空港の滑走路は平坦に見えますが、実は傾斜があります。
「いったいなぜ?」
飛行機の滑走路にはたくさんの秘密が隠されています。
滑走路は斜めになっていることを知っていましたか?
なぜ勾配をつける必要があるのでしょうか?
空港で滑走路の傾斜に隠された秘密
競馬を見たことがありますか?
競馬場も上から見ると1周は平坦に見えますが、実は場所によっては坂があります。
空港も同じで、目で見た勾配が脳で平坦だと補正をしています。
日本国内の空港の特徴
日本国内の空港において滑走路の長さは約1,500mから4,000mまでの種類があります。飛行機の機体は数十トン~数百トンにもなりますが、その機体が着陸するときにとてつもない衝撃を受けることになります。
その大きな衝撃に耐えられるように、通常の道路などに比べて滑走路は丈夫に作られているのです。
そして、大型機では離陸速度が時速300kmにも達するため、振動を抑えるために滑走路表面の凹凸は非常に少なくなるように造られています。もちろん強度も「ACN-PCN法」という方法でしっかりとしています。
「滑走路には安全に離着陸する秘密があった!」
実はこれらの滑走路は平坦ではありません。平らに見える滑走路ですが、表面に細かな横溝が滑走路を横切るように刻まれています。
この溝は「グルービング」と呼ばれていますが、これは着陸時のブレーキ性能を高めるため、そして雨天時における着陸で、タイヤと路面の間の排水を補助する役割も持っています。
(出典:pbs.twimg.com)
ちなみに、水はけの効果をより高めるために、滑走路の中央部分が両サイドに比べて少し高くなっているのも特徴です。
尚、横断面の勾配に加えて、空港によっては縦断面に勾配をつけている場所もあります。この勾配により、進入する方向が上りの勾配であれば、着陸時に必要な距離は少なくてすみます。
例えば旭川空港は0.75%に設定され、角度でいうと約0.43度あります。2,500mの滑走路の場合、スタート時とゴール時の標高差は18.75mで、1階3mと過程した場合、なんとビル6階分の違いになります。
まとめ
飛行機は坂を走っていた。
1階から加速をつけてそのまま飛び立つよりも、6階から滑り落ちるように加速をつけて飛び立つ方がスピードがでやすいです。
逆に着陸のときは上り坂になるのでブレーキの効きが良くなり、減速もしやすく距離も少なくてすみます。飛行場の滑走路は、雨対策と滑走距離対策で坂になっていたのです。