カメは身近な生き物です。
沼や池に足を運べば頭をにょきにょきと出しています。
他にもお祭りの屋台で販売されていることもあり、人と亀の距離は近いです。
可愛らしい亀をペットにしたい人はたくさんいて、実際に人気ペットの上位にいます。ペットとして飼うのは良いのですが、亀を飼育するにはどのようにして育てたらいいのでしょうか?
飼いやすい亀の飼育方法
過去に亀を飼ったことがあります。
屋台で売られているミドリガメとゼニガメを飼いました。当時は1匹300円ほどだったと思います。5cmほどの亀がみるみるうちに大きくなって、15cmくらいになりました。
マリオのゲームや漫画などでは、カメが甲羅を脱ぐ場面がありますが、実際の亀は甲羅を脱ぐことができません。 その理由は、カメの甲羅の内側には、「背骨」・「肩甲骨」・「肋骨」が繋がっているためです。
甲羅も身体の一部なのです。
肋骨だけが拡張、変形して進化したという説があります。
ようするに、甲羅の外側は皮膚の一部からできているので、カチコチの鱗みたいなものと考えれば良いかもしれません。
また、カメの暮らしは「水棲・半水棲・陸棲」に分けられます。
水の中で生活するものもいれば砂漠に暮らすカメもいて、全部で300種類くらいのカメがいます。一般的に飼育されているのは、水の中で泳いで陸に上がり、休憩をする半水棲が多いですね。
変温動物の亀
人は体温を調整することができますが、亀の場合は変温動物です。
寒くなると冬眠する種類が多くいます。
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)も冬眠します。
お祭りの定番であるミドリガメですが、子亀の時期には環境に注意しないと病気になりやすいので気を付けましょう。夏にたくさんの栄養を摂取して冬の冬眠に備える亀にとって、夏に十分な栄養が摂れない場合には死んでしまうこともあります。
子亀の場合には、逆に冬眠させないほうが死なないことも多いので、冬場は室内飼育に切り替えると生存率が高くなります。
巨大化する亀
屋台やペットショップで見る亀は小さくて可愛いです。
のんびりとした姿や、石の上で日光浴をしている姿には癒されますね。
でも、生き物です。
生き物は成長する動物なので身体が大きくなります。大きくなった姿を想像しながら飼育できるのかを考えることがまず最初に必要なことです。
カメの寿命は長い
「鶴は千年、亀は万年」ということわざがありますが、実際はそこまで生きません。
しかし、かなりの長寿です。
小型の亀は20年~30年ほど生きることができます。ゾウガメなどの大きいものだと、なんと180年以上も生きている亀がいるようです。ここまでいくと、動物園や何世代に渡って世話ができる環境じゃないと飼育は難しいですね。
ちなみに、250年以上生きたカメもいるそうですが、真意は不明のようです。
尚、鶴の寿命は20~30年。長いものだと80年ほど生きることができます。鳥の世界で30年生きるのは、かなりの長寿に値する種類になります。
あまりの長いペット飼育期間によって、途中で飼いきれなくなり川に放す飼い主もいるのが実情です。この行為により、在来種の絶滅危惧やその場所での生態系が大きく狂う原因になっているので、飼育をする場合には、最後まで見届けられるように計画を立てることが最低限必要です。
亀の飼育に必要な用品
見ているだけでも癒されるカメの飼育に必要な設備を見ていきましょう。
水槽
半水棲や陸棲のカメを飼うには、深さのある水槽は必要ありません。
浅い衣装ケースでも大丈夫です。
ただし、外で飼育する場合には強い紫外線がプラスチックを固くします。パリパリと割れてしまうので注意が必要です。
また、屋外では雨が降ります。雨が降ると水が溢れ出して脱走をしてしまうので、蓋や返しなどをつけて対策をする必要があります。
休息場所になる陸
水の中で泳いで陸で休む亀には、水槽の中に陸を作る必要があります。
リクガメの場合には、泳ぐための水がいらないので、飲み水用に浅い水入れを用意します。綺麗な水をキープするには汚れがたまらないように陸を設置することがポイントです。
水替えなどの掃除をするときに、スムーズにゴミが取れる配置にすると楽になります。
床材
ガラス水槽はツルツル滑るため、亀が上手く歩けません。
亀が呑み込めないくらいの石を床に敷くといいでしょう。
リクガメはバークチップが使えます。
ろ過フィルター
亀は水を汚しやすいです。
水の中にいる時間が長いほど汚れます。
フィルターがついている場合には、水替えを週に2回ほど交換すると良いでしょう。
フィルターがない場合には、カルキ抜きをした水を毎日、水槽の半分程度は交換したいところです。
フィルターがあるほうが水替えの頻度を落とせるので楽です。フィルターはカメ用のものを選ぶと安心ですが、水槽に水が半分以下の場合でも、水を上の方へ吸い上げられるものにしましょう。
日光浴の紫外線ライト
カメは日向ぼっこが大好きです。
「甲羅干し」をしなければいけません。
骨や甲羅を作るのに必要なカルシウムを吸収するため、体内でビタミンD3を作る必要があります。紫外線の「UVB」と呼ばれるものが必要です。屋外で直射日光を与えることができない場合には、紫外線ランプが不可欠。直接、または金網越しに照射しましょう。
この他にも、冬眠させない場合には「ヒーター」と必ず必要なものが「エサ」になります。
初心者でも飼いやすい「ゼニガメ」
日本固有の生物である「クサガメ」はゼニガメの愛称で呼ばれています。
日本の池や川を生息地として暮らしていますが、屋台などでも安価に販売されているため、手軽に購入することができます。
性格はとても温厚。
初めて亀を飼育する人には向いている種類です。
しかも人懐っこくて可愛い!
人の後をついてきたり、名前を呼ぶと反応することもあります。
初心者でも飼いやすい「ニホンイシガメ」
日本のみに生息しているニホンイシガメ。
日本には四季があり、冬は厳しい季節になりますが、日本の季節に慣れている亀なので寒い冬でも頑丈に生き抜いてくれます。
ニホンイシガメが生息している環境は水がきれいな場所なので、飼育水も綺麗な水になるように心がけましょう。水が汚れていると病気になる可能性が高くなります。
甲羅に藻などがついた場合には、歯ブラシなどでこすりながら取り除きます。
性格はとても大人しいです。
ただ、神経質なところもあるためストレスを感じやすい個体が多い印象です。体長は20cmほどになるので大きめの水槽を用意しておくと安心です。
初心者でも飼いやすい「ミシシッピニオイガメ」
ミシシッピニオイガメは小型の亀になります。
大きく育っても15cm以上になることはありません。あるとしたらかなりの稀です。10cm以上にもならない場合があります。
小さい亀のため、飼育負担が少なくて済むメリットがあります。また、水の中が大好きな亀なので、陸場はほとんど必要ありません。
身体が小さい分、あまり食べないので水が汚れるスピードも遅く水質悪化による水替え頻度を減らすことができます。
水温が20℃よりも下がらなければとても飼いやすい亀になります。また性格は比較的温厚で、極端に飢餓状態でなければメダカと混泳することも可能でしょう。
ただし、オスは噛みつく習性が強いものがいるので少し気にしておきたいところです。
寿命が長いです。
30年ほど生きます。
長ければ50年も生きる個体がいます。
危険を感じると悪臭を放つニオイガメですが、飼育上で特に問題になることはないようです。
初心者でも飼いやすい「ヘルマンリクガメ」
ヘルマンリクガメはペットとして人気の高い亀になります。
成長すると20cmくらいになりますが、暖かい季節には庭やベランダで放し飼いをすることもできます。その場合には脱走しないように細心の対策をしておきましょう。
穴を掘るのも得意なので、出入り口になるフェンスなどは、土の奥深くまで差し込むようにしてください。
人懐っこいので、飼い主の後を追ってきたりします。
尚、30年ほど生きるので飼育計画を立てることが大切です。
水がいる飼育方法は、どうしても水槽の壁や甲羅などにコケ問題が出てくるので、リクガメの飼育はその点に関して楽になります。
危険な亀に注意!
世の中には獰猛で危険な亀もいます。
マニアの人は飼育していますが、初心者が手にできるような相手ではありません。暴れんぼうのガメラを飼っているようなものです。
- ワニガメ
- カミツキガメ
危険カメは、生態系に悪影響を及ぶことから飼育が禁止、または許可がなければ飼うことができないものがいます。カミツキガメは特定外来生物に指定されています。
名前の通り、とにかく噛みつくため非常に危険です。
また、屋台やペットショップでよく見かけるミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)ですが、川や池に放す心無い人が激増しています。安価で手軽に買うことができるため、亀を安易に放してしまうのでしょう。
その結果、日本の生態系が破壊されてしまいました。
そこで環境省が2020年を境にミドリガメを特定外来生物に指定。大きくなると30cmほどになります。また、よく泳ぎまわるので大きな水槽がなければいけません。
特定外来生物に指定されると、売買、譲渡、飼育が禁止され、現在飼っているペットが新たに特定外来生物に指定された場合は、届け出が必要になります。
まとめ
カメののんびりとした動きは、時間に追われる人間社会とは真逆。
忙しい日に、カメの動きを見ることで心が癒されます。
カメの寿命は長いので最後まで飼育可能かどうかを計画的に考えてから育てる必要があります。