新元号が「令和(れいわ)」に決まりましたが、世間では「令和」の文字を使う人がいる一方で、「令」の下の形を「マ」に似た形にしている人もいます。
「今」という漢字に見える字です。
新元号を記載する場面で「どっちを使ったらいいんだろう?」と悩んでしまうときがくるかもしれません。どちらの漢字が正しいのでしょうか?
令和(れいわ)の正しい漢字とは
令和と、令の字の下が「今」に似た漢字、どちらの文字を使うのが正しいのでしょうか?
答えを先に言うと、どちらの漢字を使ってもいいです。かしこまった役所の書類でも、どちらの漢字を使っても問題ありません。
そうなると、なぜ同じ漢字が2つ存在しているのでしょうか?
ややこしいので統一したほうがわかりやすいと思うのですが…。
その理由はフォントにあります。
フォントとは、パソコンやスマホ、雑誌・テレビなどあらゆるもので使用する文字の形です。「明朝体」や「ゴシック体」と聞いたことがあるのではないでしょうか?これらの形をまとめてフォントを読んでいます。
フォントで変わる書き方
令の下が「マ」の字をした形は、小学校の教科書などに使われる「教科書体」や「楷書体」のような書体で使用されています。一方の「令」の形は、世間がデジタル世界に入ってからよく目にしませんか?令の文字は「明朝体」や「ゴシック体」などで使用されています。
つまり、双方は形が崩れているだけで同じ意味を持つ言葉になります。
楷書体が先に生まれて、形が崩れ明朝体などの文字が誕生。文部省の常用漢字表では字体の一例に「明朝体活字」を使用しています。でも、これは便宜的なもの。書体が違っても、デザインの違いとして見なします。
「とめ」「はね」がしっかりとしている習字で書きそうな字と可愛らしい丸文字の場合でも、書いている文字が同じであれば同じ漢字ということ。
字体の違いではないため、手で書くときにもフォントの違いは許容されます。
楷書体・教科書体とは
小学校で習う字体。
漢字の書体の一で、字画をくずさずにきちんとしっかり書いていく書き方になります。昔から引き継いでいる文化的な漢字とでもいえるでしょう。
隷書などから転化したものになり、中国の三世紀中頃から使用された漢字のもっとも基本的な字形です。
明朝体・ゴシック体とは
新聞・雑誌・書籍などで使われる字体。
明朝体は筆で書いた字の特徴をそのまま受け継いだような書き方になります。明朝体は線の太さに強弱があるのが特徴です。
また「ウロコ」と呼ばれる書き始めの部分に飾りがあります。筆文字のように見えるため、大人のイメージを出しやすいです。
ゴシック体は太い字が特徴です。文の中の一文を強調したいときに使用することが多い書き方になります。
年賀状や暑中見舞いなどの挨拶で使い分けてみるといいでしょう。
まとめ
楷書体がきれいに見える「令和」。
令和の「令」は、「命令」などの負のイメージをしやすいため賛否両論あります。幕末の徳川時代にも却下されたほど。でも、令にはいい意味もあります。
ただ、個人的な意見としては「令和」よりも楷書体の「れい和」のほうを掲げたほうが、元号としてはかっこよかったかなと思います。
好みの問題になりますが、どうですか?
明朝体よりも楷書体、教科書体よりも楷書体が元号としてはきれいに見えます。なにより、日本語としての伝統文化フォントって感じがします。どちらにしても、文字として書くには、どっちのフォントを使用しても問題ありません。