日本の童謡にも出てくる日本を代表する生き物といえば「メダカ」。
メダカを飼育するときに何が必要なのでしょうか?
室内飼育について見てみましょう。
メダカを室内で飼育する方法
メダカは室内と外のどちらでも飼育ができます。
室内は屋外で飼うよりも難易度が少しあがります。
どのように飼育をしたら良いのでしょうか?
メダカを家の中で飼う方法を見ていきましょう。
メダカを室内で飼う準備・道具
メダカを飼育する前に必要な飼育グッズを準備しましょう。
- メダカが飼える容器(水槽)
- 低床(底砂)
- 水草
- 餌
- 網(タモ)
- 水換え用のホース
- タライ・バケツ
- 水温計
- カルキ抜き
- 照明(蛍光灯・LED・メタハラ
- ろ過フィルター
- 水槽選び
室内メダカの飼育でよく使用されている容器はガラス水槽ですが、メダカを横から見ることができるメリットがあります。
水槽は水が多量に入る方が、水質の悪化も緩やかになりメダカにとって良い環境を維持することができます。
水槽に対して飼育密度が高くなると、酸素不足やメダカが産卵しなくなるなど様々な影響を及ぼす可能性があります。
基本的に1リットルに1匹だとされているので、30cm水槽なら30匹、60㎝水槽なら60匹、90㎝水槽なら100匹~120匹ほどになりますが、これはあくまでも観賞用としての数字なので、産卵など繁殖目的の場合は、「メダカが子孫を残したいと思う」飼育数まで減らす必要があります。
水槽を置く場所
水槽が大きくなれば大きくなるほど設置後の移動が難しくなります。
最初に配置場所を決めておきましょう。
設置をする場所は、直射日光の当たらない静かでメダカが落ち着ける場所。直射日光が当たる場所に水槽をおくと水温管理が難しくなると共に、コケが発生しやすくなります。
人通りが激しい出入り口付近もストレスを与えてしまうのであまり好ましくありません。ただ個体差で慣れる場合もあります。
そして、コンセント等のある場所は避けましょう。コンセントから近い場所は問題ありませんが、水槽のすぐ下などにある場合は水滴や水が不意にかかることがありショートする恐れがあります。
低床(底砂)
水槽の底には低床を敷くことをおすすめします。
もちろんなくても大丈夫ですが、底に砂などを敷くことでバクテリアなどの微生物の棲み家になります。
水槽の下で繁殖したバクテリアや微生物は、底に溜まったメダカの排泄物や餌の食べ残しなどの有機物を分解する力があります。
このバクテリアがいないと水槽内の水は日に日に猛毒化され中毒を起こしメダカは死んでしまいます。バクテリアがこれらの猛毒を無毒化し、水を浄化します。
メダカの飼育でよく使われるものは、大磯砂・赤玉土(ガラス水槽ではあまりお勧めしません)があります。
最近では水草も一緒に育てたいとしてソイルを選ぶ人も多いです。この他にも自然環境に近づけるため川砂を使う場合もあります。川砂の場合には、水槽に投入する前にしっかりと洗いましょう。ソイルは洗う必要がありません。
水草
水草には水を浄化する作用と見栄え、そして水中に酸素を補給する役割があります。メダカを飼育する水槽に水草を入れることで、産卵場所や隠れ場所にもなります。
メダカの飼育でよく使用される水草は、「睡蓮」や「ホテイアオイ(ホテイ草)」。
ホテイアオイの根は紫黒くて密集しながら生えます。この根から水中の余分な栄養分などを吸収し、水を浄化しています。また、この根がメダカの産卵場所として最適です。
根が伸び過ぎるとメダカが根に絡まることがあるためトリミングをして定期的にカットしましょう。ガラス水槽の場合は水位を少し下げて入れると良いでしょう。
ただ、どちらの植物も主に屋外飼育で使用されています。
その他にも初心者におすすめな室内飼育でも十分に育てることができる「オオカナダモモ(アナカリス)」。
オオカナダモは、「池・川・用水路」などでよく見られる水草です。
アクアショップで購入するのも良いのですが、自生しているものを自分の足で探してみるのもアクアリウムの面白いところです。
ただ自然に生えているものには、「菌・農薬・ヒル・スネール」などの害虫卵などが付着している場合があるので、よく洗ってから使用しましょう。
餌・網・ホース・バケツ・水温計・カルキ抜き
これらはすべて100円均一で揃えることが出来ます。
網は大・中・小があるので、「中」くらいのものがあると丁度良いサイズになります。
水替えを行うホースもありますが、電動式ではないため手動でポンプを押しながら高低差を利用して排水します。水槽よりも排水口を下にさげることで水が出ます。逆に水槽よりも新しい水を高くすることで水槽内に水をいれることが出来ます。
水道水には殺菌のために塩素が使用されています。この水道水の中に含まれる塩素がメダカにとって毒になります。カルキ抜きは液体タイプと固形タイプがありますが、固形タイプをおすすめします。固形タイプは個数で投入することができるため長持ちします。
バケツは10L~20L入るものが利便性を考える上で便利ですが、100円ショップには置いていない場合があるので、その時はホームセンターで購入しましょう。捨てるバケツと水を入れてカルキ抜きする半透明のポリタンクがあると便利です。
カルキは一般的に日光で6時間、日陰で1日~2日野外に置いておくと抜けると言われています。人工的にカルキを抜く「カルキ剤」を使用したくない場合は、野外においておきましょう。メダカにとっても人口物のものが入っていないほうが安全だと思います。
照明(蛍光灯・LED・メタハラ)
メダカを飼育する上で日光はとても重要になります。
しかし室内飼育はどうしても光が不足するため、光の不足で起こるビタミンA、Dの欠乏からメダカが病気になりやすくなる恐れがあります。
そこで室内飼育の場合は、光を補給するため「蛍光灯、LED、メタハラ」を使用します。
メタハラは太陽光に似た光を生み出すことが出来ますが電気代が高い…。LEDは電気代は安いのですが太陽に含まれる紫外線が足りないものもあるため、バランスの良い蛍光灯なら問題ないでしょう。
ただ、今日ではLEDも赤色(紫外線)が搭載されているため選択幅は増えました。赤色が入っていれば、光量にもよりますが十分に水草を育てることができます。
ろ過フィルター
上部式ろ過フィルターや外部式ろ過フィルターなど様々な種類がありますが、メダカは比較的、水の流れが緩やかな場所に生活しているので極端な水流がでないように気を付けましょう。
メダカは他の川魚のように力強く泳ぎ続けられません。
水の流れに逆らって泳ぐ習性はあるので、緩やかな水流と静止した休憩場所を広く作ってあげます。
ただし、稚魚の場合は少しの水流でも洗濯機のように流されてしまうため、できれば完全な止水が望ましいです。風で水面が揺らぐ程度ならOK!
メダカの育成方法
メダカを購入した後の水合わせのやり方です。
メダカを購入した場合はすぐに水槽に入れるのではなく、水あわせを行ってください。
購入したものは袋に入っていると思うので、そのまま水槽にいれるか、小さめの容器に購入時の水ごと移して、30分ほど投入予定の水槽の上にしばらく浮かべておき、水温を同じにします。
人間もいきなり水風呂に入ると危険ですが、メダカも同じで水温が急激に変化するとショック症状を引き起こして死んでしまう恐れがあります。必ず水合わせをしてから水槽に入れましょう。
水槽の温度と購入した方の水温が同じになったら、新しい環境の水を少しずつ入れて、ゆっくりと新しい環境に慣れさせていきます。「5分後~5分後~5分後」という具合に水を少しずつ継ぎ足していきます。
水温
メダカが生存できる水温の目安は2℃〜38℃くらいまでですが、メダカが最も活発に活動する水温は25℃〜28℃の間になります。
室内で飼育する場合、冬は大丈夫だと思いますが夏は高水温になるため注意が必要です。ファンやクーラーを使用して対処しましょう。
水質
メダカは弱酸性から弱アルカリ性を好みます。
ソイルや赤玉土の場合は弱酸性に傾くため便利です。
餌
メダカは雑食性で、プランクトン、ミジンコ、ボウフラ、植物、小さな昆虫など色々な物を食べて暮らしています。
飼育環境ではメダカ用の人工餌を与えましょう。もちろん自然界にいる生き物を与えると喜んで食べます。
与える餌の量は、メダカの数や環境によって調整しますが、基本的に1回に与える量の目安は、2分~3分ほどで食べ切れるくらいの量です。1匹の場合には10秒~20秒ほどで食べきれるくらい。
餌が多すぎると食べ残しが出てしまい水質が悪化。この残り餌に加えメダカが出す糞や尿によりすぐに水が有毒化され、バクテリアの浄化能力を超えてしまい、メダカは死んでしまいます。
メダカをよく観察して与えすぎないようにしましょう。
メダカは燃費が良い生き物なので少し足りないかな?ぐらいでも大丈夫だと思います。足りない場合は水槽の中にあるコケなども食べています。
夏は活動が活発化するので、最低でも1日2回、春や秋は1日1回~2回与えます。冬は水温が下がりメダカの活動も鈍くなります。
そしてヒレなどが微妙に動いていますが水深で止まった状態になり冬眠に近い状態になるため、餌を与える必要はありませんが、心配な場合は2日に1回極めて少量を与え、食べない場合はその餌をとります。冬の室内の場合は10℃前後になると思うので動きは鈍くなりますが、冬眠しない個体が多いと思います。
観察をしましょう。
水替え
餌の食べ残しや排泄物によりメダカにとって有害なアンモニアという物質を発生させます。
水中に存在するバクテリアなどの微生物は、底砂や濾過機の中のろ材などを棲み家とします。バクテリアの働きはアンモニアや亜硝酸塩などの分解で生物が生きることができる綺麗な水にすること。
しかし、バクテリアの繁殖にはある程度時間がかかります。
1か月以上かかる場合もあります。
水槽をセットしたばかりの初期段階ではバクテリアが定着していないため注意が必要です。定着するまではバクテリアの能力を人間側で補う必要があるため、ある程度頻繁に水換えをおこないます。
1日おき、2日おき…と伸ばしていき、バクテリアが定着した後も飼育環境や飼育密度などにより異なりますが、最低でも週1回、全体水量の3分の1程度を入れ替えましょう。
冬は2週間~3週間に1回が目安です。
バクテリアで分解仕切れない有害物質を人間の水換えによって無毒化します。
混泳に気を付ける
水槽を立ち上げたので、めだかだけでなく他の生き物も一緒に飼いたいと思うこともあります。
しかし、飼いたい魚を何でも共存させようとして水槽にいれると悲惨な結末を迎えてしまいます。
めだかと一緒に飼育ができるのは同じくらいの大きさのエビや魚、そして貝などです。魚は自分よりも大きな魚に対しては身を潜め、小さな魚に対しては捕食します。
これはメダカも同じです。
例えば金魚とメダカを一緒の水槽で飼うと金魚がメダカを食べてしまうでしょう。金魚とメダカを混泳する場合は、泳ぎが苦手な金魚の品種を選ぶと大丈夫かも知れません。
まとめ
屋外で飼育をするよりも手間がかかってしまう室内飼育ですが、メダカの生態を詳しく知ることが出来ます。
また、身近にいることで愛着もわきやすくなります。メダカの飼育はいろいろと気を付ける点はあるものの飼いやすい魚です。
メダカを室内で飼いましょう。癒しの空間を作ることができます。