エレガントな大人の飲み物として思い浮かべる「ワイン」ですが、その中でもボジョレ・ヌーボーはワインに興味がない人でも知られています。
「ボジョレ・ヌーボーは知ってる♪」
解禁日になると一斉に報道されますが、その日にちに決まり事はあるのでしょうか?
まずは歴史を見てみましょう。
そして秋と冬が切り替わる季節に耳に聞こえてくる「ボジョレ・ヌーボ」は毎年のように解禁日がやってきます。なぜ解禁日があるの?
ボジョレ・ヌーボーってなに?
ボジョレー。
実はこれ地名です。
ボジョレーは、フランス・パリの東南に位置するブルゴーニュ地方の南部に広がる地区で、なだらかな丘陵地帯が特徴です。
名前の由来は「美しい高台」を意味するボージュ(Beaujeu)からきていて、花崗岩質、石灰粘土層の土壌で、ボジョレーの赤ワイン「ロゼワイン」は、ガメ種から製造されています。
なぜ世界に知られるボジョレヌーボになったの?
「地酒」であったボージョレ・ヌーボーが、1967年フランス政府によって公式に11月15日を解禁日として発売することが認められてから、パリのレストランを中心に大ブームを引き起こしました。
この時代、世界は先進国を中心に物流の黄金期に突入。
1970年代になると陸路・空路の発達に伴い、そのフレッシュでまろやかな味わいが日本を含め世界中に知られることになりました。
なぜ毎年11月の第3木曜日?複雑な事情とは?
ボージョレ・ヌーボーの解禁日は毎年11月の第3木曜日。
しかし、一番最初は11月11日が解禁日でした。
その理由は、ボージョレ地区で最も収穫の早いワインができあがるのが毎年この日の周辺であったためです。収穫の最初に解禁日を合わせていたのです。
農作物は1日の違いだけでも大きな味の差が生まれます。
さらに、この日は「サン・マルタンの日」という聖人の日であったため、縁起が良いとしてボージョレ・ヌーボーの解禁日にしようという声が広がりました。
しかし、11月11日はサン・マルタンの日から無名戦士の日に変更されてしまいます。その日から一番近い別の聖人の日、サン・タルベールの日である11月15日に解禁日を移した歴史があります。
これでようやく解禁日が決定しました。
っかと安心したのもつかの間、再び問題が発生。
解禁日を固定してしまうと、年によっては土曜日や日曜日になってしまい、フランスでは日曜日が休みのお店も多いため、売れ行きに大きな影響が出てしまう。そこで、フランス政府が1984年に解決策を考案した結果、毎年、11月の第3木曜日と決まりました。
「フランス政府の経済政策だった!」
まとめ
フランス政府の戦略と国民性から解禁日が決まる。
ベストな飲み方として、フレッシュさが特徴のボージョレ・ヌーボーは少し冷やしたほうがすっきりと美味しく飲めます。
普通のワインの場合、冷やしすぎるとタンニンによる渋みが強調されて飲みにくくなってしまいますが、ボージョレ・ヌーボーは渋みが出ないような造り方をしているためその心配はありません。
冷蔵庫で1時間くらい冷やして飲むと美味しく飲めるので開封後はお早めにグビッ!といきましょう♪
ボージョレ・ヌーボーの解禁日が毎年11月の第3木曜日なのは、フランスの国内事情が深く関わっていました。