「十分」と「充分」の違いの差はどこにあるのでしょうか?
改めて聞かれると言葉に詰まってしまうこの疑問。
どのように使い分けていますか?
その使い分けは正しいですか?
「間違えているかもしれない!」
十分と充分の違いと使い分けとは
結論から言うと、現在では「充分」と「十分」は、ほとんど同じ意味で使われています。
元々使われていたのは「十分」の方で、「充分」の文字を使うようになったのは明治以降になります。
「十分」とは?
客観的にも「満足」していることが判断できる=「十分」。
「十分」は、数で表せる、測れるものに使われることが多いです。
例えば、「走る距離は十分だ」、「ガソリンが十分に入っている」など。
十は数字の10でもあり、1・2・3・4・5・6・7・8・9・10のように、一区切りの満足の意味合いも持ちます。
「充分」とは?
「充分」の「充」は、「満ちる」や「足りる」といった意味を持つ言葉です。
心理的に満ち足りている状態のときに使用する場合が多いです。
数値で表すことはできなくても、個人の感覚的に満足している状態には「充分」を使い、数字や測るものには「十分」を使い分けるといいでしょう。
- 十分
…分割されたもの
…部分的なもの
…10割分(=全部)ある「十」のこと - 例
…経営に満足するだけの十分な売上がある
…サッカーをするのに人が十分集まった - 充分
…自分のすべきことをしっかりと満たす
…職責を果たす - 例
…問題を解くのに充分な時間がある
…充分な食事を摂った
「残りは二十分になるから、時間はまだ十分ある」と書いてある場合、「十分」が時間を指しているのかわかりにくくなります。
「残りは二十分になるから、時間はまだ充分ある」と書くことで、気持ち的に時間にゆとりがあることが伝わります。
公文書・義務教育・新聞社などでは、現在でもほとんどが「十分」表記になり、基本的に「じゅうぶん」は「十分」で表されますが、充分も一般的に使われるようになりました。
まとめ
おおまかな意味は同じ。
「車のガソリンを十分に入れてください!」の意味は「100%入れてください」になります。「充分入れてください!」の意味は、「自分の目的に合う量を入れてください!」という意味になるのです。
充分は主観的に見た満足感。
十分は数量的な満足感といった感じです。
「幸せを私に充分ください!」なら、数字では表現できない愛情を満足するまでくださいという意味になります。充分なら自分の気持が満足するまで100%以上を求めることができます。
ビジネスで十分を使うことも多いです。
微妙な場合は「ひらがな」にしましょう。