のっそりと動く亀。
愛好家もいるほど癒される生き物です。
大きなゾウガメや手頃なゼニガメ、人を乗せて竜宮城に向かう海亀もいるほど、亀の種類は多いです。
その亀ですが、背中に甲羅を背負っているのはなぜ?
そもそもこの甲羅の正体ってなに?
亀の甲羅はなんのためにあるの?その正体とは?
重たそうに見える甲羅を背負っている亀ですが、甲羅はなんのためにあるのでしょうか?
そもそも、この甲羅の正体はなに?
子供の頃にマリオのゲームをしていた人なら、亀を踏むとそのまま甲羅から飛び出してしまうと想像していた人も多いのではないでしょうか?でも、実際は身体の一部になっているため、ヤドカリのように抜け出すことはできません。
その甲羅の正体は、昔から言われているものとして「皮膚が固くなったもの」があげられます。
しかし、最近の研究により正体が判明しました。
それは、亀の甲羅の正体はろっ骨が進化したもの。
ろっ骨が広がり、肩甲骨が下の方へ入り込んでいます。
人間などの動物は背骨から腹側へ平行にろっ骨が伸びています。これは哺乳類だけではなく、ワニなどの爬虫類も同じ。
甲羅に身を包み鎧の姿に見えるアルマジロですが、その甲羅のように見える正体は厚い皮膚。厚い皮膚の下に骨格があるので、アルマジロのろっ骨も人と同じ丸み状になっています。
亀だけがろっ骨を広げて、甲羅に進化させたのです。
亀がろっ骨を甲羅に進化させた理由とは?
なぜ亀だけが甲羅を手にしたのでしょうか?
それは亀がどこに住んでいるのかを見れば答えが見えてきます。
亀は陸にもいます。湖にもいます。川にもいます。そして海にもいますが、もともとは「海」で誕生しました。「オドントケリス」が祖先で、約2億2000万年前に生息していた最古の亀だと言われています。
(出典:stat.ameba.jp/)
腹側に甲羅を持っているのがわかりますね。
ろっ骨の中心にある腹骨が腹甲へ進化しました。つまり、亀の甲羅はお腹から出来ていたのです。
なぜ、お腹に甲羅が必要だったのでしょうか?それは、安定して泳ぐためです。
お腹に平べったい甲羅があることで、サーフボードのような役割をしてくれます。波のある海の中でもバランスを崩さずに泳ぐことが可能になります。
要するに、海の中で動きやすくするために進化した結果だということ。
背中の甲羅はなんのため?
そうなると背中の甲羅はなんのため?
と思いますが、これも海で動きやすくするために進化したと考えられています。水の中で進むには水圧と闘わなければいけませんが、可能な限り水の抵抗を少なくしたほうが早く動くことができます。
腹側に平らな板を持つことができたので、背中にも平らな板があるとより、水の抵抗が少なくなります。このようにして背中側にも甲羅が作られていきました。
甲羅は敵から身を守る防御のためにも使うことができます。
リクガメ・ゾウガメなど、海から陸に上がった亀も甲羅を退化させることはありませんでした。重たくて邪魔な甲羅を捨てることはなかったのです。その理由は、おそらく甲羅が敵から身を守る役割をしてくれたからでしょう。
亀の甲羅ができる流れ
- ろっ骨が広がる
- ろっ骨が太くなる
- ろっ骨どうしをくっつける
- 甲羅の完成
まとめ
海の中にはさまざまな生物がいます。なぜ固い皮膚を持つワニは甲羅を作らなかったのでしょうか?なぜ亀だけが甲羅を手にすることができたのでしょうか?
いまだ解明されることがない生き物の謎です。