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メダカの失敗しない飼い方【屋外編】

メダカといえば屋外で楽しむイメージがあります。

今日では室内のガラス水槽で、横から観察する人も少なくないのですが、やはりメダカは上から見たいという根強いファンは多いです。

ビオトープのメリットはなんといっても「飼育が楽」なところ。

自然を味方につけることができれば、餌さえも与えずに勝手に生命のサイクルが完成します。しかし、ろ過装置を付けることができる環境にあれば、さらにワンランク上の水質を維持することが可能です。

メダカを手軽に飼育したい場合は、屋外で飼うと良いです。屋外でメダカを飼育する方法を見てみましょう。室内よりも外での飼育は楽です。

屋外でメダカを育てる準備・道具

ビオトープは基本的に外で飼育をするスタイルになります。

自然は偉大です。

  1. 太陽の光により水が溜まっているところには藻がはえる
  2. 藻が生えたところには生物が住み着く
  3. 生物が住み着いたことで繁殖・死のサイクルが完成する

自宅で楽しむ一般的なビオトープは限られた小さなスペースしかありません。その中で自然サイクルを完成させるには、知るべき知識が必要になります。

生物をいれた後にその生物が死んだ場合はどうなるのでしょうか?

実は水の中にいるのはメダカなどの意図した生き物だけではありません。どこからどもなくやってくる微生物のバクテリアなども住み着きます。

このバクテリアがビオトープでは非常に重要な役割を果たすことになります。もしもバクテリアが水槽の中にいなければ、死んだメダカは分解されずに「水カビ」と呼ばれるカビに包まれるでしょう。このカビは伝染をするため最悪の場合は水槽内にいる生物が絶滅する可能性も…。

バクテリアは水槽内の水質をきれいに保つ大切な役割をしています。また、太陽の強烈な光で藻や微生物ができるため、メダカや金魚がそれを食べて生きることができます。

ビオトープの作り方は特別難しいことはありません。

メダカを屋外で飼育するために準備をするものがあります。

  • 睡蓮鉢・火鉢・発泡スチロールの箱・プランター・トロ舟
  • カルキ抜き剤
  • ポリタンク
  • 水草
  • 底床
  • 水換え用のホースやコップ

容器(睡蓮鉢・火鉢・発泡スチロールの箱・プランター・トロ舟)

メダカを入れる水槽を用意する必要があります。

水が流れないものを準備しましょう。

蓮華鉢

「水鉢系」は、洗う頻度も少ないので、水を追加するだけで良いので便利です。

屋外飼育なので雨が降り水かさが増えるとこの手間も省けます。そのままオーバーフローさせると水面のホコリも一緒に流れて綺麗な水を維持することも出来ますが、メダカも流れてしまわないように、場合によっては少し細工する必要があります。

一般的に使用される方法は、水槽の淵の一箇所に雑巾をかけて、サイフォンの法則を利用して溢れるのを防ぐ方法です。雑巾の材質によってはボロボロに劣化するのもあるので、定期的に異常がないか確認が必要です。ちぎれたものをメダカが食べると腸が詰まり、星になってしまいます。

発泡スチロール

「発泡スチロール」の箱は、外気温に左右されにくいので、冬の寒さ・夏の暑さからメダカを守ってくれる利点があります。大きめのものならスーパーや魚屋さんなどに行くと無料で貰える所も多く、初期投資を抑えることも出来ます。ただ、水が入った状態で移動する場合は、破損しやすいので注意が必要です。

プランター

「プランター」は、園芸用品として使用されているもので、おしゃれなものが多いです。しかし、水抜きとして底に穴があいているものが一般的なので、なにかしらの対策をして穴から水が漏れないようにする必要があります。水漏れはメダカの生命を左右する非常に重要なことなのでしっかりと対策をしましょう。

トロ船

「トロ船」は、建築業界などでよく使用されている、セメントなどを混ぜる時に使用するあの入れ物です。黒と緑色があります。とても頑丈な作りで長期間の飼育に向いています。

尚、安価で大きな衣装ケースなどをメダカの屋外飼育に使用する人もいますが注意が必要です。衣装ケースは太陽光から出される紫外線に非常に弱い特徴があり、長期間屋外にさらされているとパリパリと割れるように劣化します。また水を入れることを想定した作りではないため、水を入れると膨れるように変形します。

二つの理由から、いつ破裂するように水が漏れ出すか予測不能です。

水がなくなると当然メダカも死んでしまうので、タッパーや衣装ケースなどを使用する場合は極力、屋内飼育に限定し、稚魚や卵などを入れる専用として小さめのものを選びましょう。

面の広い容器が重要

どの容器にも言えることですが、重要なことは『容器の深さに対して水面は広いもの』ということ。

メダカは水深が25cm程度あれば十分だと言われています。元々生息している川や田んぼ程度です。水面が広いものを選ぶ理由は酸素にあります。酸素は空気中にありますが、水面と酸素が触れ合うことで水中に酸素が溶け込み出します。

つまり、水面が広いと酸素をたくさん取り込むことができるのです。

モーターを利用して空気を生み、ブクブクさせる酸素供給機がありますが、これは水中を動かして中にある酸素を拡散すること、そして泡を出すことで水面が揺れ、酸素と水面の接触部分を増やしながら酸素をより多く取り込むことを目的に使用します。

屋外飼育の場合は、水面が広く確保されているのであれば、あまりの過密飼育でなければブクブクなどは必要ありません。

カルキ抜き剤、ポリタンク

水道水には殺菌のために塩素が使用されています。

この水道水の中に含まれる塩素がメダカにとって毒です。

カルキ抜きは液体タイプと固形タイプがありますが、固形タイプをおすすめします。固形タイプは個数で投入することができるため長持ちします。

水を入れてカルキ抜きする半透明のポリタンクがあると便利です。カルキは一般的に日光で6時間、日陰で1日~2日野外に置いておくと抜けると言われています。

人工的にカルキを抜くカルキ剤を使用したくない場合は、野外の日光が当たる場所に置いておきましょう。

底床(底砂)

底に川砂や砂利、赤玉土などを敷くと、空中から取り込まれたバクテリアの住処になります。このバクテリアはメダカの出す尿や糞を無害な窒素に変えてくれる働きがあります。

バクテリアがいない環境では残り餌や糞などでアンモニアや亜硝酸などがたまり猛毒化するためメダカは死んでしまいます。

限られた環境で生かすためには、如何にして自然環境に近い状態に持っていけるかがポイントです。

外で飼育する場合は赤玉土がおすすめです。赤玉土は安価で水質をメダカが好む弱酸性へ傾けてくれます。

水草

アナカリスなどで水草が溢れていると、親のいる鉢で稚魚がそのまま育ち、繁殖する確率が高くなります。

メダカを屋外で飼育する場合は、「ホテイ草・オモダカ・コウホネ・スイレン・ヒシ・ハス」などが人気です。これらは根っこが水を浄化してくれます。

屋外でメダカを飼育する場合は、餌はあまり必要ありません。

自然に生えるコケや飛んでくる虫などを食べています。

ただ、水槽を作った直後は餌がないので毎日1日1回~2回、3分程度で食べ切れるだけの餌を与えましょう。

環境が整えば完全に放置していてもしっかりと生きてくれます。

ただ念の為、一週間に一度は人工餌を与えると安心です。メダカの体型を見ながら、痩せていると判断できる場合には回数を増やしてください。

真夏・真冬の注意点 メダカ屋外飼育

真夏と真冬に飼育する屋外メダカの気を付けることが次に挙げられます。

真夏

直射日光が当たる場所は水温を高めます。

38℃のぬるま湯のようになってもメダカは生きていますが、26℃前後を好むメダカにとって高水温は好ましくありません。

真夏の場合は日陰を作ってあげましょう。水量が多いとその分、水温の変化も少なくなります。

また、氷や冷水を入れて急激に冷やすのは危険です。水温の急激な変化によってメダカが弱ってしまう可能性があります。そして例え氷を入れてもすぐに溶けて水温が元に戻ります。

突然の強風などで飼育容器が倒れてしまったり、急激な雨が降り、増水によってメダカが容器外に流れ出してしまうことがあります。

特に梅雨や台風シーズンには注意が必要です。

真冬

自然界では、水底のくぼみや落ち葉などの下で冬眠状態になり越冬します。

ガラスやビニールなどでふたをしておくと、雪が入らずに陽射しは入るので安心です。

水温が10℃を下回るようになってくるとメダカもほとんど餌を食べなくなるので、餌をやっている場合は来年の温かい季節が到来するまで停止しましょう。

冬眠直前のメダカに過度に餌を与えることは、食べきれなかった餌があまりやすくなることを意味します。これは水質を悪化させるだけです。餌を食べたとしても活動力が落ちたメダカにとって低水温状態では消化不良を起こす可能性が高いです。

水深の浅い容器のまま屋外で放置すると、中身の水はもちろん、メダカも全て凍ってしまいます。低温にも強いメダカでも氷漬けになってしまうと生きることは難しいです。水面だけが凍る程度なら生き延びる可能性が高いため、ある程度の水深と水量がある飼育容器を使用しましょう。

水の表面が凍っても水底でメダカはじっとしながら生きています。

外敵に注意

外で飼育する場合は、外敵からもメダカの飼育容器を守らなければなりません。

トンボの子供である「ヤゴ」は水槽の中に進入しやすく、猫も前足を使って簡単にメダカを捕まえてしまいます。さらにカラスやカワセミ等の鳥にも注意が必要です。

網を水槽にはりつけ、猫の手やカラスのくちばしが水面に届かないように、網と水面の距離を離して設置すると良いでしょう。

外でメダカを飼育すると気をつけることもありますが、楽に育てることができます。屋外飼育の場合は、おしゃれに決めたいなら睡蓮鉢か火鉢。バックアップ用ならトロ船が最適です。

屋外飼育(ビオトープ)の作り方

ビオトープとは、生物の生息空間のことを言い、生物が住みやすいように自然な状態の環境を作ります。

具体的に言うと、光は太陽の光を使用し、砂利や植物やバクテリアが水を浄化してくれ、水も雨によりつぎ足します。

さらに自然から酸素を入れ込み、微生物や水草、苔がメダカのエサになるためエサやりもしなくて大丈夫です。

ビオトープは、人間が人工的に作り出した自然環境にいるメダカを鑑賞するだけという画期的なものです。こういった自然のサイクルを作ることで人間の手をほぼ加えることがなくなるため、室内飼育よりも簡単に飼育する事ができます。

  1. メダカを飼育する容器に砂利を敷きましょう
  2. ソイルはそのまま、砂利は軽く洗います
  3. 赤玉土や川砂は、ある程度濁りが取れるまで何度も洗う必要があります
  4. 水を入れてカルキ抜きを入れます
  5. カルキ抜きがない場合は、2~3日、直射日光の当たる場所なら6時間汲み置きした水を入れます
  6. 水が土と混ざり濁った時は、濁りが沈殿するまで待ちましょう。赤玉土の場合は1日以上かかる場合があります。濁りがあるまま水草を入れると、水草に土が付着してしまいます
  7. 水草を入れます。鉢やポットに入れたまま入れてもOK!
  8. 濁りが沈殿して水草を入れたらメダカを入れます
  9. メダカを入れる際は、必ず水合わせを行って下さい
  10. 石や流木でセッティングレイアウトして完成です

ビオトープで飼育をする場合は、ほぼ自然の摂理に託す形の飼育になるため、バクテリアや藻などの繁殖が重要な鍵を握ります。

外の飼育となるとあまり目が行き届かないこともあります。水の蒸発もあるため水量に気を付け、加水をして対処しましょう。

グリーンウォーターでメダカを育てる

グリーンウォーターという言葉を聞いたことがありませんか?

その名の通り水が緑をした状態になりますが、このグリーンウォーターは栄養満点の水です。

いうならば「青汁」。

屋外に水槽を置いておくと特別に何もしなくてもグリーンウォーターになりやすく、緑水は藻や微生物が豊富に含まれている状態になるため人口餌を与える必要は基本的にありません。

人口餌を入れると食べ残しが出たときにそれが水質を悪化させる原因に繋がります。人口餌をいれない環境で飼育ができると、水質も長い間安定するため水換えもほとんどせずにほぼほったらかしの状態でも育てることが可能です。

しかし、グリーンウォーターは水槽の中が見えにくいデメリットも。

青汁や抹茶の中を覗き込むようなもの。ましてや屋外飼育の水槽は一般的に横から見ることはありません。上から覗き込む見せ方が一般的。

緑の中から浮かびあげるメダカ。そしてすぐに水中に沈みこみ見えなくなる。

これではナイル川のワニ状態…

そして、グリーンウォーターは藻などが発生しているため水量によっては夜になると酸欠につながる危険があります。水槽の中の酸素を水草・魚・エビが取り合う形になるためです。

植物は日光が入ると二酸化炭素を吐き出すのですが、光が入らない場合には酸素を吐き出します。酸欠が起きると致命的。

グリーンウォーターのポイントは、濃い色よりも薄い緑色を維持することです。

ビオトープでろ過機を使う

グリーンウォーターは楽に飼育をすることができるのですが、濃ゆすぎる緑水は気を付ける必要があります。水で薄めるか、ろ過機を使うことでグリーンウォーターになることを防ぐことが可能です。

屋外でろ過装置を使うことができるのですが「電源コンセント」」・「ソーラー発電」が必要です。そして外では雨が降り風が吹くため、水中モーターを選ぶ必要があります。

水に濡れて壊れるろ過機は危険

最悪ショートして火花が飛び発火をする恐れがあります。水中ポンプが売られているため屋外でろ過機を使いたい場合には選択ミスをしないように気を付けましょう。

また延長コードを使用する場合には接続部分が雨に濡れないようにビニールテープでしっかりと補強をすることが大切です。

金魚鉢などの小さなタイプにろ過機を使うと水流が強くなりすぎる危険があるため、ろ過機を使う場合にはトロ船などの広いスペースがあると安心です。

まとめ

お金をかけずにメダカを飼えるのは嬉しいですね。初めてのメダカ飼育や、室内用のメダカとは別にバックアップ用のメダカを飼育する場合にはビオトープが最適です。

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