ヘアーグラスはアクアリウムをする上でとても人気のある水草です。
水槽に草原を表現することができ、見た目もとても綺麗に見えます。
採取場所と植え方・育て方を見てみましょう。
ヘアーグラス(マツバイ)の採取場所
ヘアーグラスは、アクアショップか熱帯魚を扱うホームセンターか、自分で採取する手もあります。自分で探すならタダだし、宝物探しのように楽しむこともできます。
ヘアーグラスが自生している場所を見てみましょう。
マツバイ(ヘアーグラス)の自生
ヘアーグラスは日本に自生している水草になります。
日本名は「マツバイ」ですが、驚異的な成長速度があるためアクアリウムに興味のない人から見ると厄介な雑草でもあります。
ヘアーグラスを探す場合は『水田、水路、河川、田んぼ』に行きましょう。そこで水中葉よりも探しやすい水上葉に注目しながら探していきます。
ヘアーグラスは水上葉の場合、田んぼの稲が植えてある付近に生えています。
季節は冬以外で採取可能ですが、ヘアーグラスが元気になる6月中旬~9月初旬までが探しやすいかもしれません。
夏の終わり秋になると田んぼをリセットする時期になるため、場所によってはショートグラス(マツバイ)が見つけにくくなる可能性も。
また、ショートグラスが生えている田んぼは当たり外れが多いかも?
10か所程度探した中、1か所の田んぼにしか生えていませんでした。
運良く見つけた場合は根こそぎ摂らないようにしましょう。マツバイ(ヘアーグラス)は冬越しが出来ます。採取したものが枯れてしまった時のことを考えて、来年のために、再来年のために「種」を残しておくことが、自分にとっても環境にとってもベストだと思います。
田んぼに潜む罠、水草を水槽に入れる時の注意点
ヘアーグラスを見つけたら水槽の中にすぐに入れてしまいがちですが、それには注意が必要です。
農薬に要注意!
野生に自生してるショートグラスを水槽に入れる場合は注意が必要です。田んぼなので農薬を使用している可能性があります。
農薬は魚・エビなどにとって致命的な毒薬になるため水でよく洗い、数日間水につけて置き、水を入れ替えてミナミヌマエビなどを投入して様子をみましょう。
エビは水質に敏感なため、水槽の異変に気付くパラメータとしても役に立ちます。
そして、貝やトンボなどの卵が付いている可能性があります。スネールの貝は繁殖が凄まじいので水槽内に大繁殖してしまう厄介者です。
スネールをとってもとっても次から次から産まれてくるため水槽をリセットしなければいけなくなります。また、トンボの卵はヤゴになり魚などの天敵になります。こちらもよく洗い、気に止めておきましょう。
これらは野生に自生しているものだけではなく、お店で販売されているものも同様です。お店で購入した水草に卵や農薬がついていた話はよくあります。
ヘアーグラスの植え方と育て方・増やし方
ヘアーグラスの植え方、育て方を見ていきましょう。
ヘアーグラスの性質 ~植え方~
- 水質:弱酸性~弱アルカリ性~中性
- 適応温度:20℃~28℃
- 硬度:軟水~中硬水
- 二酸化炭素:あれば綺麗になります。(1秒に1滴)
- 光量:蛍光灯2灯~、できれば3灯~
- 成長速度:普通
一般的にアクアリウムでは、3cm~7cmぐらいまでの背丈が高くならないものを「ショートヘアーグラス」と呼び、それ以上に伸びるものを「ヘアーグラス」と呼んでいます。
水上では穂のような小さな花をつけますが水中では花を咲かせることはほとんどありません。
水槽内では背丈があまりないため光量不足に陥りやすい傾向があります。蛍光灯2灯でも育成は可能ですが、できれば3灯以上あったほうがより元気に育ちます。
初心者でも簡単に成長を見込める底床は『ソイル』になります。
地下茎でランナーを伸ばしながらどんどん増えていくので、底砂へしっかり肥料を与えましょう。
ソイルはそもそも土なので栄養が含まれています。砂や砂利などを使用する場合でも育成は可能ですが、これらには栄養がまったく含まれていないので固形肥料を与える必要があります。
液体肥料もありますがヘアーグラスは根を張りながら成長するタイプの植物なので固形肥料を底床に埋め込み育てると効率が良いです。
注意点として、特に大砂利の場合は密度がないと上手くランナーを伸ばせずに成長が止まったり遅かったりします。
- お店で販売されているものはポット売りや束売りになっています。購入後に水槽の水を汲み出した容器の中でばらすようにします。
- ばらしたヘアーグラスを綺麗に濯ぎながら根元についた苔や枯れた部分などを取り除いていきます。これは先端も同様です。苔がついている場合はハサミなどでカットしてから植え込みます。この作業はコケを水槽内に繁殖させないためのものです。下茎がしっかり残っていればすぐに新しい葉を出して成長を開始するため問題ありません。
- 植え込みは、だいたい葉を10本程度(2、3束)で植え込むようにしましょう。
- 5cmほど敷き詰めた底床に田植えをする感覚で植え込んでいきますが、多少深めに植え込んで問題ありません。逆に浅すぎるとすぐに抜けてしまったりエビや金魚などにほじくられてしまうこともあります。
水上葉のヘアーグラスの場合
ヘアーグラスを購入したものが水上葉の場合は、洗った後にそのまま水槽内に植栽しましょう。
1週間程度で葉先がカールした水中葉を展開します。
時間と共に、水上葉と水中葉が共存している状態になりますが、1週間を過ぎたら枯れてしまう水上葉が出てくるので、底床ギリギリでトリミングすると水中葉だけが再び生えて展開してくれます。
レイアウトを考慮しながらある程度までエリアを広げたら、底床などにハサミを入れてカットしましょう。放置をすると、どこまでもランナーを伸ばして広がっていきます。
ヘアーグラスのコケ対策
ヘアーグラスは古い葉をいつまでも残しておくと、ハケ状の苔などに見舞われることがあります。この場合は、「ミナミヌマエビ」や「サイアミーズ」などを投入しておくと苔予防や防止になります。
ヘアーグラスは低光量でも育成できないことはないですが、低光量だと背丈が通常よりも高くなるため、水槽のレイアウトを大きく左右することになります。
ショートヘアーグラスは、草丈があまり大きくならずに葉が外側にカールし、ある程度の高さになると底床方向に葉が向かいながら、底床付近の葉の密度を増すことが出来るためおすすめです。ノーマルタイプよりも値段が少しあがります。
まとめ
ヘアーグラスは水槽の中に大草原を作ることが出来ます。
コケが生えやすい傾向があるものの、レイアウトの見た目がワンランクアップする魅力があります。また、自生をしているヘアーグラスを探す時間も、アクアリウムの楽しみの一つに出来ます。