけ物語が存在します。星にも星の数ほどの物語が存在します。こと座「ベガ」・わし座「アルタイル」・はくちょう座「デネブ」の物語を見ていきましょう。
物語「神話」
東を向き空を見上げたときに西側にあるひときわ輝いている星がベガ。またの名を「織姫星」・「こと座」と呼びます。
こと座は西洋の竪琴がモチーフになった星座。
ギリシア神話に登場する音楽の名手である「オルフェウス」を指しています。
オルフェウスは竪琴で美しい音色を奏でますが、その音色の美しさは動物たちや森の木々さえも聞き惚れさせるほどです。
「癒される〜」
オルフェウスは、森の妖精である美しいエウリディケを妻に迎え結婚しました。しかし、その幸せは長く続くことはありませんでした。すぐにエウリディケは毒蛇にかまれて命を落としてしまったのです。
妻の死を受け入れられないオルフェウスは、妻を取り戻そうと冥土を訪れました。そして冥土の王・ハデスの元へ向かい妻を想い竪琴を奏でます。
オルフェウスが奏でる音色にハデスは心を動かされていきました。
「なんという素晴らしい音色だ…」
冥土(あの世)にいる妻ペルセポネの説得もあり、「地上に出るまでは決して後ろを振り向かないこと」を条件に、エウリディケを返すことを約束してくれました。
しかし…
オルフェウスは地上に出る直前に後ろを振り向いてしまったのです。
ディケは冥土へ引き戻されてしまい、二度と会うことができなくなりました。もしも振り返らずに冥土から連れ戻すことができたのなら…、織姫と彦星は寄り添うようにして光り続けていたのかもしれません。
ベガから少し離れた星:アルタイル(彦星)(わし座)
南東に視線をずらしていくと1等星、アルタイル(わし座)が見えます。
物語「神話」
東の空から南東に視線をずらしていくと、1等星のアルタイルを見つけることができます。
わし座に関しては諸説ありますが、最も有名なものが翼を広げた鷲がモチーフになっている星座だということ。
わし座の1等星であるアルタイルは、アラビア語で「飛ぶ鷲」という意味の言葉が語源となっています。
わし座はギリシア神話の主神であるゼウスが、トロイの国で暮らしていた美しい少年・ガニメーデスを自分の国に連れ去るために変身した姿だとされているのです。
美しい星:デネブ(はくちょう座)
アルタイルから東の方へ視線を変えましょう。デネブ(はくちょう座)を見つけることができます。
物語「神話」
東の方にデネブを見つけることができます。
はくちょう座は、白鳥が翼を広げた姿がモチーフとなっています。
白鳥は美しい。
アラビア語の「めんどりの尾」の言葉が語源となっており、はくちょう座が表しているのは、ギリシア神話の主神であるゼウスがスパルタ王の妻・レダに近づくために変身した姿と言われています。
夏の大三角が見れる時期・時間帯・方角はいつまで?
夏の大三角が見れる方角はわかりました。では、いつ見ることができるのでしょうか?
見えないときに必死になって探しても見つかるはずはありません。夏の大三角形と言われるほどです。夏にしか見えないのでしょうか?
実は、日本で見れる夏の大三角形は「春から秋の終わり頃まで」観測をすることができます。
別に夏の大三角形と呼ばなくても、「春の大三角形」・「秋の大三角形」でも良いのです。では、なぜ「夏の大三角形」として呼ばれているのでしょうか?
その理由は簡単。
最も見やすく綺麗に輝いているのが夏の間だから。そのため「夏の大三角」と呼ばれています。星は最も綺麗なときに見たい。綺麗に三角形が見える最も適した季節が「夏」になります。
七夕の時期に昇りはじめ、8月下旬までの間が観測しやすいです。時間は20時~21時半頃がベスト。
- 七夕の時期~8月下旬まで
- 時間 20時~21時半頃
- 8月上旬が最も観測しやすい
- 東の空を見る
まとめ 夏は夜空を見上げるべし
どうしても夏の大三角が見つからない場合は、スマホの星座アプリを活用すると良いかもしれませんね。
iPhone・Androidで「星座」と検索するとたくさん出てきます。昔ながらの「コンパス」を使うのも良いでしょう。
ちなみに南半球では、冬の間に空の低い位置に、北半球で見える三角形がひっくり返った状態で見ることができるので、「北の三角形」と呼ばれています。
綺麗な星空を見るとストレス解消にも繋がります。三つの星をみつけるのは宝探しみたいで楽しいと思います。