水槽で何を飼いますか?
少し前までは金魚や熱帯魚が主流でした。
しかし、これらの生体メインからこれまで脇役だった水草をメインにする「水草水槽」が人気です。
初心者でも楽しめる水草水槽の立ち上げレイアウト
水草はこれまでちょっとしたワンアクセントや酸素を出す「おまけ」程度に使われてきましたが、最近ではメインで水草を育てる人が増えています。
水草は魚の隠れ家にもなるため、魚にとってもあるほうが落ち着く効果があります。
魚にも良いのですが、植物を見ているだけで癒されます。
ただ、水草は緑色のイメージしかありまえん。
もう少し色合いが欲しいところですが、実は、緑以外の赤や黄色などのカラフルな水草も増えています。
初心者でも簡単に育てられる水草
はじめて水草を育てるときには、どのような水草が良いのでしょうか?
植物も生きているため、間違えた飼育をすると枯らしたり、水に溶けることもあります。
水中の植物は枯れてしまうと、その後は水に溶けて消えてしまうのです。最初は簡単で育てやすい、環境に強い植物からはじめてみると良いでしょう。
ウィローモス
- 適応水質:酸性~弱アルカリ性
- 水質:軟水~弱硬水
- 適応温度:18℃~30℃
- 難易度:簡単
植物は二酸化炭素を添加すると元気になります。
ウィローモスの場合は強制添加をしなくても育てることが出来ます。ただ、CO2があると色鮮やかに育てる事が可能です。
そもそもウィローモスは、「クロカワゴケ」や「ミズキャラハゴケ」など数種の水生コケの総称を言います。ウィローモスはアクアリウムにおいて水草水槽をするには欠かせない存在です。
照明の光があまり強くなくても育ち、土(ソイルなど)もいりません。流木や石などに巻きつけるだけで根を伸ばし活着しながら成長します。
ウィローモスは葉のつき方にあまり規則性がないため無造作に伸びます。無精髭のような感じです。
標準的なウィローモス以外にアクアリウムで使用しれているのが「南米ウィローモス」ですが、こちらは三角形を形成するように細かい葉をつけるので他のウィローモスとは違った雰囲気を出すことが出来ます。
広がり方を考えるとウィローモスで「緑の絨毯」にするには南米ウィローモスをおすすめします。標準的なウィローモスはその特性からなかなか絨毯化は難しい傾向があります。
また、南米ウィローモスは活着力がウィローモスに比べて弱いため水槽内でも使い分けが必要となってきます。
例えば、大きめの流木などに活着させる場合は南米ウィローモス、細い枝などはウィローモスなど。
細い枝に南米ウィローモスをテグスなどで巻きつけて飼育すると活着しづらいために剥がれたように見えてしまいます。
水槽内にウィローモスを入れておくだけで、底床一面に緑の絨毯が広がり、エビや熱帯魚の隠れ住処にもなるため、産卵成功率が高まる効果にも期待出来ます。
マツモ
- 適応水質:弱酸性~弱アルカリ性
- 適応温度:15℃~25℃
- 難易度:簡単
二酸化炭素添加が無くても育てることが出来ます。
環境適応能力が高く、世界中の河川や沼地に生息しています。近所の川を探すと自生しているかも知れません。
水槽に入れるとすぐに環境に順応し、成長を開始します。
光量もあまり必要とせず、盛んに水槽の中の豊富な栄養も吸収するため、水質の浄化に力を発揮してくれます。マツモを入れておくとコケや藻類などの発生を抑える事に期待出来ます。
光をあまり必要とはしませんが、植物なので光合成をしなければ生きていきません。屋内であれば20Wの蛍光灯を8時間程度は点灯してあげると喜んで成長します。
マツモは根を張らない浮遊性の水草です。
脇芽を出して伸びている場所からカットすると、簡単に増やす事が出来ます。
アナカリス
- 適応水質:中性~弱アルカリ性
- 適応温度:20℃~28℃
- 難易度:簡単
二酸化炭素添加は不要で成長します。
別名、「オオカナダモ」とも言い、マツモと同様に金魚・メダカ藻の定番です。一度は目にしたことがあるかも知れません。
葉に立体感があり透明感のあるライトグリーンになるため、美しいアクアリウムを目指すには入れておきたい水草です。
アナカリスは環境適応能力が凄まじく、低水温でも低光量でも二酸化炭素濃度が少なくても生長します。
ただ、植物なので光合成は必要です。
アナカリスは生体が出す有害物質を吸収して無毒化し、水質を綺麗に保つ重要な役割をしています。
水中に浮かべておくだけで成長するアナカリスですが、アナカリスの根は葉の横から生えるため見た目が悪くなる可能性もあります。気になる場合はマツモやカボンバなどにすると良いでしょう。
水草の入れ過ぎには注意!
水草をたくさんいれると、水の水質が良くなります。
しかし、気をつけることがあります。
水草は生き物です。
呼吸をしていますが、光が当たると光合成をして水槽内の二酸化炭素を吸いながら酸素を出しています。しかし、光がない暗い夜は呼吸をしないといけないため、逆に水槽内の酸素を吸って二酸化炭素を吐いています。
魚も酸素を吸って二酸化炭素を出しているので、水槽内の限られた酸素を動物と植物で取り合うことになります!
水草を入れすぎると光があるときは良いのですが、夜になると酸素がなくなり水槽にいる生き物が全滅してしまう恐れがあります。
まとめ
アクアリウムで水草を一緒に育てると、癒しの空間が一層広がります。しかし、水草も生き物であり呼吸をしています。酸素が不足の結果、魚などが酸欠になることもあるため、バランスと夜間にブクブクを付けるなどの注意が必要です。
アクアリウムの小さな水槽の中では、限られた生命の循環がされています。動物と植物のバランスが重要です。