Nikon(ニコン)にはモンスターカメラがあります。
その名も【P1000】。
海外で真っ先に存在が明らかにされ、日本でも大きな話題を集めていました。それから日本で発売はあるのか、ないのか?多くの人が期待する中、海外発売から約2週間遅れ、ついに日本でも発売を開始することが発表されます。そして発売され、一時期入手困難になるほど、話題沸騰の人気機種になりました。
P1000のカメラがすごいみたいパラ。なにがすごいパラ?「写ルンです」よりすごいパラ?
超望遠カメラなんだ。月もドアップで撮影することができるぞ♪
P1000ってどんなカメラ?
P1000は望遠3000mmを誇ります。
ニコンカメラのP1000が話題を集めていますが、どのようなカメラなのか簡単に見ていきましょう。
・製品仕様
- 有効画素数 …約1605万画素
- ズーム倍率 …光学125倍、デジタル 4倍
- 焦点距離(35mm換算) …24~3000mm
- 液晶モニター …3.2型 約92万ドット(可動 タッチパネル非対応)
- 動画記録サイズ …4K(3840×2160)
- 質量 …約1415g(電池及びメモリーカード含む)
- 電池 …EN-EL20a(付属 撮影可能枚数目安:約250枚)
- 画素数 …約1600万画素
・P1000 レンズのF値変動
- 24-28mm F2.8
- 30-50mm F3.2
- 55-97mm F3.5
- 105-170mm F4.0
- 185-345mm F4.5
- 370-700mm F5.0
- 750-1500mm F5.6
- 1600-2000mm F6.3
- 2200-2600mm F7.1
- 2800-3000mm F8
画素数が多ければ多いほど綺麗な写真が撮れるというわけではありません。
カメラ性能とのバランスが大事で、バランスが崩れると油絵のように重たい写真になってしまいます。望遠考えると妥当なところでしょうか。
ズーム倍率はこのカメラ最大の売りです!
光学125倍で3000mmまでズームが可能になります。月はもちろん、土星の環や木星の模様までも写ってしまうのです。さすがにそこまで望遠で撮影すると画質は悪いのですが、手軽に撮れることを考えると驚異的!
昔、望遠鏡が欲しくていろいろ見てましたが結局買わずにそのまま過ごしてきました。その時に、「望遠鏡みたいに惑星が撮れるカメラがあればいいのに」と考えていたりしましたが、ついに夢が叶いました。
他メーカーのネオ一眼カメラや前機種である「P900」でも土星・木星は撮れます。しかし、切りだし加工や撮影のコツがいるようです。その点、ズームをするだけでここまで撮れてしまうP1000はお見事!
P1000で多くの人が懸念していること、それは大きさと重さではないでしょうか?
「3000mm!?すごい!え?1.4Kg!?おもぉい!」
見た目もコンパクトデジタルカメラの分類でよいのか?と思うほど大きい。そして重いです。一眼レフカメラよりも大きく、機種によってはそれよりもP1000は重くなります。
例えば、「AF-S NIKKOR 500mm」というレンズは、500mmで重量は1460gあります。
P1000は、3000mmです。
重さは1.4kgですが、一眼レフカメラ用のレンズ3000mmを持ち運ぶことに比べるとものすごく軽く思えませんか?
P1000の価格も高いです。デジタルカメラでは驚きのお値段!
「AF-S NIKKOR 500mm」レンズの値段は442,260円です。3000㎜のレンズになると…。それを考えれば安いほうではないでしょうか…?(思考停止)
ただ、センサーが小さいので画質はあくまでもデジカメレベルですが…。
っと言いつつ、唯一無二な機種で安いと思いますが、個人的にはP1000の価格は12万円切るぐらいがちょうどいいかなと思ったり思わなかったり。
付属品には、ストラップ、レンズキャップ LC-77、Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL20a、本体充電ACアダプター EH-73P、USBケーブル UC-E21、バヨネット式レンズフード HB-CP1があります。
レンズは気を付けていても危険に晒されることがあります。ふとした不注意でレンズが割れたり、傷がついたりすると大変です。ネオ一眼レフカメラ(デジタルカメラ)はレンズ一体型なので、レンズに不具合が起きると本体の買い替えか、修理しか直す手段がなくなります。
最悪な事態になるリスクを少しでも下げるためにもレンズを保護するアイテムは揃えておきたいところです。P1000ではレンズフードが付属でついているので不意な衝撃から守る役割もしてくれます。
これに加えてレンズ保護フィルター(レンズプロテクター)も揃えると万全です。レンズプロテクターはガラスが一枚増えるので画質が若干落ちたり、フレアが発生したりしますが、「Kenko レンズフィルター PRO1D プロテクター (W) レンズ」など、日本製品なら劣化も抑えられると評価が高いです。
早速購入。
P1000にピッタリはまりました。もしものときのために保険のような存在です。P1000のサイズは77mmです。
P900とP1000の違い
P900の後継機がP1000です。
どこが進化したのでしょうか?
レンズの違い
P900は24-2000mmの望遠が可能で、F値はF2.8-6.5の光学83倍を搭載しています。反面、P1000は24-3000mm望遠が可能で、F値はF2.8-8の光学125倍を搭載。
P900の望遠能力も高いですが、あと少し手が届かなかった!そんなところへ手を伸ばすことができるのが「+1000mm」のズーム力。
月も土星も木星も、あの被写体も、P900よりも近づいて撮影することが可能です。
サイズの違い
P1000はP900よりも一回りほど大きくなっています。大きなレンズを搭載したため、サイズが大きくなってしまったようです。
幅6.8mm、高さ15.6mm、奥行き43.9mm、重量が516g、大きく重いです。見た目もインパクト大!ひとたびカメラを構えると注目を集めること間違いなし!?
フォーカスリング搭載の違いとAF機能の向上
P1000のレンズ部分には、リングコントローラーが取り付けられました。マニュアルフォーカスでの操作も可能になったため、一眼レフカメラの操作に慣れている人は違和感なくP1000を使うことができそうです。
P1000は、背面の上部に「AE-L」・「AF-L」・「MF・AF」ボタンがあります。
「フォーカスモードセレクター」と呼ばれるもの。「ここはマニュアルで設定したい!」というときに、親指ですぐに切り替えることができるため、利便性が向上しています。
電子ビューファインダー(EVF)の違い
P900は、0.2型の92万ドットEVF(電子ビューファインダー)が搭載されていました。
しかし、P900を購入したユーザーは、このEVFに難色を示していました。っというのも、画質などお世辞にも使いたくなる機能ではなかったから。
反面、P1000は0.39型と大きくなり、235.9万ドットに向上しました。より大きな高解像度を手に入れたP1000は、以前とは違うファインダーの景色を見ながら撮影ができます。
ホットシューの違い
P1000には、ホットシュー(アクセサリーシュー)が新しく追加されました。外付けフラッシュ、外部マイク、照準器などのアクセサリーが装着可能です。
P1000と同時発売された「ドットサイト DF-M1」は、3000mm望遠を備えるP1000no強い味方になります。ズームをするほど被写体の姿を追尾しづらくなります。飛行機や鳥など、被写体が動くものだとさらにむずかしくなります。
「ドットサイト DF-M1」をホットシューに装着するだけで被写体を逃がしません。ホットシューの搭載で利便性が高まりました。
画像の違い
P900の画像処理エンジンは「EXPEED C2」を搭載しています。P1000の海外情報では「EXPEED 4」が搭載。国内ニコンHPでは「EXPEEDの進化」としか記載されていません。
っが、P900よりは処理エンジンが高くなっているのは間違いありません。
また、P900はRAW形式の保存ができませんでした。P1000はRAWに対応。より多くの情報量が画像形式で保存できるため、後から編集することができます。
現地ではとにかく撮影を重視して、どんどん撮る。そして、家に帰ってから現像をすることができます。カメラ単体ではできないようで、パソコンにいったん取り込む必要があります。
P900はフルHD(1920×1080) までの動画が撮影可能でした。P1000は4K (3840×2160) の撮影が可能です。YOUTUBEなど多くの動画サイトやテレビでは4K化が進んでいるので、最新の動画サイズで撮影ができるようになりました。
また、P1000は光学125倍ズームレンズになるので、これまで撮れなかったものが高品質な動画として撮影できます。
この他にも、P1000は「Bluetooth」機能を搭載しました。リモート撮影や「SnapBridge」機能で撮影した画像をスマートフォンに自動転送することができます。ただ、余計な電力を使うことになるのでバッテリーの予備が必要になるかも?
- 広角24mm相当から超望遠3000mm相当までをカバーNIKKORレンズを搭載
- 約236万ドットの有機EL電子ビューファインダーを搭載
- 手持ちでの超望遠撮影時にもブレを効果的に抑える、補正効果5.0段の「デュアル検知光学VR」
- 4K UHD/30pでの高精細な動画撮影に対応。超望遠3000mm相当で迫力の映像を記録
- 広視野角3.2型バリアングルTFT液晶モニターを搭載
- スマートデバイスからのリモート操作や写真の自動転送が可能な「SnapBridge」に対応
P1000のレビューと評価
実際に購入したP1000の評価レビューです。
以前使用していたネオ一眼レフカメラは、パナソニックの「DMC-FZ150」です。ズームは24倍(600mmほど)で、重さは約528g。
現在は一眼レフカメラを使用していますが、P1000は久しぶりのネオ一眼になります。P900の後継機をずっと待っていましたが、ようやく買うことができました。デジタルカメラは7年ぶりくらいです。比較対象は手持ちの一眼とFZ150になるのでご参考までに。
一目でわかるその大きさに大笑い!
「わーい!待ちにまったカメラが届いた~♪」
思わず自然に笑ってしまうその大きさ(笑)わかってはいたものの、実機を目にするとその大きさに圧倒されます。
おそらく、100人中99人は「でかっ!」と箱を開けた瞬間に言ってるのでは?店舗で見るのと家の中で見るのでは、空間錯覚の関係から大きさが違って見えます。
持ち運び・構えて腕がプルプル大笑い!
あれ?軽い!箱から初対面するその大きすぎる姿に似合ず、思いがけない意外な軽さ!思っていたほど重くない!
…、3000mmの望遠機能をコンパクトに抑えたP1000はすごいですが、重いものはやっぱり重かった。500mから「おやおや?」と感じ始め、1kmほど歩くと腕に疲れを感じ始めます。
P1000を首にかけて手で持ちながら撮影をするスタイルで、2kmほど歩きましたが撮影後は疲労を感じました。
細マッチョ
「腕がつかれた・・・」
ゴリマッチョ
「ん?腕に絶妙な疲労を感じる。プロテイン飲むか」
てな感じでしょうか?
一眼レフに慣れている女性も少し覚悟がいるかも?(超望遠のレンズを普段からつけている人は別です。)
ズームしなくても若干前に重心があるように思えます。望遠になると重心が前に傾くので、その重心移動も考慮しなければいけません。三脚が欲しくなるでしょう。
手持ちで撮影する場合には、もはや修行かと。
女性は二の腕シェイプアップに効果的♪
バランスよく左右交互に持ち手を変えましょう!(笑)
圧倒的ズームの性能に大笑い!
売りにしているだけはあります。
とにかくすごいの一言。
10km先のビルの窓まで見えました。
しかし、2500mmを過ぎたあたりからブレます!手持ちはかなり厳しいです。三脚使用だと頑張れば安定しました。また、揺らぎがあるため大気に左右されそうです。
3000mmを超えてデジタルズームに入ると被写体が瞬間移動します。3000mm以上の手持ち撮影はほぼ不可能と考えておいたほうがよいです。「ドットサイト DF-M1」が欲しくなる気持ちがわかりました。
2600~3000mmでは三脚を使ってもシャープな画像を得ることは難しい?急にざらつく印象を持ちました。RAWによる後処理で多少はいけるかな?
ちょっとフレアが入ってますね。画質はnormalで、Web用にサイズを小さくしています。手持ち撮影。
デザイン
大きいのがマイナス点ではあるものの、大きいからこそ、かっこよく見えたりします。構えるその姿はプロのカメラマンのようです。
各機能にアクセスしやすい位置にボタンやダイヤルがあるため、使いやすいデザインになります。ニコンは赤色のカメラもあるので、ブラック以外にレッドの色もあるとよかったなと思いました。
好みの問題です。
カメラグリップは大きなズームレンズを扱うため大きいですが、安定感は抜群です。ホールドしやすいでしょう。FZ150のグリップは簡易的な感じだったので、P1000のグリップの安定感と安心感を感じます。
また、ズームレンズを最大まで伸ばすとカメラ全長が倍になります。
その姿はまさに大砲…。
マクロモードで撮影。画質はnormalです。1cmまで寄れるので面白い作品がたくさん撮れそうです。
画質
センサーが小さいので、屋外で天気がよい日はとても綺麗に撮影できます。室内では少し頼りなくなります。
小さいセンサーなりの画質です。
ISOの設定は、ノイズがでにくいISO800までがよいとおもいますが、暗すぎて写真を撮る意味がなくなると元も子もないので、好みで調整しましょう。
こちらもマクロ(接写)モード。画質はnormal。何も考えずに撮影したこともありますが、一眼レフよりは、やはり背景があまりぼけていません。ただ、マニュアルフォーカス機能を使ったり、望遠機能を使って一眼レフ並みに背景をぼかす方法はあります。
バッテリー
電池残量「1」の状態で、15分充電。
その後にテスト撮影しにいきましたが、2分動画3本、画像45枚撮れました。電池残量はなくならず、フル表示から「1」に戻りました。ただし、満タンにしてから出かけることをお勧めします。
散歩時の撮影なら問題ありませんが、被写体を決めてガンガン撮る時にはスペアバッテリーが必要です。200枚以上撮る人には必須品。
携帯性
皆無です。P1000で携帯性があると言われたら、その人は身長5mはあるかもしれません。もはやAPS一眼レフと同サイズでコンデジとは言い難い・・・。しかし、超望遠を考えるとコンパクト!!
カメラ用バッグがあるとベストですが、少し大きめの普通のカバンにプチプチなどの吸収材をいれてカメラを上に置くような感じに持ち運ぶと便利です。財布や携帯をポケットに入れることができるため、荷物を少なくすることができます。
画質はnormal。ちょっと空が暗くなってきました。
機能性・AF
上記の通り、手持ちではレンズを最高まで伸ばすと不安定になりブレます。しかし、シャッターレスポンスやフォーカスは非常に高速です。レンズリングは露出、ISO,ホワイトバランスの設定が可能。
AFですが、正確性も高くピントがすぐに合います。FZ150もなかなかよい機種でピントをすぐに合わせてくれましたが、P1000もシャキシャキとピントを合わせます。しかし、室内などの暗い場所では迷い気味。センサーサイズが小さいので仕方がないところです。
4Kの動画は最大4GB・29分まで記録可能です。4GBを超える場合には別のファイルが生成され継続して撮影できます。また、動画の連続撮影は29分の手前でカメラが過熱するかもしれないとニコンは警告しているので、長時間録画の場合はビデオカメラのほうが安心です。
液晶・ファインダー
電子ファインダーは大きなサイズに236万ドットを搭載しています。
FZ150のファインダーがお世辞にもあまりよい出来ではなかったので、P1000のファインダーには感動しました。P900はあまり評判がよくないのですが、後継機では大幅なアップグレードをしたと思います。
かなり見やすいです。
逆に液晶モニターを撮影で使わなくなりそう。撮影したものを確認するくらい?
連写
バッファメモリーが改善?3回ほど連写を試してみましたがブラックアウトはありません。P900ユーザーはブラックアウトに悩まされたようです。
P1000ではFZ150同様に、連写後すぐに撮影ができる状態になります。誤差は1秒~2秒あるかないかという感じ。シャッターボタンを押しなおすことですぐに次の連写ができたので、P900に比べて大きく改善されていると思います。(JPEG環境)
ただし、連写性能は大きな画質サイズで7コマしか撮ることが出来ません。しかし、実用レベルで使えると思います。
「追記」
RAW画像に設定すると、2秒~5秒ほど待ち時間が増えます。SDカードの書き込みスピードが早いものを選択したほうがよさそうです。
総評
「楽しい!」
この一言につきます。
屋外撮影では大きな喜びをたくさん生み出してくれそうです。近づくと逃げてしまう、飛行機・猫・鳥・野生動物、そして昆虫、さらには危険すぎて近づけない場所や災害現場でも活躍してくれるかもしれません。
さらに、デジタル超高倍率で画質は悪いにせよ「土星」や「木星」が撮影出来る!天体観測もできます。
「重い!」けど、楽しめるカメラであることは間違いありません。
気になったことろ
持ち運びをしていて気になったことが3点あります。
レンズの中で音がする
1つ目は、レンズの中がゴトゴト動いている。歩くたびにレンズがカメラの中で動くのがわかるため、「大丈夫かな?」と少し不安になってしまいました。FZ150も動いていたような動いていなかったような?ネオ一眼レフカメラの宿命?
ブラックアウト
2つ目は、ブラックアウト。連写ではありません。マクロ撮影と通常撮影を繰り返しているときにカメラがプチパニックを起こしたのか、画面が消えてチカチカしてしまいました。その後、すぐに復帰。
フリーズ
3つ目は、トンビを撮影しているときにズームを伸ばして縮めて~を繰り返していると、こちらもプチパニックを起こしたのか、ズームエラー?
カメラが一瞬(5秒くらい)フリーズのようになりました。これもすぐに復帰しました。
ちょっと不安はあるものの、どちらも「頻繁な繰り返し」が原因なので、カメラがパニックを起こさないように優しく扱うようにしたほうがよいかもしれません。
「追記」
記録カードの問題でした。クラス6以下は厳しいかも?4K動画対応の高速SDカードを使うと問題なく動作しました。
まとめ
ちなみに、「再生ボタン」を押した後、すぐに「電源ボタン」のスイッチをいれると、レンズが飛び出さずに撮影した画像を再生することができます。
望遠側にズームすると、レンズ部を三脚で支えたくなるほど重心が前方へシフトします。2000mmを超える焦点距離は大気の影響が大きくなりますが、非常に面白いカメラです。