初心者でも失敗しない金魚の飼い方

お祭りにいくと必ずと言っていいほど金魚がいます。

金魚すくいはお祭りには欠かせないお店になっていますが、金魚はそもそも江戸時代に庶民の間に広がりました。それから現代に至るまで日本人に癒やしをもたらす魚として愛されてきました。

金魚の祖先はコイ?フナ?大きさと金魚の種類

金魚は川魚の「フナ」を人の手で改良して生まれた魚になります。

実は、コイの種類ではありません。

鯉の口元には2対の口髭があります。

しかし、金魚にはありません。

一見すると鯉の外観が金魚に似ているため、コイの子供が金魚かと考えがちですが、金魚が成長して鯉になることはありません。

別の種類です。

鯉は60cm程の大きさに成長しますが、フナを原種にした金魚の場合は最大で30cm程になります。

金魚の種類は豊富にあり、「様々な色」・「ヒレの形」・「体の形」、実に様々です。その中でも原種であるフナに近い金魚ほど丈夫です。

一般的にお祭りで販売されている金魚は飼育の簡単な「和金」と呼ばれる種類です。たまに「コメット」と呼ばれる種類もいることがあります。

この二種類はフナに体型が似ているため、鯉は大きすぎて飼えない人にも人気がある種です。とくにコメットは紅白をしているため、小さな錦鯉を飼っているような気持ちになります。

 

また、美しく育てる楽しみも金魚にはあります。

横から見るには「ランチュウ」や「ピンポンパール」と呼ばれる種類が人気を集めています。これら金魚は品種改良を繰り返してきた歴史が長く、実に100以上の種類がいるのです。

 

金魚は意外と大きくなる魚です。また、金魚は水槽の大きさにより身体が大きくなります。あまり大きくしたくない場合は、小さい時に小さな水槽で飼うと良いです。ただ、水槽が小さすぎると水質もすぐに悪くなるため注意が必要です。

種類の違う金魚同士の混泳

金魚は100種類以上います。

違う種類の金魚を一緒の水槽にいれても大丈夫なのでしょうか?

金魚を何匹か買うときには、同じ種類だけにしておいた方がトラブルは少ないです。他の種類を揃えたいときは、できるだけ大きさが同じような金魚を選ぶと良いでしょう。

金魚の口に入るサイズだと食べられる恐れがあります。

体系の違う金魚に注意

複数種類の金魚を一緒の水槽に入れる場合には注意が必要です。

フナ体型の和金やコメットは泳ぎは非常に得意です。その一方で、ランチュウやピンポンパールなどのタイプは身体が丸いため、泳ぎがあまり上手くはありません。

和金やコメットが丸い体型の金魚の餌まで食べてしまい、餌を食べられない可能性が高いです。また、尾びれなどがひらひらしているため、コメットや和金にちょっかいを出される場合もあります。

基本的には同種類の組み合わせが良いですが、「和金とコメット」・「丸タイプの別種同士」という組み合わせなら種類が違ってもトラブルが低いでしょう。

金魚が家にきて最初にすること

金魚が家にきたらメダカと同じように水合わせをするのでしょうか?

はい、もちろん水合わせをします。

ただ、金魚の場合は一手間加えるとさらに良いと思います。

金魚をむかえるにあたって

タライやバケツなど(できれば10L)にカルキ抜きをした水を入れ、0.5%の塩水(水10リットルに対して塩50グラム)を作ります。

その中で水合わせをした後に1週間ほど休ませてあげると良いでしょう。金魚の浸透圧は0.5%で塩により体調を整える効果があります。

人間でいう点滴のようなものです。

0.5%よりも少ない場合は塩の効果がなかったり、多い場合は金魚から塩分が抜けて体調が悪くなります。水道水には殺菌消毒のため微量の塩素が含まれています。水槽に入れる前には塩素を抜かなければいけません。

残留塩素がエラに入り込みそれが溜まると死んでしまいます。

市販の塩素中和剤やビタミンCを使用しても良いですが、日光のよくあたる場所に1~2日汲み置きしておくことで、塩素を抜くことができます。

購入時に餌は控える

金魚が新しい環境に馴染むまではストレスなどから消化不良になりやすいです。

そのため、最初の3日間は餌を与えずに断食しましょう。

金魚は1週間何も食べなくても生存出来ます。

ただ、販売先で餌を購入日に食べているのかはわからないため、非常食の保険として葉の柔らかいアナカリスなどの水草を入れておくと安心です。金魚は柔らかい水草を食べます。または粉状のフードを少しだけ与えます。

「ウォーターフード」を与えても良いでしょう。バクテリア・微生物を口の中へ自然と入れることができます。

水槽のサイズ

水槽が大きいほど、水質が長期間維持出来ます。

初心者の場合は安価で管理が比較的楽な60cm水槽がおすすめです。

水槽は重くなるため、専用台などの丈夫な棚の上に置くようにしましょう。60cm水槽でろ過装置や底床などを入れると約80kg~100kgになります。

金魚飼育の底床

底床は水槽にとって非常に重要な存在です。

ソイルや砂利などを入れる場合はバクテリアが住み着き、水の中に含まれる有害物質を無毒化してくれます。砂利を入れる場合はにごりが取れるまでよく洗い、厚さ2~4cmぐらい入れましょう。

金魚飼育の蛍光灯

蛍光灯をつける時間が長いとコケの発生原因になります。

コケが水槽につくと海の匂いがするため、気になる場合は早めに対処する必要があります。

1日8~10時間ぐらいを目安にするとコケの発生も抑制されます。

6時間の場合は更にコケの発生を遅らせることが出来ます。

ただ、水草を植えている場合は水草の成長のために必要な光エネルギーが短くなるため気を配る必要があります。

金魚飼育のろ過システム

金魚は、水の中にフンやおしっこをします。

水槽の中ではすぐにアンモニアなどで水が汚れてしまうため、ろ過装置をセットして金魚が住みやすい水を維持することも大切です。

ろ過装置は水槽内に漂うゴミやにごりを取り除く為だけのものではありません。中にセットされた「ろ材」に、ろ過バクテリアを発生させることで、魚が出すアンモニアを分解する働きがあります。

アクアリウムを始めるとバクテリアの言葉を必ず耳にしますが、バクテリアは猛毒が水槽内に溜まらないように水質を安定維持させるために非常に重要な役割があります。

ただ、バクテリアの分解力にも限界があるので、夏場は1週間に1度、3分の1程度の水を入れ替えると良いでしょう。冬は餌の頻度も減るため2週間に1度、1ヶ月に1度程度で様子を見ながら行う感じで良いです。

メイン水槽に金魚の投入

バケツやタライに入っている水と金魚を袋や入れ物に入れます。

そのまま、20~30分間メインの水槽に浮かべて袋の中と水槽の水温が同じになるまで待ちます。

金魚は比較的水質変化には強いですが、水温変化には弱いと言われているため、じっくりと時間をかけましょう。水温が違い過ぎるとショック死を起こします。

人も寒い時期に38度のお風呂にいきなり入ると、一瞬60度以上の熱湯に入ったと勘違いします。

これは環境が急激に変わったため反射をおこし危険なことを脳に知らせているためです。金魚の場合は全身で同じようなことが起こるため危険なのです。

次に、袋の水を半分ほど捨てて、同じ量の水槽水を袋に入れましょう。

そして5分ほど待ちます。

再び袋の水を半分ほど捨て、水槽水を袋にいれましょう。

5分ほど待ちます。

その後、袋の中の水は汚れていることが多いので金魚だけをそっと水槽に移してあげましょう。

エアーポンプを設置

ろ過フィルターがある場合は、酸素が供給されているためエアーポンプ(ブクブク)は必ずしも必要ではありませんが、金魚は大量に酸素を消費するため設置してあると安心です。

ろ過フィルターがない場合は、投げ込み式などのブクブクを設置しましょう。

餌をあげるタイミング

1週間過ぎたあとは普通に餌をあげて良いのでしょうか?

金魚の餌は「人工飼料」と「天然飼料」があります。

人工飼料は「フレーク状」と「粒上」のものですが、フレーク状のものは金魚の反応が良いです。

しかし、水の中で細かくなり水を汚しやすいデメリットがあります。粒状で水に浮くタイプの餌は食べ残しても取り除きやすいので水質維持には便利です。

天然飼料には、「赤虫」や「ミジンコ」などがあります。値段が高めですが、金魚が喜びます。

餌は飼育する金魚の頭部サイズの5分の1くらいが金魚が1日で食べるゴハンの量の目安だと言われています。2分~3分ほどで食べきれる量を目安に分けると水質維持につながりやすくなります。

水温で変わる餌の量

金魚は水温が体温につながる変温動物。

水温が高い夏はたくさん食べて、水温が低い冬になるとほとんど食べなくなります。

春から秋は1日に2回くらいで、冬は1~2日に1回程度で十分。

水温が10℃を下回ると急に食べなくなり、5℃を下回ると冬眠が始まるので冬眠中は餌をあげません。しかし、水草は非常食に入れておくと安心です。

まとめ

金魚飼育を始めましょう。

癒しを与えてくれる金魚です。

金魚はお祭りなどで見かけることが多く、体長も小さいため30cmほどまで成長するイメージはあまりないと思います。一般的な飼育下では20㎝程度までになりますが、大きくなっても泳げるスペースがある水槽を用意しておくと安心です。

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