アメリカでよく耳にしていた「竜巻」ですが、近年になり日本でも竜巻件数が増えています。
アメリカと言えば家も吹き飛ばすような巨大な竜巻のイメージが強く、日本では学校の校庭でたまに巻き上がる小さな旋風程度の竜巻のイメージ。
ところが、日本でも大きな竜巻が目立つようになってきました。
アメリカの竜巻を思い出してほしいのですが、竜巻が通った後にはバラバラになった家が散乱しています。絶望的な風景ですが、どこに避難をすると生存確率があがるのでしょうか?
竜巻のレベル!竜巻が起きるとどうなる?
日本でもアメリカみたいな竜巻が発生して話題になっています。
日本で発生した竜巻により家が倒壊。
下敷きになり学生が亡くなる悲しい事件も発生しています。
竜巻が発生する原因は、空気が暖められることで急速に発達した積乱雲の影響にありますが、竜巻の強さを示すレベルが次にあげられます。
竜巻のレベル「F(フジタ)スケール、F0~F5」
- F0 …弱いトルネード
- F1 …顕著な被害が目立ち始め、屋根瓦が飛んだり、窓ガラスが割れる
- F2 …屋根が剥がれたり、大木の倒木など
- F3 …車が飛ばされたり、家屋の倒壊
- F4 …車が大きく飛ばされミサイルのように飛んでいく
- F5 …ミステリーが起こると言われ、牛や車等が空から降ってくる
- F6 …壊滅的な被害
日本で発生する竜巻の60%が「7月から10月」に集中していると言われ、時間帯は「14時~17時」の間が多いとされています。この時期・時間には特に気を付けましょう。
竜巻が起きた場合の避難先
「いつ?」
「どこで?」
発生場所が分かりづらい竜巻。
台風とは違い、急な発生になるためすぐに逃げる必要があります。
まず竜巻が来た場合は「姿勢を低くして頭部及び手足を守ること」が重要です。
竜巻が発生する前兆として、空が急に真っ暗になったり、雷鳴が聞こえたり、雷光が見えたりします。そして、ヒヤッとした冷たい風が吹いたり、大粒の雨やヒョウが降り出すと要注意!
発達した積乱雲が近づく兆候が見えたら、直ちに身の安全を確保してください。
「すぐに悪魔がやってくる!(ガタッ!!)」
家の中にいた場合の避難場所
- 重要なことは下に逃げること
- 2階よりは1階、1階よりは地下に避難する
- 窓ガラスが割れて飛び散らないように雨戸やカーテンを閉める
- トイレまたは風呂に逃げこむ
- 丈夫な机の下に逃げ込む
内閣府のホームページには、次にあげられています。
- 建物の最下階に移動する
- 家の中心の窓のない部屋
- 部屋の壁、ドア、外壁から離れる
- 頑丈な机の下に入り、両腕で頭と首を守る
(参考:政府広報)
バスタブに隠れる場合には、物が上から降ってこない様に蓋を閉めておくと効果的。
アメリカの竜巻被害を受けた地域では、家が吹き飛ばされてもバスタブだけは残っていることが多いといわれています。しかし、日本とアメリカでは家の造りが異なるため落とし穴があるので注意が必要です。
例えば、バスルームで言うとアメリカの場合、ほとんどの家に窓がありません。そしてお風呂に浸かる文化のないアメリカでは、トイレと一緒になっているユニット式が多い傾向です。
一方、日本のお風呂はトイレと別になっている場所が多く、さらにお風呂には大きな窓が付いています。これは日本に高い湿度があるため。つまり、カビを増やさないように大きな窓がついています。
「お風呂に逃げ込むと竜巻で窓ガラスが割れて雨のように降ってくる可能性が!」
お風呂の蓋をすることである程度は防ぐことが可能ですが、家を破壊するほどの竜巻の場合、蓋は簡単に飛ばされてしまうでしょう。
地震ではお風呂の入り口を開けてその浴槽の中が安全ですが、竜巻ではその強さによりあまり効果がないように思えます。
竜巻の避難場所は窓のない場所が効果的!身を守る対策
では、家の中のどこに逃げれば良いのでしょうか?
上記の理由から日本式の家の中で安全な場所は次にあげられます。
- 地下
- 窓が小さいまたは窓がないトイレ
- 階段下の押入れ
- 窓のないお風呂
気象庁は、屋内にいる場合の対策として最下層に移動することが重要だとしています。地下室があればそこへ、なければ1階へ移動しましょう。
対策する時間があれば、ガラスが飛散しないようにカーテンやシャッターを閉めて、窓から離れた建物の中心部にいき、丈夫な机やテーブルの下に入るなど身を小さくして頭を守ります。
しかし、家ごと破壊する竜巻の場合はテーブルや机の下に隠れても意味がないので、「トイレ」や「押入れ」に逃げ込みましょう。これらは家の中でも太い4本の柱が近い位置にあるので頑丈性が高い場所です。
窓のないお風呂場があればアメリカの例からすると、この場所が最も安全と言えそうです。
屋外にいた場合の竜巻避難先
「外にいた場合はどこに隠れたらいいの?」
近くのマンション・オフィスビルなどの鉄筋コンクリート造りの丈夫な建物に避難しましょう。車庫や物置、プレハブに避難してはいけません。簡単に飛ばされてしまいます。避難できる建物が無い場合は、「近くの水路やくぼみ」など、なるべく狭い所に身をふせて両腕で頭と首を守ります。
また、電柱や太い樹木などは倒れてくる可能性があるので近づかないようにし、窓ガラスが多いビルは上から雨のように降ってくることが考えられるため絶対に近づかないようにします。
「上からガラスが飛んでくる恐怖!」
また、高速道路の高架下は竜巻の避難場所として適していると言われており、実際に橋などの下に逃げ込み生還した人も多くいますが、「Ohio Committee for Severe Weather Awareness」によると、実際には高架下に避難すると怪我や死亡のリスクが増大すると言います。
高架下では風速が増し、竜巻通過の際には風向きが逆になることもあるのです。そのため、竜巻が来る時は頑丈な建物に避難した方が良いと結論づけています。
もし近くにない場合は、「側溝の下」でうつ伏せになり、飛来する瓦礫などから身を守るようにします。
まとめ
竜巻を最善の方法で回避する。
正しい知識で正しい場所に逃げることが命を分けます。
逃げた後は運を天に任せましょう…