アクアリウムを楽しむと時間と共に透明な水が黄ばみ出すことがあります。
「魚の尿が溢れているの?」
そう考えると見た目にもなんとかしたい。
癒しのアクアリウムとは程遠い状態です。
しかし水槽の水は黄色だけではありません。
いろんな色にかわることがあります。
もちろんアクアリウムで理想的な色は「無色透明」。ただしアマゾン川のように茶色の水も魚の種類にとっては過ごしやすい水になっています。っとはいえ、水槽の黄ばみは汚れて見えるため、どうにかしたいところです。
そもそも原因はどこにあるのでしょうか?
「魚の排泄物?」
水槽の黄ばみの原因とは
水槽の水色は飼育者が思っているようにうまくいくとは限りません。
アクアショップで見る水槽はいつもきれいな透明色。
お客に見せる商売のため、常にお客が思い描く理想的な水槽でなければいけないからです。
頻度の高い掃除をしています。
一般家庭で飼育をしている場合には、自分や家族が楽しむ目的でアクアリウムをしていることが多いです。それ故に「手抜き」がどこかで発生しやすい。
黄ばみの原因を見ていきましょう。
主な黄ばみの原因
- ソイルや砂に付着していたゴミが浮遊した
- ソイルを潰してしまった
- 洗浄せずに砂を入れた
- 水草に付いているゴミや汚れが水中を浮遊した
- 餌の着色料や食べ残しが水中を浮遊した
- 植物プランクトンの藍藻(アオコ)が大量発生した
- 照明の色
- ソイルが原因
吸着系のソイルはそこまでありませんが、栄養系のソイルは栄養分が豊富なため、立ち上げ初期には栄養素が水中に漂います。そんため白く濁ったり、黄色っぽく見える場合があります。
藻類の大量発生
緑藻類・珪藻類は強い刺激臭を出します。鼻がもげるようなキツイ匂いのため嗅ぐとすぐに分かります。藻類が発生したら増えないようにすぐに取り除く必要があります。
ガラスにも藻が張り付くため、スポンジなどでガラスを掃除すると黄ばんで見えていた水槽がクリアになることを実感しやすいです。
では、なぜ藻類が発生するのでしょうか?
その原因はさまざまなのですが、そのひとつに餌のやり過ぎがあげられます。
水中にリン・窒素などが過剰に溜まっているため藻類がそれを栄養素として吸収します。豊富な栄養により増殖を加速させてしまうのです。
実験水槽がある場合には、餌をまったくいれない水槽と餌を多く入れる水槽で比較してみると良いでしょう。餌をまったくいれない水槽は藻類がつくスピードが限りなく遅いことを実感できるはずです。
また照明の点灯時間が長い場合・照明が強すぎる場合も藻類が発生しやすいです。照明時間を6時間にするなど時間短縮をしてみるのもひとつの方法になります。
そしてフィルターの濾過能力が不足している場合も考えられます。ろ過能力が不足すると水槽内に余計なものが溜まりやすい。例えば魚の糞など。糞の栄養が水槽内に拡散されることで藻類がそれを吸収して増殖します。
水草や餌の種類が原因
毎日複数回の餌を水槽の中に投入することになりますが、餌の食べ残しがでるとその成分が水中に溶け出してしまいます。人口餌は色揚げ効果などにより様々な成分が入っていますが、その成分が溶けだすことで水の色が変わる可能性があります。
また購入した水草にゴミが付着している場合も考えられます。
本水槽に入れる前に必ず流水でよく洗うか、別の水槽で数日様子を見るようにしましょう。農薬やスネールなどの侵入を防ぐ意味でも効果があります。
また、水草も生き物。いつかは死んでしまいます。水草が枯れることで色素が水中に溶け出すこともあり、水草は枯れるとそのほとんどが透明になり消えるようにして水中に溶けていきます。陸上にある落ち葉のようなイメージとは違うので覚えておきましょう。
溶けた水草が黄ばみを発生させている場合があります。
照明の色が原因
水槽の中を視覚的に楽しむには照明が必要なのですが、照明には「色」があります。
照明の色により黄ばんで見える可能性が考えられます。
とくに蛍光灯の場合は蛍光管を安易に取り替えることができ、メーカーから購入した照明は7500k以下が付属されていませんか?
黄色っぽく見える蛍光灯になっています。
初期には透明色でも少しの藻が繁殖するだけで黄色の光色が加わり黄ばみに見えてしまいます。
蛍光灯なら「ホタルックα」に変えてみると良いでしょう。8000kになるため白っぽい色になります。金銭面で余裕があるなら12000kにチャレンジしてみると良いです。
LED照明なら白・青・赤色の光が使われている商品が多いため「視覚・水草」に必要な光をえることができて便利です。
水槽の黄ばみを改善する対処法
水槽の黄ばみを抑える改善策を見ていきましょう。
水換えをする
水換えは藻類などアオコ自体の量も減らせ、水槽内の栄養分や有害物質の量も減らせます。
黄ばみが取れる最も効率の良い方法で、水質の改善にも期待が出来ます。ただし、バクテリアも一緒に水槽外に出ていくため、3分の1程度が望ましいです。
しかし、藻の発生速度が水換えの頻度よりも早い場合は効果が出ない可能性もあります。
水槽内への追肥を停止する
液肥や固形肥料などで追肥している場合は一時停止しましょう。
栄養を追加すると苔藻が元気いっぱいになります。
照明の時間を減らす
照明の時間が長いと藻類が光合成を活発に出来るようになり大量発生につながります。
照明の強さが強い程活発化するため、直射日光が当たる場所に置いているとあっという間に緑~黄色の水槽に見えてしまいます。
窓際に水槽を置いている場合はカーテンや遮光テープなどを使用して光の強さを調整しましょう。
また、照明の色そのものが黄色のものを使用している可能性があるので、8000k以上のものに変えてみると良いかも知れません。安価でおすすめなものがホタルックαです。ホタルックαは8000kあるため白く見えます。
また、残光機能があるため、電気が消えた瞬間の魚のパニックを低減することに期待ができます。
LEDの照明は10000k程度にしているものが多く青白く見えます。淡水魚環境では8000k以上13000k以下が良いと思います。海水魚環境の場合は17000k以上を使用することが多いです。
流木のアクを取り除く
流木を水槽内に入れていると、アクがでてきます。水槽の水が黄色や茶色に変化していくので、「ブラックホール」などを使うことで取り除くことができます。
まとめ
アクアリウムをするうえで見栄えはとても大事なポイントです。透明な水は誰もが憧れるアクアリウム水槽になります。
黄ばみの原因は多くありますが、まずは水替えと水槽のガラス面の掃除から行いましょう。
アクアリウムは癒しです。黄ばみは汚れて見えてしまうため可能な限り早く対処をしたいところ。透明な水を維持できるようになると飼育レベルがワンランクあがったと実感できるのではないでしょうか。