メダカや金魚の飼育に慣れてきたら、次のステップとして熱帯魚を飼いたいなぁと思う人も多いと思います。
熱帯魚はメダカや金魚と違い「熱帯気候」を中心に生息しているため、四季のある日本では生きることができない熱帯魚もいます。
メダカなどに比べて少し飼育のレベルがあがりますが、初心者でも比較的簡単に育てることができる熱帯魚プラティが人気を集めています。その中でも人気が高いのは「ミッキーマウスプラティ」です。
飼い方を見ていきましょう。
ミッキーマウスプラティの飼育方法
プラティの大きさは5cmほどになり、メキシコ原産の熱帯魚です。
繁殖はとても容易で比較的病気にも強い性質をもち、水温や水質にも幅広く耐えることができます。
最大で6cm前後まで成長する小型の熱帯魚。
「オス」と「メス」で成長するサイズが異なります。
「オスは4〜5cm」、「メスは5〜6cm」とメスの方が若干大きめ。
プラティは品種改良が進んだことで今では数百種も生み出されていますが、ミッキーマウスプラティはその中の1種にすぎません。
プラティの原種は尾びれの模様が三日月模様にをしているため、ムーンフィッシュと呼ばれています。この原種とヴァリアタスやソードテールなどの別種の掛け合わせてことで様々な種類の模様をしたプラティが誕生しました。
ミッキーマウスプラティの名称
プラティには身体の柄やヒレの形によって名称をつけられることが多いです。
尾びれの上下に黒線を持つツインバーや縞模様のタイガーなどです。
「ミッキーマウスプラティ」と呼ばれる由縁は、尾部にある模様がミッキーマウスの顔模様になっているから。尾びれのつけ根の部分に大きな黒丸1つと小さな黒丸2つあります。
どっからどうみても、ディズニーランドのエンブレムと瓜二つです。
どこからともなくミッキーマウスプラティと呼ばれるようになりました。そのため正式名ではありません。ミッキーマウスプラティは愛称になります。
正式名は学名で「Xiphophorus maculatus var.、Platy var.、 Platyfish var.」
英名は「Southern platyfish」
ディズニー社は著作権に厳しいことで知られていますが、ミッキーマウスという言葉で販売されている魚に物言いをしてこないのでしょうか?しかし自然発生的に広まっていった愛称になるため文句のいいようがないのが実情?
今では魚のミッキーといえばこのミッキーマウスプラティを思い出す人が多くなりました。
ディズニー好きはもちろんのこと、見た目もかわいく色の種類も豊富であること、さらにミッキーマウスプラティはあまり面倒がなく、入門編の熱帯魚としては非常に飼育しやすいことから爆発的な人気魚になっています。
丈夫で病気もほとんど心配しなくて良い。
そして「水温」・「水質」・「餌」にもあまりこだわりがなく、そのうえ繁殖も勝手に増えてくれる。ある意味、繁殖を楽しみたいならメダカよりも飼育は楽です。(ただし、卵から観察するのを目的にするにはメダカがベスト)
水槽の大きさ
匹数にもよりますが、水槽は20cm程度の小型水槽でも問題ありません。
逆に大きな水槽でも大丈夫です。
後々の繁殖を考えると60cm以上の水槽があれば安心です。水量が多いほど水質も安定しやすいので60cm以上の水槽があれば掃除の手間も楽になります。
低床・水草
底砂はバクテリアの住処になるため、水の安定でいえばあったほうが良いですが、ミッキーマウスプラティに関して言えば絶対に必要だというわけではありません。
しかし低床がないと落ち着かない個体もいるかもしれません。
低床の種類の適応能力も高いので観察をしながら入れてみるのもありです。
砂でもソイルでもOK。
ただ、水質の好みは中性から弱アルカリ性なので、貝殻やサンゴ片の混じった砂がミッキーマウスプラティにとっては住みやすい環境になります。
水草もとくに必要というわけではありませんが、水槽の中に何も入っていないと落ち着かない個体が出てくるかもしれません。その場合には水草をいれて隠れ家のように作ってあげましょう。
ミッキーマウスプラティは中性〜弱アルカリ性が飼育環境に適しているため、エキノドルス・テネルス、アヌビアス・ナナなどが適しています。
ヘアーグラスなどの水草も問題なく共存できますが、高光量が必要になるため少し難易度が高くなります。飼育に慣れてきたらチャレンジしてみるのも良いと思います。
水質
そこまで水質にうるさくない魚ですが、プラティに適した水質は中~弱アルカリ性の軟水。日本の水道水は軟水の中性なんで範囲内です。
そのまま水道水が使えます。
ただし、しっかりとカルキ抜きをすること。
バケツに水を張り、直射日光の下で6時間以上、日陰で1日以上置いておくとカルキは抜けます。また、バケツに水を張り、市販の塩素中和剤を添加する方法もあります。
即使用したい場合には中和剤を使用すると良いでしょう。
ろ過器
水質を維持するため、そして酸素を供給するため、掃除の手間を少なくするためにはろ過の設置をしたほうが断然良いです。
物理的なゴミもそうですが、バクテリアの住処になるため水質を安定に保ってくれます。
上部式フィルターでも外部式フィルターでも外掛けフィルターでも良いですが、稚魚が誕生した場合には吸い込まれる危険があるため、吸水口にスポンジフィルターのスポンジ部分をつけるなどして対応しましょう。バクテリアの住処にもなるため一石二鳥です。
また、ミッキーマウスプラティは強い水流を嫌う性質があるため、水流が強すぎるとストレスになる場合があります。
メダカとミッキーマウスプラティを一緒に飼育していますが、メダカは水流で遊んでいるのをよく見るものの、ミッキーマウスプラティはそのような行動を見かけません。
水流を一部にしか当てていないため弱るようなことは確認できませんが、念のために強めの水流は辞めておいたほうが良いでしょう。
洗濯機のようにグルグル回る水槽は論外です。
ろ過機は強い水流を起こさないタイプのものを使用するか、スポンジなどで排水部を押さえる、あるいはガラスに水流をぶつけるなどして水流を抑える工夫が必要です。
ヒーター・ファン・クーラー
ヒーターは必ず用意してください。
水温は26℃前後にします。
30℃くらいまでなら耐えることができますが、真夏にはそれ以上の水温になる場合があります。ファンを設置するかクーラーを設置して水温を下げるようにします。
ミッキーマウスプラティは低温に弱い熱帯魚になるため、水温は22℃を下回らないようにしましょう。そして急激な水温変化にも弱いため水換えなどは慎重におこなう必要があります。
特に稚魚は敏感です。
環境が少し変わると死にやすいので細心の注意が必要です。
元気のある個体を選ぶ
ミッキーマウスプラティは人気種です。
そして繁殖も安易にできることから管理の悪いブリーダーの元で育ったミッキーマウスプラティはすぐに死んでしまう恐れがあります。
病気になりやすいものもいるため、痩せすぎていないか?
身体が曲がっていないか?
元気に泳いでいるか?
などをよく観察してから選ぶようにしましょう。
寿命
自然下でのプラティの寿命は1年ほど。
観賞魚のミッキーマウスプラティは飼育下にある種になるため、寿命は1年半から2年ほどになります。飼い方や個体の強さがあればが3年~4年生きる場合もあります。
ミッキーマウスプラティは白点病や尾ぐされ病にかかりやすいといわれていますが、一度水槽の環境に慣れてしまえば病気には強いので、2世代目から病気に強い身体になると考えておいたほうが良いかもしれません。
餌
ミッキーマウスプラティの食欲は旺盛です。
なんでも良く食べます。
餌を食べなくて困ることはほとんどないでしょう。あるとしたら水槽の環境に慣れずに弱ってしまっている可能性があります。
餌は一般的な熱帯魚の餌やメダカの餌で問題ありません。
人工飼料で大丈夫です。
アカムシなどの生餌をたまにあげると喜びます。乾燥されているものでも喜んで食べます。
毎日同じ餌だと飽きているかもしれないので、たまには味の変わったものを与えるのも飼育をする楽しみのひとつになります。
ミッキーマウスプラティは底層〜中層をメインで泳ぎ回るので、浮遊性と沈殿性のどちらの餌でも食べることができます。ただし、混泳させている他の種がいると食べられない場合があるので餌を浮遊性と沈殿性に分けてあげると安心です。
まとめ
ミッキーマウスプラティは、初心者でも安心して飼育ができます。
繁殖も比較的簡単なので飼育してみてはいかがでしょうか?