携帯電話(スマホ)は、一人に一台という時代です。
いつもでもどこでも連絡が取れるため、待ち合わせ場所に約束していた人が来ない場合でも携帯電話で連絡をすることで、手軽に不安を解消することが出来ます。
携帯電話がない時代は不安でした。
予め決めておいた場所に集合するように言っていたのに友達がいくら待っても来ない。何時間も待って来なかったため帰宅。その後、学校で会えなかったことを伝えると、相手も待ち合わせ場所で何時間も待っていたというのです。
実は同じ名称が近隣で2箇所あり、それぞれの場所で互いが来るのを待っていたのです。
携帯電話なんてないので連絡も取れず…
「便利な時代になったなー」
今は携帯電話があります。
この機械で相手と声のやり取りをしますが、実はその声は「モノマネ」されていることを知っていましたか?
「え?その声は”本物”じゃなかった!?」
スマホから聞こえる声は本当の声じゃない
電話から聞こえる通話相手の声、実際の声とは違います。
「実はその人の声ではない! 」
そもそも電話で声が聞こえる仕組みとは?
糸電話は紙コップの中で声が震えることでそれが糸に伝わり、再び声として相手のほうへ届きます。
電話の場合は声を電気に変えて電線に送り、再び声の形に戻して相手にその声を届けています。
ちなみに、船舶や建築物などでよく見られる「伝声管」は、声を出すとそのままその声が相手に届きます。例えば、伝声管を沖縄に設置し北海道まで管を引っ張っていくと、音の進む早さは1秒間に340m程度なので、その声が相手に届くまでには時間がかかることに。(船舶などでは数百メートル単位なので、実際にこの距離で声が届くのかは「?」)
一方、電話で使用している電気は光と同じになるため、1秒間に30万キロの速度で相手に届くことになります。
「地球を7回半回れる速度!」
このため日本の裏側にあるブラジルから電話をしてもごく僅かな差で声が跳ね返ることができるのです。
コードブックの存在
電話で声が違うように聞こえてくる理由は次にあげられます。
携帯電話で聞こえる声は「コードブック」と言われている声で、合成処理された音に変換されています。
携帯電話の通話で聞こえる相手の声はそのままの声ではなく、約2000~2500種類の声の中から似ている声が選ばれて聞こえていたのです。
ところがこの声の数が現在も2000程度とは限りません。
技術の進歩により遥かに多く、あるいは少なくなっている可能性もあります。
数千種類の音が登録されおり、コードブックの中から話している人の声の特徴に最も近い音が選ばれて受話器から聞こえています。(一人の相手の声を数千種類以上に分けてアナログ音声をデジタル信号に変換しています。)
なんでコードブックを使うの?
なぜコードブックを使うのでしょうか?
なぜこのようなことをするのかと言うと?
データ量が大きすぎるため。
世界中で急激に普及して広まった携帯電話は、日本でも「090」番号がなくなり「080」、「070」などを新しく増設しなければいけなくなったほどです。
「年末年始には通信規制もかかる!」
このように想定を大きく超える事柄になってしまったため、通信量の調整が必要になりました。通信回線が不足しているのが現状です。
このような現代社会において、世界中の人々の声をすべて識別し忠実に再現すると電気信号は複雑化します。なによりもその分通信量も大幅に増加してしまうのです。
そのために採用されたのが「CELP」という技術。
人間の耳が音として認識するのは、20Hz~20kHzと言われていますが、携帯電話において伝えなくてはならない音は、あくまで人間の音声です。
CELPはそこに着目して考案された技術になります。
声の特徴を除いた音韻情報だけをデータに変換しますが、この技術によりデータ量を小さくすることが可能へ。
ところが、これだけでは誰が話しているのか分からなくなってしまう…
そこでCELPでは声の特徴である音の見本がついている「コードブック(音の辞書)」を使用しています。
コードブックには数千種類以上の音が登録されているので、そのコードブックの中から話し手の声の特徴に最も近い音を選んでいます。
そして、コードブックの番号と音韻情報だけを電波に乗せて送ります。
最後に受信した相手が音韻情報とコードブックの番号をもとに音声を合成して「声」を再生する仕組みになっています。
「機械が人の声をモノマネしてる状態!」
まとめ
電話の声はコードブックによる機械音。
電話から聞こえてくる声はかかってきた主ではなく、その人の「モノマネ」。
親の声に似てきたと感じたり、兄弟・姉妹の区別がつかなくなったとか周りから言われる場合は、もしかするとその数千ものサンプルの中から同じ種類の声が選ばれている可能性があります。
電波は複雑化しています。