この世には様々な境界線がありますが、そのほとんどは動かない「固定化」された境界になります。
ところが海は動きます。
「海」と「陸」の境界線はどこにあるのでしょうか?
っというのも、陸は所有者がいますが、海はみんなのものという概念があると共に、海は波があり陸は侵食などがあるため変化します。
気になりますよね?
海と陸の境界線はどこにあるのでしょうか?
海と陸の境界線はどこ?
海と陸の境界線のことを「海岸線」といいます。
海岸は常に波があり潮が満ちたり干いたりしているため、水のあるところと陸との境界は絶えず変わることになります。
「境界線が動くややこしさ!」
そこで日本の海図では、海岸線を海面が満潮になった最高水面(その場所の年間を通しての満潮を観察して、これ以上は海水が上がって来ないと考えられる海面のこと)の時を海と陸の境目にしています。
最高裁により昭和61年12月16日判決では、「年月日不詳」海没として滅失登記がなされてしまったため、この土地の共有持分登記をしていた人達が滅失登記処分の取り消しを求めた事案があります。
「海は社会通念上、海水の表面が最高高潮面に達した時の水際線をもって陸地から区別されている」として、最高裁としては初めて陸と海との境界の基準を明らかにしました。
領海の基準は?
国にとって重要な領域を決める基準となる線は「低潮線」または「干出線」で、干潮の時(もうこれ以上には海水が干かないと考えられる海面、「最低水面」)が領海を決める基準になります。
領海を決める基準線は通常、海の中にあることになります。
これらの観測のために、日本全国の海岸には験潮所(けんちょうじょう)が設置されています。
まとめ 毎年の海水が最も高い位置が境目
相手が自然になるため、波の位置で境目が年ごとに変わる可能性があります。
波に合わせて境目が変わって面白いですね。