カメラを購入して好きな被写体を撮影していきます。
この時に、カメラの位置と被写体の位置関係はどのような距離を保っているでしょうか?
撮影する距離には焦点距離と呼ばれるものが関係し、f値と呼ばれるものも関わってきます。写真を綺麗に撮るための基本的な距離関係を知ることが大切です。
焦点距離ってなにパラ?
被写体との距離がポイントで、焦点距離をマスターすると写真がもっと上手に撮れるんだ
焦点距離とは?
撮影をするためには、被写体と距離を取る必要があります。
近くで撮影すると被写体は大きく撮れ、遠くで撮影すると被写体は小さく写ることになります。「焦点距離」という単語がありますが、一眼レフ・ミラーレス一眼カメラを使うと、必ず登場する言葉です。
その理由は、レンズを選ぶときに大切なポイントになるため。
レンズで焦点距離を示す場合は、【〇〇mm】と数値で表示されており、この〇〇の中の数字により、近い距離・遠くの距離などの撮影範囲が決まります。
簡単に言うと、レンズを通過した光がどの位置でピントが合うかの目安で、焦の点が焦点であり、レンズとその焦点の距離が「焦点距離」。
例. 焦点距離レンズ
- 単焦点レンズ:XF35mmF1.4 R
- ズームレンズ:XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS
一眼レフ用のレンズには様々な種類がありますが、例として「単焦点レンズ」と「ズームレンズ」を取り上げました。
XFはマウント名
「XF」はマウントタイプです。
同メーカーでもグレードによって英字が変わり、メーカーによっても変わります。富士フイルムは「XF」ですが、キャノンの場合は「EF」、ニコンは「Z」など。
〇〇mmは焦点距離
35mm、55-200mmは焦点距離を指す数字です。
前者は35mmで固定されているためズームはできません。後者は55mmから200mmの間で利用できます。つまり200mmまでズームができるということです。
F値の開放
F1.4、F3.5-4.8と記載されています。
これは絞り値のこと。
開放絞り値であり、「後者のF3.5が広角・F4.8望遠」でこの間を利用することができます。「前者のF1.4は固定」です。
実はF値にはふたつの意味があります。
レンズ自体の明るさ以外にも、露出設定の絞り値をあらわします。
絞り値(F値)というのは、「絞り」という穴を通してとりこむ光の明るさのことです。「F1.4、F4、F5.6、F8、F 11、F 16…」と絞り値を大きくするほど穴が小さくなり、取り込める光が少なくなります。レンズによってF値は異なるため注目しましょう。
基本的にF値の数字が若い方ほど明るいレンズとなり暗い場所や室内に強いレンズになります。また、玉ボケも作りやすいです。
そしてF値の数字が高いほど光があまり入らなくなるのでシャッタースピードが落ち、撮影時間が伸びます。これは手振れにつながる恐れもあるため注意が必要です。
ただ、F値を若い数字にして明るくしたら良いのかといえばそうではなく、F値の大きさで画質が左右されます。レンズによって多少は異なりますが、一般的に「F5~8」、または「最低F値の2つ上」が最も美しい画質になるとされています。
ちなみに人の眼の明るさはF1.0とされています。
最後の英字
最後に記載されている英字はメーカーで異なり、手振れ補正の有無やレンズモーターの種類などが記載されています。
焦点距離のポイント
要するに、焦点距離は数値が小さいほど広範囲(広角)を写すことができ、ダイナミックで広大な風景を撮りたいときに適しています。
反面、数値が大きくなるほど被写体を大きく写すことができる望遠になります。
焦点距離と画角の関係
レンズの焦点距離は35mm換算になります。
どういうことかと言うと、35mm換算はフルサイズの一眼レフを対象にしている数値だということです。
フルサイズよりも軽くて小さいカメラが作れるAPS-Cサイズの映像素子を搭載したカメラが人気を集めています。
APS-Cは手軽に持ち出せる反面、フルサイズよりも光を取り入れるセンサーのサイズが小さいので、暗い場所や室内では少し不利になる場面があります。
ただ、価格的にも手頃なものが多いため人気が高いです。
例えば、XF35mmF1.4 Rのレンズを使うと焦点距離は35mm換算なので、APS-Cサイズの富士フイルムカメラで撮影すると、フルサイズよりも拡大されて撮影されます。
「目安」
- 18mmの画角 (35mm換算約29mm) ※一般的な風景に最適
- 35mmの画角 (35mm換算約56mm) ※ポートレートに最適
70mmの画角 (35mm換算約112mm) ※ポートレートに最適 - 200mmの画角 (35mm換算約320mm) ※望遠
- 400mmの画角 (35mm換算約640mm) ※超望遠
「XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS」のレンズを使用した場合は、ポートレート(人物)から望遠の距離が撮影できます。人物の距離なので、もちろん小物などの物撮りも可能です。
望遠ズームをすると、写真に写る範囲が切り取られていくため、画角が狭くなる特徴があります。広角で写真を撮ると、邪魔な部分が映り込む場合があるため、そんなときは望遠を使用すると良いでしょう。
不要な部分が切り取られて写し出されるため、主役を主張したいときにも便利に使えます。
「広角」
「望遠」
- 広角レンズ
広がり
シャープ - 望遠レンズ
圧縮効果
ぼけを作りやすい
まとめ
レンズの明るさは、焦点距離とレンズの口径で決まります。
同じ焦点距離であれば、レンズの口径が大きいレンズほど明るいレンズになります。数値が小さければ広範囲を写すことができ、数値が大きければ画角が狭くなり、遠くのものを大きく写すことが可能です。
レンズの焦点距離が変わると、撮れる写真も変わります。