三角定規は小学生の頃、特に大活躍をする道具です。
しかし、この定規をよく見ると真ん中になぜか穴が空いています。
何か理由があるのでしょうか?
三角定規に穴が空いている理由とは
定規の穴に指を入れて回すためのものではありません。なぜか三角定規の真ん中には穴があいています。その意味を見ていきましょう。
三角定規に穴が空いている理由は大きく5つの意味があります。
摩擦防止
三角定規を使う場所は紙の上を想定しています。紙の上を滑らせて使うため、摩擦が高いと滑りにくくなってしまうのです。
地面に接せる面が少なければ摩擦は減るので、三角定規の真ん中に穴をあけて摩擦を減らし、滑りやすくしています。
空気を抜く
袋に空気を入れて真上から押すと、その袋は左右に揺れます。地面により圧縮される空気が逃げ場を失い、袋の中で一定方向に偏るためです。
三角定規の真ん中に穴をあけることで紙と三角定規の間にある空気を逃がしやすくすることができます。密度を高めることができるため、安定した線が引けるようになります。
変形防止
三角定規の素材はさまざまですが、主に使用されているのがプラスチックです。プラスチックは季節の温度変化により伸びたり縮んだりする性質があります。
「定規にとって長さが変わることは致命的!」
大きさが変化すると刻まれた目盛りが狂ってしまい使い物になりません。そこで、三角定規に穴をあけることにより逃がす部分ができるため、伸縮を抑えることが可能になります。
取りやすくする
三角定規を使用した場合、紙と三角定規はぴったりと密接しています。仮に三角定規に穴があいていないと取りづらくなってしまいます。そのため、机の端までスライドさせて取る場合が多くなるでしょう。
一変、三角定規の真ん中に穴があいていると、その穴に指をかけることができ、簡単に紙からはがし取ることができます。
安定力を高める
三角定規は面積が広いです。
また、三角形は線を引いたときにズレてしまうことが多い形になります。
そして、三角定規を紙の上に置いただけでは、線を引くときにズレてしまいます。指で三角定規を抑えることになりますが、三角定規の真ん中にある穴に指を入れることで、力が入るようになるため三角定規のズレを予防し、安定した線が引けるようになります。
なぜ三角定規の穴は四角じゃないの?
三角定規の穴は、丸や三角の形がほとんど。四角はあまり見かけません。
その理由は、「強度の問題」があるためです。仮に四角の穴を三角定規の穴にあけてしまうと、四角の角に多くの負担がかかります。その結果、ひび割れができる可能性が高くなります。
丸い形は負荷を分散することができるため、強度を高めることができるのです。そして、丸い形はコストが安くすみます。三角の形より丸型が多いのは安く作れる理由もあります。
また、三角の形は四角より角が1つ少なくてすみます。三角の穴は強度をある程度残しつつ、三角定規のデザインを重視した形ともいえそうです。
まとめ
三角定規の穴は意味がある。
鉛筆や指を入れて遊ぶ穴ではありません。
三角定規の穴は線を書きやすくしていたのです。