金魚は身体の強いフナから品種改良により生み出された観賞魚です。
比較的身体が強い種類になりますが、水槽の限られた環境の中では病気になりやすいことも多いです。
金魚の病気の主な種類と治療法
水の中で生きる生物は、陸で生きる生物とは違う病気にかかりやすいです。
金魚は一度病気にかかると治るまで時間がかかります。体力があるうちに早く回復させる必要があります。また、水槽の水を汚しやすいので水質の維持が大切になります。
金魚の異変に気づくことが重要です。
どのような病気にかかりやすいか見ていきましょう。
金魚の異変
- 水面で口をパクパクしている時間が長い
- 水槽の底で動かずにいる
- 水中でひっくり返っている
- エサを食べない
- 異常な泳ぎ方をしている
- 水槽の底・砂利・水草などに体をこすりつけている
白点病
金魚の表面に白点が見られます。
この白点は時間と共に広がっていきます。
「ウオノカイセンチュウ」という繊毛虫の寄生虫が原因で発症する病気です。悪化をすると食欲不振を起こし、エラに寄生することで呼吸困難を引き起こして死んでしまいます。
白点病の治療法
治療期間:1週間~2週間
病気の個体を隔離し、塩分濃度0.5%の塩水欲で点滴療法を行います。また、塩分により殺菌作用効果を狙います。メチレンブルーという魚病薬を使った薬浴を行いましょう。薬浴に加え、水温を30度前後にあげることで寄生虫の繁殖を抑制します。
穴あき病
「非運動性エロモナス菌」の感染が原因で発症する病気です。
金魚の表面に赤い点が見られます。
そのまま悪化をすると鱗がはがれ落ちて、次第に身体に穴が空いてしまう恐ろしい病気です。
穴あき病の治療法
治療期間:1ヶ月程度
病気の個体を隔離し、塩分濃度0.5%の塩水欲で点滴療法を行います。また、塩分により殺菌作用効果を狙います。「パラザンD」という魚病薬を用いた薬浴を用いる方法があります。
転覆病
お腹が膨らみ、逆さまに泳ぐようになる病気です。
消化不良などでお腹にガスが溜まることにより発症します。
水温が低い時には金魚の食欲がありません。また内臓機能も低下をするため、餌を食べた後に消化をする能力が追いつかない場合は消化不良を引き起こしてしまうのです。
水温により餌の量を調整する必要があります。
(livedoor.blogimg.jp)
転覆病の治療法
治療期間:1週間程度
病気の個体を隔離し、塩分濃度0.5%の塩水欲で点滴療法を行います。塩分により殺菌作用効果を狙います。水温をヒーターで25度程度に保ち、1週間ほど塩水浴を行います。金魚は1週間程度なにも食べなくても大丈夫です。気になる場合は3日に1度、餌の1粒をすりつぶして粉状にしてから与えます。粒よりも粉末の方が消化をしやすいです。原則的に治療中は餌を与えないように注意しましょう。
尾ぐされ病
金魚のヒレが溶けるようにしてボロボロになる病気です。
「カラムナリス」という細菌が金魚に感染することで引き起こされます。ヒレから他の部分に転移をする恐れがあるため早急に治療が必要です。
(i.ytimg.com)
尾ぐされ病の治療法
病気の個体を隔離し、塩分濃度0.5%の塩水欲で点滴療法を行います。塩分により殺菌作用効果を狙います。
水質が悪化をしている可能性があるため、水をすべて換えます。場合により水槽をリセットします。また、ろ過器も掃除をしましょう。
「グリーンFゴールド」や「観パラD」・「アグテン」などの薬浴を行うことで症状悪化を防げます。
水カビ病
金魚の表面に綿のようなものが付着します。
この綿は水カビです。
金魚が喧嘩をして怪我をしたり、水槽内のレイアウトに体を傷つけることでその傷口から水カビが繁殖します。
原因は様々あり、その一つが残り餌です。
悪化をすると出血をする場合もあります。
体感として、川魚(カワムツ)や金魚(フナ)は水カビの発生率が多いような気がします。
(www.gex-fp.co.jp)
水カビ病の治療法
病気の個体を隔離し、塩分濃度0.5%の塩水欲で点滴療法を行います。塩分により殺菌作用効果を狙います。「フレッシュリーフ」や「メチレンブルー」などで薬浴をします。また、白いカビを取れる場合はピンセットなどで取ると良いでしょう。ただし、エラや目に水カビが侵攻している場合は無理に取らないでください。目が取れたり、呼吸困難に陥る可能性があります。
白雲病(綿かぶり病)
水カビ病と同じように白い綿のようなものが金魚に付着します。
白雲病の原因は水カビではなく、「コスティア」や「キロドネラ」の寄生虫により引き起こされます。
水質の悪化や急激な水温の変化などでも発症しやすいことでも知られています。
(stat.ameba.jp)
白雲病の治療法
病気の個体を隔離し、塩分濃度0.5%の塩水欲で点滴療法を行います。塩分により殺菌作用効果を狙います。砂利などを含め、水槽内を綺麗に掃除をします。悪化をしている段階では「グリーンF ゴールド顆粒」の薬浴が有効です。
まとめ
金魚は丈夫な生き物ですが、水質が悪くなると体力が落ちてしまい病気を発症しやすくなります。
様々な病気がありますが、早期発見をして早期治療をすることが大切です。それには日々の観察が重要になります。
通常、金魚を治療するときには「タライ」や「バケツ」などに入れて隔離をしながら治していきます。ぶくぶくを用意して、酸欠にならないように注意をしてください。